公開日:2024.07.24 更新日:2024.09.12

本気で業績を伸ばそうと思っています?経営者の本性がわかる3つの指標

鳥の目、虫の目、魚の目、コウモリの目というのは主にマーケティングの世界で使われる用語ですが、経営においても色々な目で状況や出来事に向き合っていくことは効果的です。鳥の目とは、大空を飛ぶ鳥の目のように物事を俯瞰的、大局的に捉えることです。虫の目とは、今、何をすべきかを明確にして、目の前のことに集中して取り組んでいくことです。魚の目とは、時流を読んで、時間を軸にして視点を変えることです。コウモリの目とは、逆さまから物事をみるということで、意識して相手の視点でモノを見ることの例えです。

このように物事はひとつの目だけで見るのではなく、鳥や虫、魚、コウモリになったつもりでマクロとミクロの両方で色々な角度から見なければ本質を見誤ります。特に気をつけたいのが近視眼的なミクロ視点です。自社の毎月の集客や契約はもちろん大事ですが、今回は住宅業界を鳥の目のマクロな視点で見た場合に、魚の目で時流を読んで、コウモリの目で相手の視点で見て、虫の目で業績アップのために今やるべきことをお伝えさせていただきます。ぜひ最後までお付き合いください。

市場の縮小と正常性バイアス

恐らく住宅業界で最も有名な予測である野村総合研究所の「2023~2040年度の新設住宅着工戸数」によると、2024年度からいよいよ着工戸数が減少フェーズに突入します。これまでは消費税増税の駆け込みや、コロナ禍による巣ごもり需要など、ここ5年間は86万戸前後を行ったり来たりしていましたが、これからは増えることなく減り続けます。政府が全面的に移民を受け入れ、金融機関が外国人にも住宅ローンを組めるようにする以外は着工数は増えません。最もマクロで捉えるべきは新築住宅の市場は増えないということです。

市場が20%減少すると業者は40%減少します。市場の減少以上に業者の減少の方が上回ります。その理由は「正直なところもう業績を伸ばせるとは思っていない」「今のままキープできれば御の字」と所謂、戦意喪失している経営者が増えていることと、業界再編が加速していることにあります。正常性バイアスという言葉があります。これは、予期せぬ事態に遭遇したときに「自分は大丈夫だろう」という先入観やバイアスが働き、正常の範囲だと思い込んでしまう心理学の用語で、社会心理学や災害心理学、医療用語としても使われています。「市場が減っているけどうちは毎年20棟しか建てないから大丈夫だろう」「うちの地域はハウスメーカーは強くないから大丈夫だろう」このように思ってしまっていること自体バイアスが働いているのです。

経営者の本性がわかる3つの指標とは?

日本が戦後、高度経済成長を遂げたのは団塊の世代が24時間戦えますかのモーレツ社員で真面目に頑張ったからではなく、人口が爆増した人口ボーナスが背景にあったからとされています。住宅業界も20年前よりは着工数は減っていますが、先程も申しましたように86万戸前後でここ数年推移していることと、家を建てれば新しい家電や家具を買ったりするなどの川上産業であるので、補助金などの国のバックアップがあったから何とかやってこれました。しかしこれから減少フェーズに突入すれば市場が縮小するだけではく、そうした援助もなくなるかも知れません。

これからは当然ながら市場は縮小しますので、昨年と同じやり方だけでは伸びません。市場拡大によるボーナス(恩恵)はもうありませんので業績を伸ばそうと思わないと絶対に伸びることはありません。「去年と同じ20棟でいいや…」と思っていては理論上、20棟も無理なのです。とは言え市場はシーソーゲームで、業績が伸びている会社は業績が落ち込んでいる会社の受注分を取り込んで伸びています。つまり、伸ばす側に回るか否かが今後を決定付けます。あなたは本当に業績を伸ばそうと思われていますか?ずっと今のままの売上でいいと思っているのか?それとも会社を成長させて業績を伸ばしていきたいと思っているのか?そんな経営者の本性がわかる3つの指標があります。

売上N億円のフォーマットに投資するか否か

それは①採用計画②立地選定③システムの導入の3つで、この①~③は会社の成長志向があるかないかがわかりやすい順番にもなっています。最もわかりやすいが①採用計画です。そもそも人を増やす計画が現時点でなければ業績は伸びません。今から新卒採用を始めようと思ったとしても実際に入社するのは再来春の2年後になります。なので、新卒だけでなく中途採用も含めて動かないといけないのです。KPIは社長との面談数です。②立地選定は最も投資がかかるもののひとつなのでわかりやすい指標です。業績が上がるときというのは展示場や店舗の出店で「今の業績があるのはあのときに腹をくくってここに出たから」と振りかえられる経営者も多いのです。反対に中途半端な三等立地などに出店すると「すぐに撤退できるから社長は本気じゃない」と社員からも見透かされます。

この3つの中では最も地味ですが③システム導入というものが最も経営者の本性が垣間見れる指標です。システムとは少し違いますが、ホームページのリニューアルにかける費用も、例えば300万円という提示に対する捉え方です。それは高いか安いかではなく、今ではなく売上N億円になっている未来を見据えて、売上N億円のフォーマットに投資するか否かです。そもそも会社が成長しなければ300万円もかけなくてもいいのです。安物買いの銭失いと感じるのは、会社が成長しようとしているのにシステムが追いつかず、不便さを感じるだけでなく結局のところ次から次へと費用と時間がかかってしまうときです。一方、会社が成長しないのであれば安物買いの方がお得です。皆さんの会社ではどうですか?

今回のコラムまとめ

  • 物事はひとつの目だけで見るのではなく多面的に色々な角度から見なければ本質を見誤る
  • 市場が20%減少すると業者は40%減少するが「大丈夫だろう」という正常性バイアスが邪魔する
  • これまでの市場拡大の恩恵はないので業績を伸ばそうと思わないと絶対に伸びることはない
  • 人を増やすための採用計画と採用への投資という視点が現時点でなければ業績は伸びない
  • 今ではなく売上N億円になっている未来を見据えて売上N億円のフォーマットに投資するか否か
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