「年間100棟を目指したいが、今の自社に何が足りないのか分からない」
「仕組み化したいのに、いつまでも社長が現場から離れられない」
工務店の成長には、棟数ごとにはっきりとした「壁」があります。そして壁ごとに、やるべきことも社長の役割も変わります。本記事では、年間数棟の工務店から大きく成長した会社まで数多く支援してきた当社代表が、0棟から100棟までを4つのステージに分け、それぞれの特徴・課題・壁の越え方を解説します。自社がいまどのステージにいて、次に何が来るのかを確認しながら読んでみてください。
当社が取引している住宅会社のうち、最も多いのは年間20〜30棟規模の工務店です。規模ごとの課題は明確に決まっており、順番に越えていけば100棟は現実的な目標になります。まず全体像を整理します。
| ステージ | 組織の姿と越えるべき壁 |
|---|---|
| 0〜10棟 | 社員2〜5人 社長が先頭で引っ張る |
| 10〜30棟 | 社員5〜15人 仕組み化と採用に踏み出す |
| 30〜50棟 | 2〜3拠点目 多店舗化の壁を越える |
| 50〜100棟 | 3〜5店舗・社員30〜50人 幹部と組織で回す |
※人数は営業1人あたり年間2〜4棟程度を前提にした目安です。

年間10棟までの会社は、社員2〜5人程度。社長と数名の仲間で回している状態です。受注は紹介や知人経由が多く、粗利はしっかり取れていても経営は安定しにくい。集客も紹介やポータルサイト頼みで、SNSにはまだ十分に手が回っていないケースがほとんどです。
このステージの課題は「社長がプレイヤーすぎる」ことですが、実は今は社長が頑張らなければならないフェーズです。ここで人に任せたいと考えると、会社が立ち行かなくなるおそれがあります。この段階で「仕組みをつくりましょう」「集客をこう変えましょう」と提案するコンサルタントもいますが、年間10棟を超えるまでは社長が中心になって引っ張る。この事実から逃げないことが、次のステージに進む前提になります。
社員は5〜15人ほど。社長が引っ張ってきた中で、売れる営業が1〜2人育ち、社長並みに設計できる人や現場を任せられる人も出てきます。ホームページやSNSも整い、利益も残せている。「できるメンバーと楽しく仕事ができて、お客様の満足度も高い」という、ある意味で居心地のいいステージです。
ただ、このままでいると、社員の年齢は上がっていくのにお客様の年齢層は変わりません。5年、10年と続けるうちに組織が疲れ、競争の激化とともに苦しくなる会社が増えています。現在、当社に寄せられる相談で最も多いのがこのステージです。
30棟の壁を越えるために必要なのは、次のような取り組みです。
このとき、一時的に生産性が下がることを受け入れる必要があります。少数精鋭で回していたときより効率は落ちますが、それを越えなければ次の規模には進めません。また、仕組み化も採用も明日すぐに完成するものではないため、壁に当たる前から手を付けておくことが大切です。
このステージで最も大事なのは、社長が「社員を幸せにするために、お客様を真ん中に置いて会社を伸ばす」と決めるかどうかです。困っていない、気持ちがいい、という状態だからこそ、決断がないまま時間が過ぎてしまいます。どこから手を打つかは会社の数字や状況、目指す姿によって変わるため、伸びている会社の事例を見たり、外部の視点を入れたりするのが有効です。
2拠点目、3拠点目を出すタイミングです。社長が1拠点をすべて見ていた状態から、店長や幹部に任せる状態へ移る必要があります。集客も2店舗分を見なければならず、2店舗目がなかなか黒字化せず、1店舗目の利益を食いつぶしてしまうという苦しい局面も起こりがちです。
組織づくり、中堅層や店長候補の育成、商品開発、集客、営業、採用、財務と、回すべきテーマが一気に増えます。そのうえで意外かもしれませんが、このステージで一番頑張らなければならないのも社長です。新店舗の立ち上げは、社員や部門長だけではなかなかうまくいきません。社長がもう一度現場に入り、2店舗目まで見るくらいの力を注ぐ。細かいマネジメントも含めて早めに入れるかどうかが、会社が大きく伸びるかどうかを分けます。
店舗は3〜5店舗ほどに広がります。店長の良し悪しがそのまま成績に表れ、新店舗の赤字が既存店の黒字を吹き飛ばす構造にもなりやすい段階です。
細かな現場の課題は幹部が解決できるようになる一方で、社長にはより大きな経営課題が降りかかってきます。また、年間100棟を突破するには、社員30〜50人規模の組織が必要になるのが目安です。10人で100棟は回りません。その姿を描いたうえで、採用・育成・定着をもう一度考え直す必要があります。部門長へのリーダーシップ、会社をどう大きくしていくかというビジョン、そして採用でも語れる魅力的な中期計画を持つことが、このステージの社長の仕事です。

「仕組みで解決できる」「会社が大きくなれば社長は戦略的な仕事に専念できる」。これらは一部正しいものの、実際にはどのステージでも忙しく、問題は出続けます。それが経営者の宿命です。今の規模で楽しく続ける選択も一つですが、より多くの社員やお客様を幸せにしたいと考えるなら、ステージごとの壁を一つずつ越えていくしかありません。
A. この段階では、仕組みよりも社長自身が先頭に立って受注をつくることが優先です。年間10棟を超えるまでは社長が引っ張り、そのうえで次のステージに進むかを判断しましょう。
A. まず社長が「会社を伸ばす」と決めることです。そのうえで、営業から着工までの流れの可視化、集客から契約までのKPI管理、部署づくり、採用に着手します。一時的に生産性が下がることを前提に、壁に当たる前から始めるのがポイントです。
A. 目安として30〜50人規模の組織が必要です。部門長が部門長としての仕事をしている状態を描き、そこから逆算して採用・育成・定着を計画しましょう。
ピュアグロースは、年間数棟の工務店から大手ハウスメーカーまで、規模に応じた成長を支援しています。棟数ごとの壁を越えるための最適なメニューと、営業・設計・工務・採用・財務の実務家がそろっています。自社がいまどのステージにいて、何から手を打つべきか、お気軽にご相談ください。