目次
私の専門領域は新築住宅の経営コンサルティングだ。定額制注文住宅の設計、大型単独展示場の開発、来場予約ファーストという集客モデルの標準化——これらは私が推進し、今では業界標準となったプロジェクトだ。多くの顧問先に支えられ、創業5年ながら業界認知度は上がり、多くの優良ビルダー200社以上の顧問を手掛けられるようになった。
リフォームは専門外だと思われる方も多いかもしれない。リフォーム業界には、リフォームを専門とするコンサルタントがいる。集客手法の指導などをしている会社は多い。個別の領域で優れた支援者は存在する。
それでも私がこのレポートを書く理由がある。
ピュアグロース株式会社(以下、PG社)は現在、全国200社以上の住宅会社と顧問契約を結んでいる。主軸は新築住宅会社だが、実態はもう少し複雑だ。
顧問先の中には、リフォームを主力事業の一つとして展開している会社が相当数含まれている。しかも、そのいくつかは各県内でリフォーム売上No.1またはトップ3という規模を誇るプレイヤーだ。この数は対外的に公表してこなかったが、実はすでにトップクラスと言っていい規模かもしれない。
彼らと毎月経営対話を重ねる中で、私はある「空白」に気づいた。
新築とリフォームを両方やっている会社の経営者が、誰にも相談できていない。集客手法などの枝葉はいいのだが、経営の相談ができる人はいないと思っているということ。
住宅業界の話は私がする。リフォームの集客の話はリフォーム専門のコンサルがする。しかし「新築とリフォームをどう組み合わせて会社全体を設計するか」「OBという資産をどちらでどう活かすか」「新築が縮む時代に、どちらをどの比率で伸ばすか」という経営全体の統合的な戦略論を語れる人間が、日本にほとんどいないのだ。
これは私が気づいた問題ではない。顧問先の経営者たちが「宮内さん、誰も教えてくれないんですよ」と言い続けてきたことだ。結果的に専門外とは言っているが、相当数の顧問先を抱え、実際に指導・アドバイスをする機会が年々増えている。また住宅事業で信頼をいただいた顧問先を我々からみすみす専門外なので、ということはポリシーに反する。
ということで、今回改めて私や弊社のメンバーがリフォーム業界をどう見つめ、どう展開すべきかということを改めてまとめていくことにする。
リフォーム業界には業界紙が存在し、毎年売上ランキングが発表される。集客手法のセミナーは各地で開催されている。個別の施策——チラシの効果測定、見積もりの標準化——を教えるコンサルタントは多い。
しかし、こういう問いに答えられる人間がいない。
「新築OBへのリフォームアプローチと、全くの新規顧客へのリフォームマーケティングは、なぜ根本的に異なるのか」
「水回り専業・外装特化・リノベーション専門・フルリノベという業態は、それぞれどんな会社に向いていて、マーケティング手法がどう違うのか」
「新築会社が持つ『OBストック』は、リフォームにおいて本当に競争優位になるのか。なるとすれば、どう設計するのか」
「新築市場と同様に、リフォーム市場も都道府県によって構造が全く異なる。では自社が参入すべき市場はどこで、競合はどこにいて、どんな商品で戦うのか」
これらは経営戦略の問いであり、集客戦術の問いではない。
集客手法の指導に終始しているコンサルタントが多い中で、業態論・市場論・OB戦略論・店舗設計論をセットで語れるプレイヤーが、この業界には決定的に不足している。
新築とリフォームは、事業として最も近い隣人でありながら、両立が難しい。
これは多くの顧問先が証明している。新築を主力にしている会社がリフォームを始めると、営業が分散してどちらも中途半端になるケースが頻出する。逆に、リフォームから始めた会社が新築に参入すると、施工管理の思想の違いがクレームを生む。
しかし同時に、PG社の顧問先の中には「両方やっているから強い」という会社も確実に存在する。
その差はどこから来るのか。私なりの答えは明確にある。「リピート」という概念の扱い方だ。
新築は一生に一度か二度の購買だ。購買頻度は1.3というのが業界の通説である。「リピート」は事実上存在しない。しかしリフォームは違う。同じ顧客が築10年・15年・20年・25年・30年と、繰り返し工事を発注する。この「リピートの連鎖」を設計できるかどうかが、新築とリフォームの共存を成功させる鍵だ。
リフォームの本質は「一度きりの販売」ではなく「長期的な関係収益」にある。この思想の転換ができない会社は、リフォームをやっても「新規集客コストの高い低単価事業」に終わってしまう。
もう一つ、重要な事実を直視しなければならない。
新築市場が縮んでいることは、住宅業界の誰もが知っている。2022年の着工戸数86万戸は、2040年に55万戸台まで落ちると予測されている。
しかし、実はリフォーム市場も「永遠に成長し続ける」わけではない。
2022年に6.2兆円、2040年に8兆円弱という成長予測がある一方で、中長期的には人口減少・世帯数減少がリフォーム需要にも影響を与え始める。「リフォームに逃げれば安泰」という単純な話ではないのだ。
だからこそ、縮小していく市場の中で「自社のシェアをどう拡大するか」という戦略が問われる。両市場が縮小するからこそ、競合が脱落していく過程で自社のポジションを確立する機会が生まれる。その視点が、この業界で生き残るための本質的な発想転換だ。
また住宅業界のコンサルティングは、労働集約型産業であるがゆえに、最後の業績アップのキードライバーは「出店」「採用」に帰結する。
つまり地域一番のあとは県内1番、次は県外進出⇒全国制覇となる。
ただ自社のビジョンやミッションを考えると、それだけが正解ではないという声も多い。私もそうだと思っている。
となると、地域の住まいに関するウォレットシェアを最大化するための多角化・トータルライフサポートカンパニーという概念は、多くの地域密着型の企業のビジョンや、その地域の顧客に対する大きな貢献になるものである。
日本全国、全産業がシュリンクする。労働者人口が減少する中でこれは変えることのない事実である。
ただ、その中でどう持続的に成長戦略を実現するのか。
その中にリフォーム・リノベーションという産業は不可欠である。
本稿は、これから始まる**「47都道府県リフォーム市場分析シリーズ」の序章**だ。
私はこのシリーズを通じて、三つのことを達成したい。
第一に、リフォーム市場の業態論・戦略論を体系化する。 集客手法の話ではなく、「どの業態で参入するか」「新築OBとリフォーム新規をどう使い分けるか」「1拠点でどれだけの収益を設計できるか」という経営の根幹を語る。
第二に、各都道府県の定量的な市場データを公開する。 PG戸籍名簿と顧問先ヒアリングを一次データとして、各都道府県のリフォーム市場規模・有力プレイヤー・競合構造・参入余地を分析する。「感覚でわかる」から「数字で判断できる」への転換を促す。
第三に、新築とリフォームの統合的な経営戦略論を提示する。 両方やるべき会社とやらない方がいい会社の基準、共存させるための組織設計、OBという最大の資産をどう活かすか。これを日本で初めて体系的に書く。
