「新築は伸びているが、OB客のリフォームはほとんど取れていない」
「アフター部門は人手不足で、点検が後回しになっている」
大手ハウスメーカーはリフォーム事業で大きな売上を上げていますが、その多くは新築のOB(引き渡し済み)客からのリフォームです。では、どの会社がOBリフォームを最もうまく取れているのか。これを示すデータは、これまで世の中にありませんでした。
本記事では、公開情報をもとに当社が独自に推計した大手ハウスメーカー5社のOBリフォームの実態と、地域の工務店・ビルダーがOBリフォームを事業として育てるための目安を解説します。
| 企業 | リフォーム売上 |
|---|---|
| 積水ハウス | 約1,838億円 |
| 大和ハウス工業 | 約1,786億円 |
| 住友不動産 (新築そっくりさん) | 3位 |
| 積水化学工業 (セキスイハイム) | 約1,072億円 |
| ミサワホーム | 約720億円 |
| 住友林業ホームテック | 約688億円 |
※当社データベースおよび公開情報に基づく推計値です。
売上の大きさだけでは、OBリフォームをどれだけ取れているかは分かりません。そこで、累積のOB件数(引き渡し済みの戸数)でリフォーム売上を割り、OB1件あたりの年間リフォーム売上を算出しました。
同様に5社を比較すると、OBリフォームを最もうまく取れているのはセキスイハイム(積水化学工業)という結果になりました。ユニット工法のため他社に頼みにくいという構造的な理由もありますが、メンテナンスやOBとの接点づくりがしっかりできていることがうかがえます。

以前は「OB1件あたり年間5万円」を目安にしていましたが、業歴が長くなり築年数の古いOBが増えていることを踏まえると、今は年間10万円を目指したいところです。100万円を超える工事もあれば小さな修繕もあり、それらを平均した値です。
たとえば年間100棟の会社で累積OBが1,000件あれば、OBリフォームだけで年間1億円が目安になります。まずは自社のOBストック件数と、築年数ごとの内訳を出してみましょう。そこから、築年数に応じて取れるはずのリフォーム売上を算出できます。
急成長している会社はOBの築年数が浅く、「まだ直すところがない」と考えがちです。しかし古いOBに対しては「点検は回っているが、気づいたら他社に直されていた」というケースも少なくありません。
メンテナンスがきちんとできていない会社は、新築の評判にも響きます。
お客様が大手ハウスメーカーを選ぶ理由の一つは、「建てて終わりではなく、その後のメンテナンスもしっかりしている」という安心感です。地域の工務店の多くは、OBの件数やリフォーム売上を公表していません。
OBのストック数、リフォーム売上、年間の接触率を出し、大手と比べて遜色がなければ、「うちはメンテナンスまでしっかりやっています」と根拠を持って伝えられます。新築の営業トークにもなり、地域の評判や紹介にもつながります。紹介キャンペーンで特典を配るのは一時的な施策にすぎません。地域での本質的な強さは、引き渡し後にどれだけ駆けつけ、つながり続けているかで決まります。
当社がOBリフォームの立ち上げを支援した年間2,000棟規模のハウスメーカーでは、OBストックが約10万件ありました。あるエリアのリフォーム売上は28億円程度でしたが、取りこぼしを踏まえると40億円まで伸ばせると試算。リフォームメニューを整備し、総合展示場の1棟をリフォームのモデルに改装して「ビフォーアフター」を見せる取り組みを行いました。築10〜20年のお客様からの提案機会が増え、太陽光や蓄電池などのエネルギー関連の受注に加え、紹介も増える結果となりました。
A. OB1件あたり年間10万円が一つの目安です。累積OBが1,000件なら年間1億円になります。築年数によって取れる金額は変わるため、まず築年数ごとのOB件数を把握しましょう。
A. 築年数にもよりますが、OB300〜500件に1人が目安です。1人あたり売上5,000万円・粗利1,500万円程度を目指すと、部門として採算が合います。
A. はい。初期は受付や駆けつけの外注で初動の早さを確保し、OB件数の増加に合わせて専任化するのがおすすめです。アフター対応の質は紹介や新築の評判に直結します。
自社のOBストック件数と築年数を入力すると、取れるはずのリフォーム売上を算出できるシミュレーターをご用意しました。OBリフォームの立ち上げや、アフター体制づくりのご相談も承っています。