公開日:2024.06.11 更新日:2024.06.11

相手が嫌がる王道マーケティングがキーワード

20年近く住宅業界に携わってきた中で業界は大きく変貌しました。マーケティングの視点で住宅業界の変化を見ていくと5年ごとに周期があることに気づきます。十年一昔といいますが今はドッグイヤーで五年一昔です。もはや十年は二昔なのです。さらに厳密に言えば、五年という歳月は、新たなことに取り組んで成果が出て確立されている状態で、変化(他社との差)は三年で現れています。

2005~2009年はチラシ全盛。自社ホームページがない会社も多く存在しました。2010~2014年はチラシとホームページの連動。2015~2019年からはウェブ広告やSNS広告の全盛。2020~2024年はウェブ広告とSNS広告とホームページの連動です。今回は来年2025年からのマーケティングはどのように変化し今から準備することは何なのか?キーワードになるのは“(競合)相手が嫌がる王道マーケティング”です。それでは詳しく解説していきます。

宿泊体験、OB宅訪問、家づくりセミナーが有効な理由

なぜ5年の周期ごとに変化するのでしょうか?マーケティング上の変化が起こる要因は主に2つあります。ひとつはデジタル技術の進化でこちらは手法論です。この変化には合わせて変化していかなければなりません。こちらよりも重要なのは、もうひとつの要因となるニーズの変化でこちらは感情論です。このニーズを把握できずに手法だけを変化させても期待どおりの成果は得られません

時代は刻々と変化していますが、母親世代に流行ったファッションが娘世代でも流行ったりするように、その変化も実は回っていたりします。今年に入ってから感じているのは、住宅業界も昔の流行った取り組みが今の時代に有効だったりします。昔とは直近でもコロナ前。それより前だと10年ぐらい前の感覚です。一例をあげるとすると、宿泊体験とOB(オーナー)宅訪問、家づくりセミナーの3つです。先ほども申しましたが重要なのは、宿泊体験とOB宅訪問と家づくりセミナーを取り組んだら成果が出るという話ではありません。その背景にあるニーズを把握しているか否かで成果は大きく違ってきます。

取り組みは同じでもお客様のニーズが変化している

宿泊体験のニーズは、お客様自身が購入決断の納得度を高めたいということです。旅先のホテルで宿泊するのとは違い、自社のモデルハウスでの宿泊体験の時間は、夫婦や家族でその会社に依頼するかどうかという会話が必ず行われています。お客様が欲しいのは納得度で、背中を押してあげることです。なので、宿泊体験のあとに必ずクロージングのための商談時間を設けなければなりません。そこまでが宿泊体験です。

OB宅訪問はコロナ禍では行えませんでしたが、コロナ禍を経て今は有効なツールです。OB宅訪問のニーズは、お客様自身がお客様同士のつながりや仲間意識を高めたいということです。勿論、住み心地などを語っていただくのも重要ですが、それより重要なのはファンになってもらうことです。所謂、〇〇ファミリーという関係性です。家づくりセミナーは10年ほど前に流行った手法で、社長や社員、ゲスト講師を招いたりして、自社の会議室や公民館の一室を借りて行う講座です。今のご時世なんでもすぐに情報が得られるのにわざわざセミナーに来るお客様がいるのかと思われるかも知れませんが、今は逆に情報が溢れている情報過多時代です。家づくりセミナーのニーズは、だからこそ正しい指針を得たいということです。このように取り組みは昔と同じでもニーズが変化しているのです。

“(競合)相手が嫌がる王道マーケティング”とは?

一昔前は、いかに自社の家づくりが優れているかを伝えるかが重要でした。しかし今はそれでは伝わりません。なぜなら、お客様はすべての家が(ある程度)良いと思っており、粗悪な家は出回っていないだろうと思っているからです。断熱性能や耐震性能などの住宅性能の基準も高くなり、そうなることで他社との違いがわからなくなっているのです。自社のメリットばかりを伝えるのではなくデメリットも伝え、但し他社と比較した場合にそのデメリットがデメリットではなくなるように、わかりやすく丁寧に伝えていかなければ伝わりません。これは来年2025年以降も必要です。

マーケティング視点の変化では、自社の一人称から他社も含めた二人称に変化しました。次の時代に必要なのは、その二人称をこちら側だけから見るのではなく、相手側からも見てみる多重視点です。そうしたときに考えるべきは相手が嫌がることです。当然ながら他社を誹謗中傷したりするのは絶対にやってはいけません。相手が嫌がる王道マーケティングとは、大量に広告費を使って宣伝をすることでも有名芸能人を使うことでもなく、良質なコンテンツを継続的に発信し続けることです。社員が毎日ブログやSNSを更新している会社や、素敵な施工事例やお客様の声を毎月更新されるのも相手にとっては脅威です。広告はひとつの起爆剤に過ぎません。その起爆剤の効果を何十倍にもするのがコンテンツです。これからはそのような王道マーケティングを続けられるかどうかが集客の差、ひいては業績の差になります。

今回のコラムまとめ

  • マーケティングの視点で住宅業界の変化を見ていくと5年ごとに周期がある
  • お客様のニーズを把握できずに手法だけ変化させても成果は得られない
  • 宿泊体験とOB(オーナー)宅訪問、家づくりセミナーの3つが今また有効
  • メリットとデメリットを伝えてそのデメリットがなくなるように丁寧に伝える
  • 相手が嫌がる王道マーケティングとは良質なコンテンツを継続的に発信し続けること
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