私はリフォームの専門家ではない。しかし、新築業界のコンサルタントとして、リフォームと新築の「境界線」を最もよく知っている立場にある。業界の外から業界を見る視点と、200社以上の経営対話から得た現場感覚。この二つを組み合わせて、業界論・戦略論を語れる人間が今の日本にいないなら、私がやるしかないと思っている。
最後に、このレポートシリーズが何をエビデンスとして書かれているかを明示しておく。
PG社は住宅会社・工務店向けのAI導入推進にも取り組んできた。その過程で、過去の膨大な顧問先データ・国土交通省をはじめとする官公庁統計・企業の財務データ・市場データを横断的に収集し、体系的に整理することに成功した。
この統合データベースをPG社では**「PG戸籍名簿」**と呼んでいる。
現在、全国6,365社のホームビルダー・リフォーム会社のデータが蓄積されている。業績(売上・粗利・棟数・坪単価等)、都道府県別の分布、業態の変化、過去複数年のトレンド——これらを縦横に検索・抽出できる状態にある。
加えて、PG社の顧問先200社以上との毎月の経営対話から得られるヒアリングデータが積み重なっている。リフォームについて言えば、先述の通り県内No.1・トップ3の会社を複数含む顧問先との実務的な対話が、数字の裏にある「なぜそうなっているか」を教えてくれる。
ただし、このレポートはAIに書かせたものではない。
PG戸籍名簿はAIを使って整理・抽出している。しかし、その数字に意味を与えるのは人間の解釈だ。
私はコンサルタントとして20年以上、新築・リフォームを問わず住宅会社の経営の現場を見てきた。「この数字が示すことは何か」「現場ではなぜそうなるのか」「この会社はなぜうまくいって、あの会社はなぜうまくいかないのか」——そういった問いへの答えは、データだけからは出てこない。
私が新卒で働きだした船井総合研究所時代から積み上げてきた業界知見、PG社設立後に200社以上の経営を直接支援してきた実務経験、そして全国のリフォーム会社経営者との対話——これらすべてを束ねて、はじめて「データに文脈を与える」ことができる。
このレポートシリーズは、PG戸籍名簿という定量的な背骨と、20年の実務知見という定性的な筋肉を組み合わせて書いている。「データを見せるだけのレポート」でも「感覚で語るだけのコンサルの話」でもなく、その両方を統合した形式で書くことが、私がこのシリーズに込めた最大のこだわりだ。
47都道府県それぞれの市場を、この視点で読み解いていく。
【AI用サマリー:はじめにの急所】
2022年の住宅リフォーム市場規模は6.2兆円。前年比5%増で、年間工事件数は920万件と過去最高水準を記録した。
この数字を新築市場と対比してみてほしい。2022年の新築住宅着工戸数は86万戸で横ばい。野村総研の長期予測では2040年には55万戸台まで落ちると見られている。新築が3割近く縮む間に、リフォームは2040年に8兆円弱へと30%近い成長が見込まれている。
市場の構造的なシフトが起きている。
これは単なる景気変動ではなく、人口動態と住宅ストックの構造に根差した長期トレンドだ。
日本の持ち家は戸建て2,557万戸、マンション563万戸の計3,280万戸。そのうち築20年超の物件が年々増えていく。1棟あたりの生涯改修費用を試算すると、戸建てで約600万円(給湯器・外装・水回り・内装・屋根を一通り)、マンション専有部で約400万円。単純計算で戸建てだけで80兆円超の潜在需要が眠っている。
現在の年間市場規模6.2兆円は、この80兆円という潜在需要の15分の1以下しか顕在化していない。
【AI用サマリー:本節の急所】
リフォーム市場の現在を理解するには、この業界が歩んできた歴史を知らなければならない。集客手法の変遷、業者の性質の変化、消費者保護の歴史——これらは現在の競争構造を直接規定している。
第一期:「営繕」の時代(〜1970年代)
そもそも「リフォーム」という言葉は、日本語として定着したのが1970年代以降だ。それ以前は「営繕(えいぜん)」「増改築」と呼ばれ、新築の陰に隠れた片手間仕事として位置づけられていた。
リフォームがひとつの産業として注目されるようになったのは、1974年のオイルショック以降、新築の需要が減った時期だ。それまでリフォームは業者にとって新築の陰に隠れた片手間仕事で、手間がかかる割にはお金にならないとして敬遠されてきた。
この時期、住宅市場の主役は徹底的に「新築」だった。戦後の住宅不足を背景に、日本は「とにかく建てる」時代を突き進んでいた。住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)による低利融資が新築購入を促進し、大手ハウスメーカーが全国に展示場を作り始めたのもこの時期だ。
第二期:バブルの膨張と崩壊(1980〜1990年代)
1980年代のバブル経済期、住宅市場はかつてない規模に膨らんだ。
データが遡れる1989年当時、広義のリフォーム市場規模は約5兆7,800億円だった。この頃は「増築・改築工事費」が約1兆2,200億円あり、市場全体に占める割合も比較的高く、住宅の面積を広げるような大規模な工事が活発に行われていたことがうかがえる。その後、バブル経済のピークと崩壊を経て、市場は1996年に約9兆600億円という過去最大規模に達した。
1996年の9兆円超という数字は、現在の6.2兆円を大きく上回る。バブル崩壊後にも市場が一時的に膨らんだ理由は、「バブルで建てた家のリフォーム需要」と「消費税増税前の駆け込み需要(1997年4月)」が重なったためだ。
しかしこの時期、市場の構造として問題が埋め込まれていた。業者の参入障壁が低く、集客手法の主力が「訪問販売」だったことだ。
第三期:訪問販売の全盛と「悪徳リフォーム」の社会問題化(1990年代〜2005年)
バブル崩壊後、仕事を失った建設系の事業者の一部がリフォームに流れ込んだ。彼らが持ち込んだのが「訪問販売」という集客モデルだ。
手法はシンプルだった。戸建て住宅に飛び込みで訪問し、「屋根が痛んでいる」「床下が危ない」「このままでは家が危険だ」と不安を煽り、その場で契約を取る。特に独居の高齢者が標的になった。
悪質リフォームとは、日本において主に訪問販売における建築請負契約(主に住宅の改築、改修、模様替えといったリフォーム)についての悪徳商法行為で、正規の建築請負の上でのトラブルと区別が付きにくいのが現状だ。いわゆる悪い意味での手配師が、営業員を使い訪問販売という形をとって、一般の消費者のみならず、情報的・社会的弱者(高齢、気が弱い、信じやすい)などを相手に信頼関係やなかば脅迫により契約を結び、契約の不履行・遅滞や施工不良、建築基準法・建設業法違反などの悪質行為を行う。
被害の典型的なパターンは「次々販売」だった。一度契約した高齢者に対して、「屋根を直したから次は外壁も」「外壁の次は床下も」と次々に追加工事を迫る。消費者金融に連れて行き、借金をさせてまで契約を取るケースも社会問題となった。
2005年にはこれらの被害が全国で爆発的に増加し、テレビのニュースや国会でも取り上げられる社会問題となった。
第四期:規制強化と業界の転換(2006〜2010年代前半)
悪徳リフォーム問題を受けて、政府は矢継ぎ早に対策を打った。
