公開日:2024.06.02 更新日:2024.06.29

地域性や市場減少を言い訳にしない!住宅業界の未来の縮図と解決とは?

減少する住宅市場において、これまでと同じやり方では業績を伸ばしていくのはほぼ不可能といっても過言ではありません。需要の供給の関係で、需要が減っているにもかかわらず、これまでと同じやり方で業績が伸びるとしたら、それは供給となる競合他社が淘汰され、それが需要以上に減少している場合のみです。勿論、他社を潰すなんてことは実質不可能なので、競合他社が減っていくのを待つしかありません。戦国時代だと籠城(持久)戦です。

因みに、ただ城の守りを固めてひたすら相手の攻撃に耐え続けるというのは戦略でもなにでもありません。実際に戦国時代における籠城戦の基本は、援軍を待つための戦略という位置づけで、ビジネスに例えるなら業績を好転させる次の一手を打つまでの耐える期間です。今回は着工棟数の減少…採用難…資材高騰にもかかわらず注文住宅で成長し続ける地域密着ビルダー特集の第3回目(最終回)をお伝えさせていただきます。住宅業界の未来の縮図と解決策がこれを読めばご理解いただけるかと思います。

  • 第1回目「新卒の若いチカラで会社を引っ張る住宅業界のインフルエンサー!楓工務店の2つの成長戦略」はコチラから 
  • 第2回目「崖っぷちのどん底からの50棟突破!ある地域密着ビルダー波乱万丈ストーリー」はコチラから

200棟も満たない小規模商圏での近藤工務店の戦略

北海道の中標津・根室をメイン商圏に注文住宅を展開されている「近藤工務店」という地域密着型住宅会社があります。現在年商24億円で社員数40名、地域シェア率25%と驚異的な高シェアを誇ります。小規模商圏ながら、地域に根差したマーケティング戦略と社員を細かく管理するマネジメント手法が功を奏して、2021年は昨対比で契約棟数220%成長、コロナ禍でも3年間で契約棟数338%の成長を実現しされています。

今期で創業61年目を迎えられますが、本社を構える中標津エリアと新規出店した根室エリアと地域に合わせて、売る商品を変えながら拠点戦略を展開されており、2030年に売上50億円を目指し成長し続ける老舗ビルダーです。ではどのように小商圏にもかかわらず50棟を突破し、高シェアを獲得されたのか?まずは50棟突破する前の状況からお伝えします。

地域性を言い訳にせず小商圏だからこそ取り組んだこと

他社で成功している取り組みの事例をお伝えすると「うちのエリアは独特の地域性があるから…」と経営者から言われることがあります。色々な捉え方があるでしょうが、住宅という商品を日本で日本人の一次取得者に対して販売するということに限っては、地域性はほとんどありません。唯一あるのは地域ボリューム(年間着工棟数)です。1,000棟商圏と200棟商圏では、50棟を突破するための難易度も戦略も異なります。

住宅業界では地域一番店のシェア率が7%と言われている中、年間の着工棟数が200棟も満たない地方の小商圏で注文住宅を50棟販売するには、その地域で40%のシェアを獲得しなければならないのです。さすがに1,000棟商圏の事例をそのまま取り組んだだけでは難しく、小商圏エリアで尚且つ自社に合った業績を伸ばす戦略を組み立てなければなりません。これが本当の地域性です。

拠点戦略が業績アップに影響を与える2つのこと

小商圏だからこそ圧倒的なシェア率を取っていくことにシフトされます。そのためには拠点戦略が重要です。拠点戦略というと出店を思い浮かべる方も多いですが、拠点をより良い立地に移転するというのもあります。2000年に中標津本社を国道沿いの一等立地に移転し、モデルルームや家づくりの体感コーナーを併設した地域で最も大規模な超大型ショールームを出店されました。これまでとは違い、拠点に大きさに比例して圧倒的な集客数を獲得されます。ただ中標津だけでは棟数に限界があるため、出店戦略として2017年に中標津よりも商圏ボリュームが大きい釧路に市内最大級の住宅情報館をオープンされました。

大商圏とは異なり小商圏だからこそ高シェアを獲得することは可能です。そのために重要なのは拠点戦略なのです。その地域で最も視認性の高い場所に、そこに行けば土地情報も含めて家づくりのことがすべてわかる大型店を出店することです。それまでは見学会集客がメインでしたが、店舗集客に切り替えたことで集客数と契約率が飛躍的に伸びました。また店舗の影響力は認知や集客だけではなく、実は業績アップに最も重要な採用に最も影響を与えます。政治の世界の外交において人口は国力を表します。地域において人口は将来の可能性を示します。住宅市場が減少していく中、こうした小商圏で業績を伸ばされている成功事例にその解決が隠されているのです。

クライアントボイスはコチラ⇊

You are up Newx.

クライアントの成果を見て
興味を持った方、
次はあなたの会社の番です。