
住宅営業の「最初の2分」が商談を決める理由
住宅営業の現場では、
「最後の最後で競合に持っていかれる」
「価格やスペックの話になると不利になる」
といった悩みを多く耳にします。
しかし、この競合負けの原因の多くは最終見積もり勝負ではなく、実は商談が始まった「最初の1〜2分」でのフレーミングがどこまで効いているかにあることが多いです。
今回は「自己紹介で競合排除を行うトーク術」を紹介します。
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多くの営業は、お客様から「◯◯ホームも見ています」という言葉が出てきてから競合対策を始めます。
このタイミングでのカウンタートークには
・売り込み感が強くなる
・悪口に聞こえてしまう
・お客様が身構えてしまう
といったデメリットがつきまといます。
反論や否定は、どうしても印象が悪くなりがちです。
では、どうすればいいのか。
答えはシンプルで、
競合が出てくる前に、先に土台をつくっておく ことです。
トップ営業は自己紹介をただのアイスブレイクとして扱いません。
初めて会った瞬間から、
「どんな基準で住宅会社を選ぶべきか」
という軸をさりげなく提示し、お客様の頭の中に比較の枠組みを作っています。
・断熱性能は今どの会社も高いので、違いが出るのは間取りの自由度
・価格は比較しやすいが、暮らしの快適性は比較しにくい
・デザイン性は会社ごとに思想が違うので、価値観との相性が大事
こうした話を自己紹介に織り交ぜることで、後から競合が登場してもお客様は自然と「比較の基準」を持った状態になっています。
ここが、後追いのカウンタートークと決定的に違う点です。
競合の弱点を直接伝えると悪口になりますが、「自分がなぜこの会社を選んだのか」というストーリーで伝えることで嫌味なく競合排除のための布石を打つことができます。
例:
・ローコストメーカーで間取りの限界を感じていた
・比較した中で、自社の提案力に納得した
・暮らし方への考え方が自分と合っていた
このように、自分の価値観と選択の話として伝えることで、結果として競合の弱点が自然に浮かび上がります。
しかも、嫌味になりません。
これが「自己紹介で競合を排除する」という考え方の本質です。
トップ営業は、自己紹介を1つだけ持っているわけではありません。
・ローコストと当たりそうな時
・一条工務店など高性能系が競合になりそうな時
・同価格帯の工務店と競合しそうな時
このように、想定される競合によって伝えるストーリーや比較軸を微調整しています。
同じ1〜2分でも、内容を変えるだけでその後の商談の流れは大きく変わります。
自己紹介は“ただの前置き”ではありません。
住宅営業において、実はもっとも競合に差をつけやすいポイントです。
・後追いで反論しない
・自分の選択ストーリーで嫌味なく比較軸を示す
・競合パターンに合わせて自己紹介を調整する
こうした小さな工夫が、その後の商談の勝率を大きく左右します。
今回のコラムの理解を深めたい方のために、
原が実際に現場で使用していた
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