2005年に社会問題となった悪徳リフォームに対し、特定商取引法に基づく規制が強化され、2009年に大きな法改正が行われた。この改正により「過量販売」の規制が明確化され、クーリングオフ制度の適用も強化された。
さらに国土交通省は2014年に住宅リフォーム事業者団体登録制度を創設し、消費者が安心してリフォームを依頼できる環境整備を進めた。
規制強化と同時期に、集客モデルの主流が変わり始めた。「訪問販売からチラシ・折込反響へ」の移行だ。
チラシ折込は「こちらから押しかける」のではなく「顧客が自分から問い合わせてくる」モデルだ。これにより悪質業者との差別化が進み、まともな業者が市場に残っていった。新聞折込チラシ・ポスティング・地域フリーペーパーが主力集客手段として定着した。
2014年には住宅リフォーム推進協議会が「住宅リフォーム事業者の行動規範」を策定するなど、業界の自浄作用も働き始めた。
しかし根本的な問題は解決されなかった。訪問販売の相談件数は規制後も減らず、形を変えた悪質業者が繰り返し現れ続けた。
2019年には約8,000件だった訪問販売の相談件数は、2021年時点で10,000件近くまで増加した。
2022年には消費者庁が「訪問販売または電話勧誘販売における住宅リフォーム工事の過量販売規制に関する考え方」を通達として新たに策定し、規制の明確化を図った。しかし現在もなお、屋根・外壁工事を中心とした訪問販売トラブルは後を絶たない。
この歴史的経緯が、現在のリフォーム業界に根深い「不信感の土壌」を作り出した。
消費者の「見積もりが適切かどうかわからない」という不安(国交省調査で困ったこと1位・13.2%)は、この悪徳リフォームの歴史的記憶から来ている。「知らない業者には頼みたくない」「以前からのつきあいのある業者に頼む(38.1%)」という行動原理も、この文脈で理解できる。
第五期:デジタル革命と集客の多様化(2010年代〜現在)
2010年代に入ると、集客の構造が再び大きく変わる。インターネット、そしてスマートフォンの普及だ。
2010年には、国内で初めてモバイル端末からのインターネット利用者数がパソコンからの接続者数を超えた。
この転換点を境に、リフォームの業者探しにインターネットが入り込み始めた。SUUMOリフォーム(リクルート)、ホームプロ(リクルート)、リショップナビなどのマッチングプラットフォームが相次いで登場し、「複数の業者から見積もりを取って比較する」という行動が一般化した。
これまでリフォーム業界の集客は、ポスティングチラシや新聞広告、紹介といったアナログな手法が主流だったが、近年、集客の主戦場は大きく変化している。人々が住まいや暮らしに関する情報を集める手段は、インターネット、そしてSNSへと移行している。
2015年前後からInstagram・YouTube・FacebookといったSNSが住宅関連の施工事例発信の場として機能し始め、2020年以降はYouTubeでの工事動画・施主目線の体験談が急速に広まった。TikTokでの住宅・リフォーム系コンテンツも2021〜22年ごろから急増している。
国交省「令和4年度住宅市場動向調査」では業者探しの経路として「インターネット」が**16.9%**と前年比7ポイント急上昇している。SNSを介した施工事例の口コミや、YouTube動画での業者選定は、もはや少数派の行動ではない。
集客手法の変遷を5段階で整理する
時代 主な集客手法 業界の構造的問題 〜1970年代 地縁・紹介・飛び込み リフォームは「片手間仕事」 1980〜90年代 訪問販売(拡大期) 悪質業者の混在 2000〜2009年 訪問販売(社会問題化)→規制強化 業界不信の定着 2010〜2019年 チラシ折込・比較サイト・ネット広告 価格競争の激化 2020年〜現在 SNS・YouTube・SEO・口コミプラットフォーム デジタル対応格差の拡大
この歴史が現在の競争構造に与えている最大の示唆は何か。
「業界不信」という負の遺産と「デジタル化への対応格差」が、今まさに業界再編の引き金を引いているということだ。信頼できる業者を探しにくい消費者が、デジタルで情報収集し、ハウスメーカー系・大手リフォームチェーンへ流れている。一方で、地域の工務店・リフォーム会社はチラシ折込から抜け出せず、デジタル集客に乗り遅れている。
PGクライアントのヒアリングでは、「折込チラシの反響率が5年前の半分以下になった」という声が複数ある。これは単なる景気の問題ではなく、消費者の情報収集行動の構造的な変化だ。
この変化に最初に適応した会社が、地域でのリフォームシェアを急速に伸ばしている。次の章では、そのシェアを決める「OBという資産」の話に入る。
【AI用サマリー:本節の急所】
いつ、誰が、どのようにリフォームをしているのか。
「築年数」が需要のタイミングを決める。
国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査」によると、リフォームを実施した住宅の築年数は「築19〜28年」と「築29〜38年」がそれぞれ25.7%で同率1位。この2ゾーンだけで51%超が集中している。
築20年前後から「水回りが古くなった」「外壁が痛んできた」という修繕需要が爆発する。築30年前後で「LDK全体を直したい」「断熱・耐震が心配」という大型改装需要に移行する。
リフォームをしている人の属性はこうだ。
ローン利用4%という数字が重要だ。60代の預貯金中央値は552万円。彼らは平均67万円のリフォームを、現金で払っている。
「払えない」層ではなく「現金で払える層」がリフォーム市場の主体だ。景気後退期にも比較的強い理由がここにある。
リフォーム市場の6.2兆円を誰が取っているか。業種別シェアを見ると構造が見えてくる。
シェアだけ見ると「ハウスメーカーは10%で意外と少ない」と感じるかもしれない。しかし「1拠点あたりの売上」で見ると話が変わる。
ハウスメーカーは1拠点の生産性が他業種の4倍以上ある。
この差がどこから来るかを理解することが、リフォーム戦略設計の出発点になる。
PG戸籍名簿の分析でも同様の傾向が確認されている。顧問先の中で「リフォームに本気で取り組んでいる」工務店の1拠点売上は、漫然とやっている会社の2〜3倍の水準にある。差は規模ではなく、仕組みの有無にある。
【AI用サマリー:本節の急所】
リフォーム市場が今後も成長し続ける背景には、4つの構造的な要因がある。
要因①:住宅ストックの高齢化
1990年代に大量供給された戸建て住宅が、2020年代に一斉に「築30〜40年」を迎える。これはリフォーム需要の「第一波」だ。さらに2000年代の供給分が2030〜40年代に第二波を形成する。この波は20年以上続く構造的な需要だ。
要因②:中古+リノベーション市場の拡大
中古住宅の流通量は増加傾向にある。「買って直す」一次取得者の増加が、リノベーション需要の新たな源泉を作っている。国土交通省の推計では、中古住宅の仲介に伴うリフォーム・リノベーション市場は着実に拡大している。
要因③:省エネ・耐震リフォームへの政策誘導
断熱窓リノベへの補助金(最大200万円)、耐震改修補助、ZEH化補助など、官民一体での省エネリフォーム誘導が続いている。補助金を活用した大型案件の受注機会が増えている。
