「新築の受注が減り、次の柱になる事業を探している」
「中古住宅の相談は増えているが、本当に事業として成り立つのか分からない」
金利の上昇と物価高で新築価格が上がり続けるなか、新築と並行して中古住宅を検討するお客様が増えています。本記事では、当社代表と取締役が中古住宅市場の実態、買取再販と「中古+リノベーション」の違い、そして新築会社がいま中古戸建てに取り組むべき理由を解説します。新規参入を考える経営者の方はもちろん、現場で「新築か中古か」で迷うお客様への提案にも役立つ内容です。
新築と違い、中古住宅は着工数のような分かりやすい統計がありません。ただ、年間の中古住宅流通はおよそ16万戸ともいわれ、20万戸を下回る水準まで減った持ち家の新設着工に迫っています。1つの物件が年に何度も売買されるケースもあるため、実態としては新築以上に動いているという見方もあります。
一方で、日本の住宅流通に占める中古のシェアは欧米に比べてまだ低く、日本人の新築志向は根強いままです。だからこそ「伸びしろがある市場」だといえます。
中古住宅は、同じエリアの新築注文住宅より大幅に安く買えるのが最大の魅力です。ただし、購入者は新築と迷っている一次取得者だけではありません。最新の住宅市場動向調査を見ると、中古戸建ての購入者の平均年齢は40代前半で、新築の購入者より高めです。
新築の顧客とは層が少し違うことを理解しておくと、商品づくりや価格設定を誤りにくくなります。
中古戸建ての購入者のうち、購入後にリフォームをする人は約45%にのぼります。中古マンションは売主がリフォーム済みの物件が多く、購入後にリフォームする割合は低めです。つまり中古戸建ての購入は、リフォーム需要が生まれる入り口でもあります。新築のお客様がリフォームをするのは5年後、10年後ですが、中古の購入者は買うと同時にリフォームを考えているのです。
既存住宅の約3割は無断熱で、現行の省エネ基準を満たす住宅は1割強にとどまるといわれます。断熱材が入っていても、壁をはがすと痩せていたり偏っていたりすることが少なくありません。電気代の上昇や、2025年の省エネ基準適合義務化もあり、中古住宅にも性能向上リノベーションが求められる時代になっています。
※本記事の市場データは、動画内の解説(公的統計等をもとにした概算)に基づきます。
新築のおよそ3分の2の価格で、断熱改修を含めた住まいを提供できれば、新築に手が届かない層の受け皿になります。リフォームの補助金も活用しやすい分野です。空き家の再生も話題になりますが、資産価値の出にくい立地の物件は出口価格が厳しいため、立地の良い物件に付加価値をつけて再生する市場が最も伸びると考えています。

中古住宅ビジネスには、大きく分けて自社で物件を買い取って直して売る「買取再販」と、仲介とリノベーションをワンストップで提供する「中古+リノベ」があります。
| 買取再販 | 中古+リノベ (仲介+リノベ) |
|---|---|
| ビジネスの形 | |
| 自社で買い取り、 直して販売 | お客様が買う物件の 仲介と改修を一括で受注 |
| 主なプレーヤー | |
| 上位の多くは マンション中心。 地方の戸建ては カチタスが圧倒的 | 本格的に多店舗展開 している会社は まだ少ない |
| 収益の考え方 | |
| 利益率×回転率。 在庫リスクを持つ | 仲介手数料+ リノベの工事粗利 |
戸建ての買取再販で最大手のカチタスは、成長性が評価され株式市場でも高い評価を受けています。ただ、同社の平均販売価格は1,000万円台で、多くの住宅会社が想定する商圏よりも人口の少ない地方で、長く売れ残っている物件を買い取って直すモデルです。自社サイトでの販売や、改修中に近隣の方へ売れるケースも多く、独自性の高い仕組みになっています。
新築会社が買取再販に取り組む場合、カチタスと同じ市場を狙うのか、もう少し中心部で新築の8割程度の価格帯を狙うのかで、仕入れも商品も大きく変わります。立地選定がすべての出発点です。
新築会社が中古リノベに参入すると、良い家をつくりたい思いからリフォームにこだわりすぎるケースがよくあります。しかし、売れ残る物件の多くは「やりすぎ」です。品質は良くても価格が高くなり、それなら新築を買うという判断になってしまいます。中古を買う層と新築を買う層は違うことを前提に、どこまで直し、いくらに収めるかを決めることが重要です。
中古+リノベは、これまで大都市圏と一部の地価の高いエリアでしか成り立たないと考えられてきました。しかし新築価格が上がった今、新築に手が届かない人が郊外へ出ていく動きが各地で起きています。そうした人に「中古を直して住む」という選択肢を示せば、需要は十分にあります。
中古+リノベでは、800万円、1,000万円かけて直すとどんな空間になるのかを実際に見せることが欠かせません。ただし、必ずしも専門店を出す必要はありません。総合展示場のモデルハウスに来たお客様に「この空間を新築の3分の2の価格で実現できる」と見せる方法もあります。
集客が減り、人材も足りないなかで、ブランドごとに専門店を構えても、売上は伸びたが利益が出ないという「なんちゃってマルチブランド」になりかねません。新築と中古を売り分けられる営業を育てるなど、自社の体力に合った形を選びましょう。
新築の注文住宅は価格が上がり、購入者の世帯年収も高くなっています。新卒の営業がいきなりお客様と対等に話すのは難しく、来場単価が高い今、貴重な新規顧客を新卒に任せにくいという事情もあります。一方、中古+リノベやリフォームは新卒が経験を積みやすい業態です。新卒採用を続ける会社にとっても、取り組む価値があります。

中古+リノベに参入している会社の多くは、2店舗程度で止まっています。不動産仲介の手数料が減ってきたから、リフォームを足してみようという程度で始めた会社が多いためです。最初から5店舗、10店舗を前提に本気で取り組む会社は、まだほとんどありません。
商圏人口20万〜30万人に1店舗と考えると、人口100万人規模の県なら5店舗程度は十分に成り立つ計算です。競合の多くは片手間で取り組む不動産会社です。当社の支援先でも、カワムラホーム様や国分ハウジング様など、中古専門店の多店舗化を進める会社が出てきています。新築市場の縮小で需要が中古や分譲へずれている今、新築でシェアを伸ばしながら、ずれていく需要もきちんと取りにいくことが、これからの住宅会社の成長戦略になります。
A. 新築価格の上昇で新築に手が届かなくなった層を取り込めることです。中古戸建ての購入者の約半数はリフォームをするため、断熱改修などの性能向上リノベで新築会社の技術を生かせます。新卒が経験を積みやすい事業でもあります。
A. 在庫リスクを抑えたいなら、仲介とリノベをワンストップで提供する中古+リノベが始めやすいでしょう。買取再販は、どのエリアの物件をいくらで仕入れ、いくらで売るかという立地選定と回転率の管理が成否を分けます。
A. 多くは「やりすぎ」です。新築会社のこだわりで改修費をかけすぎると、価格が新築に近づき選ばれなくなります。中古を選ぶお客様の予算感に合わせ、どこまで直すかを決めることが大切です。
ピュアグロースでは、新築住宅会社の中古+リノベ事業や買取再販事業の立ち上げ、多店舗化を支援しています。新規参入や既存事業の伸ばし方にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。