契約から着工までの早期化を実現する具体的実行策

2024.12.10 2024.12.10

集客が減っている…契約が取れない…採用ができない…などなど住宅経営においては会社ごとに様々な課題があります。では集客も安定的し採用もうまくいき契約が取れたら課題はすべて解決するかと言えば、そのようなことはありません。なぜなら住宅は売ったら終わりのビジネスではなく、契約して施工して引き渡して、そのあとのアフターなど顧客との関係性がこのあとも続くビジネスだからです。一旦の区切りを設定するとしたら、入金が完了する引き渡しでしょう。

特に注文住宅は、今日契約しても今日に全額入金はありません。契約から最終入金までが4ヶ月先、半年先、解体工事や補助金の申請などがあれば1年先になってしまうこともあります。積極的に分譲地を仕入れることでもしない限り“先銭”を支払うことはありませんが、契約から着工、着工から完成引き渡しまでの期間が伸びることでキャッシュフローが悪化してしまいます。それはいくら契約が増えても結局のところで業績は上がらず、逆に黒字倒産もあり得ますので、それだけ工期短縮は経営面において重要なのです。

契約から着工までが長期化する要因

工期短縮といっても改善すべきは契約から着工までの早期化です。着工から完成引き渡しまではどの会社でも4ヶ月前後ですが、契約から着工まで会社によって大きな差があります。契約から着工まで長期化する要因は、設計・図面確定までの打ち合わせ回数が多かったり、コーディネーターの打ち合わせ回数が多いなどの人が関わる部分です。打ち合わせ回数が多くなる原因としては、お客様の要望が多いということもありますが、お客様に決めてもらうことができていないことにあります。

住宅営業の土地提案を思い浮かべていただくとわかりやすいかと思いますが、土地に関しても平均して1回から2回で決める営業もいれば、何度も何度も土地案内をして結局決まらなくて失注する営業もいます。これはお客様の主導権が握れていないことに根本的な原因があります。なのでこの改善策は人にありますので、決められる設計やインテリアコーディネーターに決めてもらうことです。そのような方は提案力自体も優れていますし、何よりクロージング(決めてもらう)力も優れています。

設計&インテリアコーディネーターのロープレと分業制

そんな人材はウチにはいない…と思われるかも知れませんが、これも住宅営業と一緒で、教えずに最初から完璧にできる人なんていません。当然ながら知識は必要ですが、お客様に伝えるというスキルが必要で、このスキルは練習である一定レベルまでは習得することが可能です。そのためには設計やインテリアコーディネーターもロープレが必要なのです。オススメのロープレのやり方は、これも住宅営業のロープレと同じで最初から最後までの通しで行うのではなく、例えば今日はフローリングの色を決めるロープレを行うというように、部分部分に切り取って行う方がスキル習得するまでの時間も短縮化できます。

とは言え、人にはそれぞれ得手不得手がありますので、提案が苦手な人には提案が得意な人の横について、決めていったものをまとめてもらうなど業務を分業化していくということも会社の体制としては考えた方がいいでしょう。間違いなく設計業務やインテリアコーディネート業務は分業化していく方が生産性は上がっていきます。このようにして着工までの早期化を実現し工期短縮につなげていきますが、商品価格帯ごとに目安にすべき打ち合わせの期間や回数と、すぐにできる契約から着工までの早期可のポイントについてお伝えしていきます。

すぐにできる契約から着工まで早期化のポイント

2,000万円前後のローコスト住宅の場合だと、契約から着工までが2ヶ月。着工から完工までが3ヶ月。初回接客から1ヶ月で契約し、早い場合だと初めましてから引き渡しまでが半年というのが目指したい目標ではありますが、初めましてから引き渡しまでが平均8ヶ月というのが指標になります。仮に請負契約を優先してプランがしっかりと確定していない段階での契約だとしても、図面確定まで契約から1ヶ月。インテリア打ち合わせが、外観、内観、設備、まとめの4回でトータル1ヶ月。その間に建築確認申請などを進めておいて、コーディネート中に申請が下りて、確定した段階で着工というイメージです。

一方、高単価になればなるほど設計申込はしっかりと取るようにするのがいいですが、そうなると契約までの期間が長くなる傾向にあったりしますが、その分、契約から着工までが2ヶ月でできているケースもあります。大事なのは、打ち合わせ回数が長引いているのか?それとも申請部分で長引いているのか?そうではなくて現場監督に引き継ぐ段階で長引いているのか?どの部分で遅延しているのかを把握し、どの部分を縮めるのが効果的なのかを見極めて、会社組織として取り組むべきです。

今回のコラムまとめ

  • 工期短縮といっても改善すべきは契約から着工までの早期化
  • 契約から着工まで長期化する要因は打ち合わせ回数の増加にある
  • スキル習得のために設計やインテリアコーディネーターもロープレが必要
  • 生産性を高める設計業務とインテリアコーディネート業務の分業化
  • 遅延部分を把握し効果的な部分を見極めて会社組織として取り組む
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