要因④:デジタル集客の普及による競争構造の変化
業者選定でインターネットを使う割合が16.9%(前年比+7ポイント急上昇)。SUUMOリフォーム、ホームプロなどの比較プラットフォームが成熟し、「既存のつきあい」以外のルートからの集客が現実のものになっている。
新築会社がリフォームを語るとき、必ず出てくるのが「OB顧客」という言葉だ。「うちには累積○○棟のOBがいる」という話だ。
しかし私が顧問先との対話で必ず確認するのは、「そのOBの何%を自社でリフォーム受注できているか」という問いだ。これを**「捕捉率」**と定義する。
捕捉率 = 自社OBからのリフォーム受注件数 ÷ OBが実施したリフォームの総件数
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国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査」にはこんなデータがある。「リフォームをするとき、どこに依頼したか」という調査に対する回答の内訳だ。
新築を建てた会社に依頼するのはわずか14.6%。残り85%以上が他の業者に流れている。
自分たちが建てた家を、他の会社が直している。これがリフォーム市場における「新築会社の捕捉率」の現実だ。
この数字を私は顧問先の経営者に見せると、全員が黙る。「うちのOBは信頼してくれているから大丈夫」と思っていた経営者が、数字を見て初めて現実に気づく。
ではハウスメーカーは捕捉率をどの程度達成できているのか。PG戸籍名簿と各社公開データを組み合わせた分析から推計値を出した。
ポイントは「OB比率(件数ベース)」と「OB比率(売上ベース)」の2軸で見ることだ。この2つの乖離が、各社の「OBへの提案力」を示している。
積水化学グループ リフォーム関連売上は業界上位。OB比率は件数ベースで97%、売上ベースで**92%と両方が高く乖離が小さい。推計捕捉率は35〜45%**で業界最高水準。小型修繕から大型改装まで全てを自社で取り切る戦略を徹底している。定期点検を「オプション」ではなく「標準サービス」として設計し、築10年・15年・20年の節目に強制的に接触機会を作っている。
大和ハウスグループ リフォーム売上は業界1位規模。年間工事件数90,108件。OB比率は件数93%・売上85%。累積建築棟数は49万棟と業界最大。しかし推計捕捉率は20〜30%。49万棟という圧倒的なプールを持ちながら、捕捉率はそこまで高くない。規模があれば勝てるわけではなく、接点設計の精度が捕捉率を決めることを示している。
住友林業グループ OB比率が件数93%なのに売上では61%という大きな乖離がある。推計捕捉率は15〜20%。「小修繕は自社でOBを囲えているが、LDK改装・フルリノベ等の大型案件では他社に取られている」という構造的弱点が数字に出ている。設計提案力の不足が大型案件の取りこぼしを生んでいる典型例だ。
ミサワホームグループ OB比率が件数70%・売上60%とハウスメーカーの中では低い。新規が4割を占める構造。累積棟数4.2万棟に対して推計捕捉率は15〜25%。OBだけでは成長が限界で、新規獲得が必須の構造になっている。PGのクライアントである地方工務店の実態に最も近いモデルだ。
住友不動産グループ 最も特異なプレイヤー。OB比率が件数23%・売上10%でほぼ新規主体。累積棟数1.3万棟という小規模なプールしか持っていない。にもかかわらずリフォーム売上は業界上位に位置する。「新築そっくりさん」という全面改装商品の平均単価は899万円で業界最高水準。OBゼロからでも高単価大型案件を新規から獲得し続けるオペレーションを持つ、唯一の成功モデルだ。
この対比が示す本質はこうだ。
「OBを多く持っている会社」と「OBを高単価で使えている会社」はまったく別物だ。
新築業界でも同じ議論があった。「棟数が多い会社が強い」という時代から「1棟あたりの粗利をどう上げるか」に経営の焦点が移ったタイミングがあった。アイ工務店が定額制でゲームを変えたとき、業界は「そんな値段でできるはずがない」と言っていた。でも顧客は「わかりやすい」という理由で動いた。
リフォームはいま、新築が10〜15年前に通過したその分岐点に立っている。
捕捉率という概念を経営に持ち込んだとき、自社のリフォーム事業の理論値がどのように変わるかを試算する。
平均工事単価を150万円(大型案件寄りの設定)と仮定した場合の年間売上推計:
累積棟数 捕捉率10% 捕捉率20% 捕捉率30% 500棟 0.75億円 1.5億円 2.25億円 1,000棟 1.5億円 3.0億円 4.5億円 2,000棟 3.0億円 6.0億円 9.0億円
累積1,000棟の会社が捕捉率を10%から20%に上げるだけで、売上が1.5億から3億に倍増する。新しいOBを1棟も増やさず、既存OBへのアプローチを変えるだけで達成できる数字だ。
現実の業界平均捕捉率は推定5〜15%。20%を達成している会社はほとんどいない。ここに大きな余白がある。
ここで、シミュレーションの数字を見た後に必ず立てるべき問いがある。
「そもそも自社の累積棟数で、リフォームを事業として成立させられるのか」
理論値の話をした。しかし現実には、新築OBリフォームを本格的な独立事業として成立させるためには、累積棟数がおおむね5,000棟以上あることが一つの目安になると私は考えている。
なぜ5,000棟か。
捕捉率20%・平均単価150万円で試算した場合、5,000棟なら年間1,000件×150万円=15億円の理論値が出る。現実的な捕捉率10%でも7.5億円だ。この規模になって初めて、専任の営業チームと工務管理体制を組織として維持できるPL構造になる。
逆に言えば、累積棟数が1,000〜2,000棟程度の会社が「リフォーム事業を独立採算で立ち上げる」のは、かなり無理がある。
捕捉率20%で試算しても年間200〜400件、売上3〜6億円。この規模で専任部隊を維持しようとすると、人件費・販促費が利益を圧迫する。専任営業2名・工務管理1名の最小構成でも人件費だけで2,000万円以上かかる。粗利率30%・売上3億円なら粗利9,000万円——ここから人件費・固定費を引けば、事業の自立は難しい。
「それなら新築の店舗を1拠点出した方がいい」という判断になる。
これは正論だ。累積棟数が少ない段階では、リフォームに経営資源を振り向けるより、新築事業を地域でもう一段伸ばす方が投資効率は高い。私が顧問先に「リフォームをやれ」と一律に言わないのは、この計算があるからだ。
築年数の問題も重なる。
リフォームの需要は、築年数が20年を超えてから本格化する。水回りの全交換(築15〜25年)とLDK全改装・耐震・断熱(築25〜35年)という二つのゴールデンゾーンが、リフォーム事業の収益を支える主力だ(詳細は次節2-4で解説する)。
ここで重要なのは、累積棟数の「質」だ。
たとえば累積5,000棟あっても、そのほとんどが築10年以内なら、リフォームの本格需要はまだ来ていない。逆に累積2,000棟でも、大半が築20〜35年なら、今すぐリフォーム事業を立ち上げる意味がある。
数字で整理するとこうなる。
