どの工務店・ビルダーも集客は厳しい状況です。集客が厳しくなるのはある意味当然で、人口減少によりそもそも家を建てる人が減っています。そして、新築住宅にこだわらなくても古家を自分好みにリノベーションして住んだり、一生賃貸住宅に住むといった選択肢が多様化しています。また、情報を事前に収集できることからお客様が住宅会社を選ぶまでに足を運ぶ社数自体の数も減っています。だから集客が厳しくなっているのです。
以前もこうした厳しい状況はありました。それは見学会の集客が減ってきたときです。これまでは家を建てようと思うと近所の見学会に行って実際の家を見てみるというのが最初の一歩でした。しかし今では見学会すら減っています。減っている要因は、防犯上やプライバシーの問題というお施主様側の言い分と、見学会を開催しても集客が取れないという住宅会社側の言い分が合致して、見学会自体減っているのです。そのような見学会集客が減少の一途のときに、集客を伸ばしていたところも存在します。今回は工務店・ビルダー、住宅会社の集客アップのための土地集客についてお伝えさせていただきます。
そもそも見知らぬ家族の引き渡し前の新築住宅を見たいお客様のニーズは何でしょうか？「実際の建物を見てみたい」「自分が建てる家の参考にしたい」「取り合えず何も具体的には決まっていないけどどんな感じなのかを知りたい」などなど。客層としては、家づくりを検討し始めたばかりのビギナー客から、たくさんの家を見回っているエキスパート客まで様々です。そして何より少なからず「建物を見てみたい」というニーズを持っています。
見学会集客が減少した要因はここにあります。家づくりを検討し始めたビギナー客の中から「建物を見てもよくわからないからまずは家づくりの相談をしたい」というニーズを持った客層が現れました。所謂、建物を見たいのではなく相談をしたいお客様の出現です。これは株式会社リクルート住まいカンパニーが「スーモカウンター注文住宅(当時はハウジングナビカウンター)」のビジネスモデルを展開し始めた2005年頃からと合致します。
なぜ「スーモカウンター」がお客様から支持されているのでしょうか？それは、建物を見たいというニーズより、建築会社、間取り、資金、土地などを相談したいというニーズが増えてきたからです。「見学会で集客が取れない…」なんてことは約15年前から言われていたことで、その当時、集客が伸びていた会社は、見学会集客の他に相談会集客に取り組みました。それが今でも続いているマイホームフェアという自社のショールームなどで行うイベントです。
マイホームフェアはただのお祭りイベントではありません。ターゲットは、あくまで家づくり玄人のエキスパート客ではなくビギナー客で「建物を見てもよくわからないからまずは家づくりの相談をしたい」というニーズを持った客層なのです。マイホームフェアで集客だけでなく受注を伸ばしている会社は、奥様とお子様向けの来場特典を用意して、来場されると資金相談会や土地情報が見られるなどのコンテンツを用意しています。あまり間取り相談や建物見学を入れないのはマイホームフェアがターゲットしている客層と若干ずれるからです。このように見学会（建物）集客が減少しても時代に合わせて相談会集客に取り組んだ会社は集客が増加したのです。
家づくりを検討される方の約7割は土地なし客です。土地なし客は集客のための客層群で捉えると魅力的な客層です。住宅会社が主張する「土地よりも先に住宅会社を選ぶべき」というのはあくまで住宅会社側の都合の良い言い分です。いくら素敵な住宅会社を見つけても家は空中には建たないので、普通は土地がなければ土地から探します。約7割の土地なし客全員が土地から探すとまでは言いませんが、少なくともそうしたお客様はいます。もしそうした土地探し客が来場していないのであれば、そもそも土地探し客を集客していないか？自社に来場するまえに建売住宅に取られているかのどちらです。
そのような土地なし客をなぜ住宅会社は積極的に集客しないのでしょうか？それはその土地を気に入られても自社で建ててくれるとは限らないからです。このようにお伝えすると「自社地を持っているところは建築条件付きで受注できるけど、仲介地だとそれはムリ」と思われたかも知れませんが、その業界の常識を覆しているのが岡山のヘルシーホームさんで、特徴としては岡山県において圧倒的な土地情報を有していおられ、仲介地を上手く使って集客し、客付けして受注を取られているところにあります。これはヘルシーホームさんに限らず、土地集客にはまだまだ伸びしろがあります。これまでは建物集客と相談集客への二刀流でしたが、これからはそれに土地集客を含めた三刀流の時代なのです。
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