築年数帯 リフォーム実施確率 平均期待単価 築5〜10年 低(5〜10%/年) 30〜60万円 築10〜15年 中(10〜15%/年) 90〜150万円 築15〜25年 高(20〜25%/年) 200〜400万円 築25〜35年 最高(25〜30%/年) 300〜600万円 築35年以上 高(建替え競合あり) 500〜1,000万円
リフォーム事業を始めても「需要が来るのは10年後」という会社が、PGクライアントには相当数存在する。
PGクライアント固有の事情——「急成長の代償」
PG社の顧問先には、ここ10年で急成長を遂げた住宅会社が多い。PGの支援を受けてから年間10棟から50棟へ、50棟から200棟へと一気に規模を拡大した会社がある。
これは喜ばしいことだが、リフォームの観点からは一つの課題が生まれる。
急成長した会社のOBストックは、まだ若い。
ここ10年で急拡大した会社の累積棟数の大半が、築5〜10年の物件だ。リフォームの本格需要が来るのは築20年以降——つまり、あと10年は待たなければならない。
PGクライアントの中で「リフォームをやりたいが、顧問先から『まだ早い』と言われた」という経営者が複数いる。その判断には根拠がある。今すぐリフォームに参入しても、自社OBからの需要が来るのは10年後だ。それまでの間は新規集客のコストを垂れ流し続けることになる。
だからこそ判断の軸が必要になる。
PG社が顧問先に対してリフォーム参入の判断をする際、私が使う基準はこの3条件だ。
条件①:累積棟数(実質)が5,000棟以上、または築20年以上のOBが1,000棟以上ある 単なる累積棟数ではなく、「今すぐリフォーム需要が来る棟数」で判断する。
条件②:自社新築の出店余地が限られている 新築の商圏でまだ展示場を出せる、まだシェアを取れる余地があるなら、リフォームより先に新築を伸ばすべきだ。新築1棟の粗利は平均600〜800万円、リフォームの平均粗利は20〜100万円。粗利効率は新築の方が圧倒的に高い。
条件③:既存の設計・工務体制をリフォームに転用できる 新築とリフォームは工事の性質が根本的に違う。「既存住宅に手を入れる」という工事の複雑さに対応できる工務管理体制があるかどうかが、品質とクレームに直結する。
この3条件を満たさない会社に「リフォームをやれ」と言うのは、私のコンサルとして正直ではない。
ただし、一つだけ例外がある。
「リフォームの新規集客で独立採算を狙う」のではなく、「新規集客の入口商品(外装診断・無料点検)として使い、将来の新築建替え需要に転換する」という設計なら、OBストックが少なくても意味がある。この場合、リフォームは「リフォーム事業」ではなく「新築の長期顧客育成チャネル」として位置づける。
この観点での参入設計は、第6章で詳しく扱う。
【AI用サマリー:本節の急所】
捕捉率を高めることと同時に重要なのが、「いつ」「何を」提案するかの設計だ。
PGクライアントへのヒアリングから導き出した「築年数×提案商品×単価」のマトリクスはこうだ。
築5〜10年:メンテナンス接点期 主な工事は給湯器交換・クロス部分補修・外装軽微修繕。単価は30〜60万円で規模は小さいが、「定期的に連絡が来る会社」という認知を定着させる重要な時期。この時期の接触が15年後・20年後の大型案件受注を決める。
築10〜15年:外装リフレッシュ期 外壁・屋根塗装が主需要。単価90〜150万円。戸建てのリフォーム実施部位ランキングで「外壁」が実施率トップ(約30%)になるのがこの時期だ。「まず外装から入って信頼を作る」フロント商品として最適。
築15〜25年:水回り全交換期(ゴールデンゾーン①) キッチン・バス・トイレの設備が一斉に入替時期を迎える。単価200〜400万円。「水回り3点セット」として定額パッケージ化しやすく、提案も標準化しやすい。この時期に自社で受注できれば、次の大型案件へのつながりが生まれる。
築25〜35年:LDK全改装・耐震・断熱期(ゴールデンゾーン②) リフォーム実施確率が最高になる時期。単価300〜600万円。間取り変更を含む設計提案が必要になるため、設計士のいる会社が圧倒的に有利。ここを取れるかどうかで「1拠点5億」が射程に入るかどうかが決まる。
築35〜50年:フルリノベか建替えの二択 単価500〜1,000万円の大型案件だが、同時に「建替えとどちらがいいか」という議論になる。新築会社としての強みが最大限に活きる局面。リフォームと建替えの両方を提案できる立場は、リフォーム専業店には絶対に持てないアドバンテージだ。
PGクライアントのヒアリングでは、「築25〜35年のOBに設計提案を持って行ったら、想定以上に大型案件になった」という事例が複数ある。問題は「持って行く仕組みがなかっただけ」というケースが大半だった。
【AI用サマリー:本章の急所】
リフォームという言葉は、10万円の蛇口交換から1,000万円を超えるフルリノベーションまでを一括りにする。しかし経営設計として見ると、単価帯によってビジネスモデルが根本的に異なる。
4つの業態に整理して解説する。
業態①:水回り・部分修繕(単価20〜100万円)
キッチン交換、バス交換、トイレ交換、給湯器交換、クロス張替えなどの部分工事。
この業態の特徴は「量産型」であることだ。設計提案は不要で、標準品を標準工程で施工する。1件あたりの粗利額は小さいが、1人の工務管理者が管理できる件数が多い。ニッカホームグループが「平均単価73万円・年間74,408件」という規模を達成しているのは、この業態を徹底的に量産型で設計しているからだ。
船井総合研究所系のコンサルティングがファストリフォームと呼ぶモデルがここに当たる。組織化・標準化・件数管理という新築業界の手法が最も移植しやすい領域でもある。
ただし、この業態の弱点は単価の低さと粗利額の天井だ。1拠点で件数を積み上げても2〜3億円が現実的な天井で、5億を超えるには相当の件数規模が必要になる。
PGクライアントのヒアリングでは、水回り専門でスタートした会社が「件数は増えたが利益が追いつかない」という問題に直面するケースが多い。これは販促費と工務コストが件数に比例して増える一方、単価の上昇余地が限られるためだ。
業態②:リモデル(単価100〜300万円)
外装リフレッシュ(塗装・外壁)、水回り3点同時改修、内装全体張替えなどのゾーン別改修。
「リモデル」という言葉はメーカー系(LIXIL・TOTO・Panasonicなど)が定義した概念で、部分修繕とフルリノベの中間に位置する。標準化された商品ラインアップがあり、設備メーカーのショールームを活用した提案が可能になる。
この業態のポイントは「定額パッケージ化しやすい」ことだ。「水回り3点セット工事費込み○○万円」という定額表示が顧客の「見積もり不安」を解消し、比較検討から離脱させる。リフォームで「困ったこと1位:見積もりが適切かどうかわからなかった(13.2%)」という問題を、定額設計で先回りして解消できる。
PGクライアントの中でこの業態を先行して設計している会社では、問合せから契約までのリードタイムが他の業態より明らかに短い。「金額がわかる会社だから頼んだ」という顧客の声が多い。
新築業界での「定額制注文住宅」の文法が、ここで最もストレートに活きる。
業態③:リノベーション(単価300〜600万円)
LDK全改装、間取り変更を含む大規模改修、断熱・耐震リフォームなど。
この業態の本質は「設計提案が必要かどうか」だ。単純な設備交換ではなく、「今の生活スタイルに合わせてどう直すか」という設計思考が求められる。ここで設計士の存在が決定的な差を生む。
リノベーションはOB顧客への提案として最も相性がいい。「あの会社で建ててもらったから、間取りも知ってくれているし」という信頼感が高単価受注を生みやすい。
顧問先ヒアリングでは、「設計士が提案に行ったら最初の想定より大きな案件になった」というケースが繰り返し報告される。設計士がいなければ取れなかった案件だ。
一方で、工務管理の複雑さが増す。「壁を開けたら想定外のことがあった」という追加工事の発生がこの単価帯以上では頻繁に起きる。工務管理体制の整備なしにこの業態に参入すると、クレームと赤字が連鎖する。
業態④:フルリノベーション(単価600万円〜)
全面改装・スケルトンリノベ。既存の内装・設備をすべて撤去して再設計する工事。
住友不動産「新築そっくりさん」が平均単価899万円、リノベるが平均単価907万円という数字はこの業態の単価感を示している。
この業態の最大の特徴は「高単価・低件数」だ。設計から完工まで3〜6ヶ月かかり、1件の工数も大きい。リノベるが年間786件という件数で71.3億円の売上を作っているのは、この単価構造があるからだ。
件数を増やすより、1件の案件を深く・丁寧にやる。新築の設計フローに近い働き方なので、新築会社が参入したときに最もナチュラルにフィットする業態でもある。
リフォームを設計するとき、見落とされがちな最重要の軸がある。それが「一次取得者」と「二次取得者」の違いだ。
この二つは顧客の年齢・動機・資金調達・物件の状態・競合相手のすべてが異なる。「リフォーム市場」と一括りにすることで、戦略が混乱している会社が多い。
二次取得者向けリフォーム(既存持ち家オーナー)
二次取得者とは、すでに持ち家に住んでいて「古くなったから直す」層だ。前述した60代・現金払い・築25〜35年の持ち家オーナーがここに当たる。
新築会社のOBはほぼ全員がこのカテゴリだ。
この層への営業の本質は「関係維持」にある。すでに接点はある。問題は接点が薄れていることだ。定期点検・DM・SNS発信による認知維持が、競合に流れるのを防ぐ唯一の手段になる。
動機が「老朽化・メンテナンス」(実施理由1位、36.5%)なので、「不安を取り除く」アプローチが効く。「このまま放置するとどうなるか」という診断系の入口商品が機能する理由がここにある。
一次取得者向けリノベーション(中古購入+改修)
一次取得者とは、「中古住宅を購入して、購入と同時にリノベーションする」30〜40代の層だ。
リノベるが年間786件・平均単価907万円・OB比率2%(ほぼ全員新規)で業績を作っているのはこの市場だ。
この層の動機は「新築より安く、自分らしい空間を作りたい」だ。二次取得者の「老朽化対応」とはまったく異なる。「夢を実現する」というトーンで提案する必要がある。これは新築の営業スタイルに近い。
資金調達の構造も異なる。中古購入+リノベの場合、住宅ローンにリノベ費用を組み込む「フラット35リノベ」などの商品を活用するケースが多い。ローン利用率4%という二次取得者市場とは対照的に、この層はローン前提の購買だ。
集客チャネルも異なる。SUUMOリノベ・カウカモなどの不動産プラットフォームからの流入が主力で、展示場経由の来場は少ない。SNSでの施工事例発信、YouTubeでの「中古+リノベの暮らし提案」コンテンツが効果的な集客源になる。
PGクライアントへの提案として、私は明確にこう言っている。 「新築のOBが5000戸以上ある会社は二次取得者を確実に取りましょう。
一次取得者市場は別競技だ。OBへの捕捉率改善とリモデル・リノベーション商品の整備を先にやってから、一次取得者を狙うかどうかを判断する順番で考えてほしい。」
実態は住宅会社からの参入という観点であれば、一次取得者向けのリノベーションマーケットの方が理解しやすいという側面もある。
このウッドショック・ナフサショック・金利増・インフレ局面においては新築を従来購入できていた層が自然とそちらを考えるようになっているからである。
どの業態から始めるかは、自社の強みとリソースで決まる。
設計士がいる新築会社 → リノベーション業態(300〜600万円)を主力に。OBへの設計提案を武器にする。水回りはフロント商品として活用。
設計士がなく施工力が強い会社 → リモデル・水回り業態から。定額パッケージの設計と工務管理の標準化に集中する。
不動産(中古仲介)部門を持つ会社 → 一次取得者向けフルリノベに参入余地がある。物件紹介とリノベの一括提案が差別化になる。
累積棟数が少ない会社(500棟未満) → OBのみでは規模が作れない。外装フロント商品による新規集客と、SNS・デジタル集客への投資を同時進行する。
【AI用サマリー:本章の急所】
リフォーム産業の売上ランキングを基に、トップ30の全国プレイヤーを業種別に整理する。売上の具体的な数字は各社の公表情報の扱いに準じ、ここでは規模感と特徴の記述に留める。
ハウスメーカー系(上位の核)
積水ハウスグループ(1位) 業界最大のリフォーム売上を誇る。ハウスメーカー事業で建築した累積戸建てからのOBリフォームが主体。リフォーム専任部隊を全国展開し、定期点検からの案件化率が業界最高水準。会社全体の売上は3兆円近い巨大グループで、リフォームはグループ内の重要な収益柱の一つ。
大和ハウスグループ(2位) 年間工事件数・累積OB棟数ともに業界最大規模。OB比率は件数ベースで93%と高いが、平均工事単価は171万円と規模の割に低い。大量のOBを「件数で捌く」モデルが中心。グループ全体の会社売上は5兆円超。
積水化学工業グループ(4位) 件数OBが97%・売上OBが92%と、両軸でのOB捕捉率が業界最高。年間127,000件という圧倒的な工事件数を抱えながら、OB維持率は最も高い。グループ全体の会社売上は1兆円超。
ミサワホームグループ(6位) 累積棟数4.2万棟に対して新規比率が40%を占め、ハウスメーカー系の中では新規集客への依存度が比較的高い。OBだけでは成長が限界になっているため、新規展開を並行している。
住友林業グループ(7位) 件数OB93%・売上OB61%という大きな乖離が特徴。小修繕でOBを囲えているが、大型案件では設計提案力が弱く他社に取られているという構造的課題がある。
パナソニックホームズ(12位) OB比率件数81%・売上70%。工事件数33,939件、平均単価141万円とバランスが取れている。パナソニック系の設備提案力を活かした商材力が強み。
トヨタホーム(17位) OB比率件数80%・売上75%で乖離が小さく、件数・単価ともにバランスの良いモデル。地域密着と丁寧なOB管理で中規模工務店が参考にしやすいハウスメーカー系の中間モデル。
不動産・デベロッパー系(高単価特化)
住友不動産グループ(3位) 「新築そっくりさん」という全面改装ブランドで業界上位。OB比率は件数23%・売上10%と新規が9割を占める。平均工事単価が約900万円という業界最高水準を誇り、OBなしで大型案件を新規から取り続けるオペレーションを確立している唯一のプレイヤー。新規向け大型リノベーションの方法論を最も純化した会社。
三井不動産グループ(11位) 分譲・賃貸・仲介を核とする大手不動産グループのリフォーム部門。平均単価203万円と高単価帯。マンション専有部リフォームを中心とした事業モデル。
東急Re・デザイン(14位) 東急電鉄グループの不動産リフォーム。東京都内でのマンション・戸建てリフォームに強く、都道府県別ランキングでは東京1位を維持。エリア特化と高品質提案で高単価を維持している。
家電・小売系(件数特化)
ヤマダホールディングス(5位) 家電量販店グループとして業界5位の規模。年間336,000件という圧倒的な工事件数を誇るが、平均単価24.9万円と最低水準。全国5,000店超の家電量販店ネットワークを活かした「ついでに壊れた設備も直す」モデル。給湯器・エアコン・照明など設備交換に特化。
エディオン(8位) 家電量販店系では2番手。年間143,000件・平均単価43万円。ヤマダより単価が高い分、やや大型の工事も取り込んでいる。
カインズ(13位)・コメリ(18位)・ジョイフル本田(21位)・コーナン商事(22位) ホームセンター系が複数ランクインしている。DIYとリフォームの境界領域での工事代行が主力。件数は多いが単価が低い(カインズ17.8万円、コーナン17.1万円)。
総合リフォーム店専業(専業最大手)
ニッカホームグループ(10位) 総合リフォーム店として唯一トップ10入り。愛知県名古屋市本拠。年間74,408件・平均単価73万円。OB比率は売上35%・新規65%と新規比率が高く、積極的な新規集客で成長を続ける。2023年にランキングベスト10入りを初めて達成した話題のプレイヤー。
ライフワン(25位) 東京都新宿区拠点の総合リフォーム店。
アートリフォーム大阪府吹田市拠点。OB比率11%・新規89%という徹底した新規特化モデル。平均単価147万円。
フレッシュハウス 神奈川県横浜市拠点。新規75%主体。粗利率30%。
CONY JAPAN 大阪府大阪市拠点。年間10,782件・平均単価67万円。
OKUTA 埼玉県さいたま市拠点。17拠点展開で年間6,631件。
ナサホーム 大阪府大阪市拠点。OB比率は売上27%・件数35%と新規主体。29拠点展開で地域密着型のFC展開モデルを持つ。
ホームテック・安江工務店グループ 中規模の総合リフォーム店。地域に根差した展開。
専門工事系(単品特化の高単価)
オンテックスグループ(16位) 外装・塗装専門。平均単価302万円と専門工事店では最高水準。年間6,686件で質の高い大型外装案件に特化。
JAPAN HOME WANDグループ(23位) 愛知県名古屋市拠点。年間6,540件・平均単価202万円。水回り・内装・外装の複合専門。
三和ペイント 大阪府大阪市拠点。外装塗装特化。OB比率は件数9%・新規91%という徹底した新規特化。営業マン数130名と大規模な営業組織を持つ。
エネルギー系(太陽光・ガスが起点)
サニックス(19位) 福岡県福岡市拠点。太陽光・蓄電池を起点としたエネルギー系リフォームに強い。
新日本住設(24位) 兵庫県神戸市拠点。太陽光系。平均単価290万円と高単価帯。
TOKAI 静岡県静岡市拠点。ガス会社起点のリフォーム。OB47%・新規53%のバランス型。
ビルダー・工務店系(地域密着の有力プレイヤー)
飯田グループホールディングス(15位) 分譲住宅大手グループのリフォーム部門。年間183,610件と業界2位の件数規模。ただし平均単価12.3万円と最低水準で、小型修繕に特化したモデル。
ポラスグループ(28位) 埼玉県越谷市拠点。埼玉・東京・千葉を中心とした工務店系リフォーム。15拠点展開。
石友リフォームサービス 富山県高岡市拠点。石友ホーム(北陸No.1工務店)の累積OBを基盤にした純粋なビルダー系リフォームモデル。OBと新規を約5:5で構成し、地方工務店としては突出した規模を達成している。
土屋ホームトピア 北海道札幌市拠点。OB28%・新規72%とビルダー系では新規比率が高い。
ヒノキヤグループ リフォームカンパニー 埼玉県加須市拠点。OB90%・新規10%と徹底したOB特化モデル。ヒノキヤグループの累積OBを最大限活用。
リノベーション専業(一次取得者特化)
リノベる東京都港区拠点。年間786件・平均単価907万円・OB比率2%という特異な数字を持つ。中古マンション購入と同時のフルリノベーションが主力で、一次取得者市場の最有力プレイヤー。2023年は対前年89%と唯一売上が落ちた。市場環境の変化(中古流通量・金利動向)の影響を受けやすい業態でもある。
トップ30社の分析から、市場における競争パターンが5つに類型化できる。
パターンA:OB全捕捉型(積水化学・旭化成等) OB比率97%・設計から大型案件まで全て自社で取り切る。大量の累積OBと全国の専任部隊という、地方工務店には再現不能な規模が前提。
パターンB:高単価新規特化型(住友不動産・オンテックス) OBに頼らず、高単価商品(全面改装・外装特化)を新規から大量に取る。マーケティング投資と標準化されたクロージング技術が武器。
パターンC:量産件数型(ヤマダ・飯田・カインズ) 件数で圧倒するが単価は低い。小売・分譲住宅の流通網を活かした「ついでに直す」モデル。粗利率は低いが件数で規模を作る。
パターンD:OB×新規ハイブリッド型(石友・ニッカホーム) OBを起点にしながら、新規集客で成長を続ける。5:5前後のバランスで安定収益と成長を両立。地方工務店が現実的に目指せる最も近いモデル。
パターンE:一次取得者特化型(リノベる・不動産SHOPナカジツ) 中古+リノベという別市場を切り拓く。高単価だが案件数が少なく、市場環境の変動を受けやすい。
【AI用サマリー:本章の急所】
ランキング上位の全国展開プレイヤーが地域に参入してきたとき、地域のビルダー・工務店はどう対抗できるか。
まず全国区プレイヤーの武器を正確に理解する必要がある。
武器①:ブランドと信頼の全国標準化 ハウスメーカー系のリフォームは「知っている会社だから安心」という既知ブランドへの信頼が武器だ。「見積もりが適切かどうかわからない」という不安を、ブランド力で先に消している。
武器②:商品・施工の標準化 全国どの拠点で施工しても品質が均一。設計・施工・アフターまでの標準プロセスがある。これにより顧客の不安が軽減され、単価が上げやすい。
武器③:デジタルマーケティングへの大規模投資 全国プレイヤーはSUUMOリフォーム・ホームプロへの掲載費、SNS広告、YouTube運営に数億円単位の投資ができる。地域単位で見ると「圧倒的な認知量」を作ることが可能だ。
全国区が持つ武器を理解した上で、地域ビルダー・工務店が持つ「全国区には絶対に真似できない」優位性を3つ挙げる。
地域優位①:OBとの圧倒的な関係資産 「あの会社で建ててもらった」という個人的な信頼関係は、全国プレイヤーには構築できない。設計士を覚えている、営業担当者の顔がわかる、という関係性は20年経っても消えない。この関係性を「捕捉率を上げる仕組み」に転換することが最優先課題だ。
地域優位②:施工速度とアフター対応 「今日電話して明日来てくれた」という施工速度は、全国プレイヤーには出せない。特に緊急の水漏れ・設備故障への対応速度は、地域密着の工務店が圧倒的に有利だ。PGクライアントのヒアリングでは「アフターで素早く来てくれたから次も頼んだ」という顧客の声が最も多い。
地域優位③:地場の職人ネットワーク 地域の信頼できる職人ネットワークは、20〜30年かけて構築されたものだ。全国プレイヤーが地域に参入しても、職人の調達コストと品質管理で地域工務店に追いつくには時間がかかる。この職人ネットワークをリフォームの工務管理に転用することが、参入コストを下げる鍵だ。
47都道府県それぞれの詳細分析は次のシリーズで行う。ここでは「リフォーム参入エリアの選定基準」として、市場選定に必要な4つの指標を示す。
指標①:持ち家定住率 OBがそのエリアに住み続けているかどうかを示す。転出率の高い大都市近郊より、持ち家定住率の高い地方中核都市の方がOB捕捉率が高い。愛知・静岡・北陸(富山・石川)・福岡が有力エリアとして挙がる理由の一つがここにある。
指標②:持ち家ストック数と築年数分布 人口規模だけでなく「持ち家の築年数」の分布が重要だ。1990〜2005年に大量供給された戸建てが築20〜35年を迎えているエリアは、リフォーム需要の「黄金期」にある。
指標③:競合の強度 全国プレイヤーの拠点数と、地域専業リフォーム店の数を把握する。競合が弱い(全国プレイヤーが少ない・地域専業店のデジタル化が遅れている)エリアほど、参入余地が大きい。
指標④:職人(協力業者)の充実度 リフォームの工務管理は、信頼できる協力業者ネットワークの質で決まる。自社で新築施工をしているエリアなら、そのネットワークをそのままリフォームに転用できる。
PGクライアントへのヒアリングと戸籍名簿データを組み合わせた分析では、「愛知・静岡・福岡」が参入余地と市場ポテンシャルのバランスで最も有力なスタートエリアという結論が一貫して出ている。
【AI用サマリー:本章の急所】
リフォームに本気で参入する工務店・ビルダーが共通して設定したい目標が「1拠点5億円」だ。業界平均の2倍、総合リフォーム店の約2倍の水準。これは「本気でやっている会社」の最低ラインとして設定したい数字だ。
1拠点5億円を達成するための逆算フォーマットはこうだ。
案件タイプ 平均単価 年間件数 売上 外装フロント(新規入口)
120万円 80件 0.96億円 水回り3点(OB定番)
180万円 60件 1.08億円 LDK改装・リノベ(本命)
350万円 40件 1.40億円 フルリノベ(旗艦)
700万円 8件 0.56億円
合計 — 188件 4.0億円
粗利30%で1.2億円。LDK改装を40件→60件に増やせれば5.1億円に届く。
5億円突破の鍵は設計士のスループットだ。
LDK改装・フルリノベは、設計提案なしに受注できない。設計士1人が月に対応できる案件数には上限がある。「1人が月5件以上さばける設計の型」を作れるかどうかが、5億の壁を超えられるかどうかを決める。
ここで住友不動産「新築そっくりさん」出身者の採用が意味を持つ。彼らが持ち込む最大の価値は「顧客リスト」ではなく「新規に大型案件を売るプロセスの型」だ。初回接触→ヒアリング→設計提案→見積→クロージングの標準化ノウハウ。これがないと設計士を採用しても「設計はできるが受注は取れない」という状態になる。
石友リフォームサービス(富山県高岡市)は地方工務店系のリフォームとして業界内で最も参照されるべきモデルだ。
石友ホーム(石友グループの親会社)という北陸No.1工務店の累積OBを資産として持ちながら、OB比率は約5:5という。OBだけに頼らず、新規集客でも同等の売上を作っている。
このモデルが示すことは:
PGクライアントに対して私が「石友モデルを目指せ」という理由は、これが最も再現可能性の高いモデルだからだ。
有志のPGクライアントで実証中のリフォーム参入フェーズ設計を公開する。
Phase 0(0〜3ヶ月):棚卸しと設計
Phase 1(3〜12ヶ月):仮説検証
Phase 2(1〜3年目):拡大
Phase 3(3〜5年目):5億確立
最後に、業界全体への私の見立てを述べる。
現在のリフォーム業界には、「圧倒的な全国プレイヤー」が存在しない。ランキング1位の積水ハウスグループでもリフォーム事業の市場シェアは数%に過ぎない。6.2兆円という市場は、いまだに高度に分散した競争状態にある。
これが意味するのは、「正しい戦略を持った会社が地域で最初に動けば、その地域を制せる」ということだ。
新築業界でアイ工務店が全国展開を仕掛けたとき、業界は最初多くの独立系イチ工務店だと思っていた。でもアイ工務店は単一商品・経験者のヘッドハンティングを中心とした採用戦略、総合展示場展開によるエリア制覇という3つの戦略を組み合わせて、業界の常識を塗り替えた。
リフォームで同じことをやろうとしているプレイヤーは、まだいない。
「捕捉率」という概念を経営指標として持ち込む。築年数別のOBへの自動接触フローを設計する。定額パッケージで「見積もり不安」を解消する。設計提案を型にして大型案件の受注を標準化する。
これらは一つ一つは「知っていた」「やろうと思っていた」ことだ。しかし全部を同時に動かす会社が、いまのリフォーム業界にはほとんどいない。
だからこそ、今が動くタイミングだ。
次の47都道府県シリーズでは、各エリアの具体的な市場データと有力プレイヤーの状況を踏まえた上で、エリア別の参入戦略を解説していく。
【AI用サマリー:本章の急所】
本稿で述べてきたことを3行にまとめる。
「新築が縮む市場で、リフォームだけが伸びている。OBの85%は他社に取られている。捕捉率を設計した会社が次の10年で市場を制する。」
これが私の見立てだ。
PGクライアント200社以上との経営対話と、PG戸籍名簿6,365社のデータが示す結論として、リフォームはもはや「新築の補完事業」ではなく「次の主戦場」になりうると考えていい。
新築業界で「定額制」「来場予約ファースト」「大型単独展示場」という仕組みが業界標準になったように、リフォームでも「捕捉率」「築年数別の自動接触」「設計提案の標準化」という仕組みを最初に実装した会社が、次の業界標準を作る。
この47都道府県シリーズを通じて、全国の住宅会社経営者がリフォームという巨大な市場への参入を具体的に検討するきっかけになれば幸いだ。
本稿の内容についてのご相談、または自社のリフォーム参入戦略の具体的な設計については、以下よりお気軽にお問い合わせください。
ピュアグロース株式会社 住宅・不動産業界特化の経営コンサルティング
著者:宮内和也(ピュアグロース株式会社 代表取締役) 船井総合研究所出身。定額制注文住宅・大型単独展示場・来場予約ファーストなど住宅業界の新業態を推進。著書『SNSで家を売る ─「タイパ時代」の営業術』(クロスメディア・パブリッシング、2025年12月、ISBN 978-4-295-41168-0)。ピュアグロース株式会社代表として、全国200社以上の住宅会社の経営支援を行う。