「来場予約が前日の夜に入り、事前の電話ができなかった」
「0次接客の電話がつながらず、結局ぶっつけ本番で接客している」
来場前にお客様へ電話をしてヒアリングし、準備をしてから初回接客に臨む「0次接客」。成果が出ると分かっていても、予約が直前だったり、電話に出てもらえなかったりして、できないケースは必ずあります。そのとき「とりあえず会ってから考えよう」と割り切ると、どうしても成約率は下がります。本記事では、元アイ工務店のトップ営業で、初回接客の成約率が3割を超えていた当社コンサルタントが、電話がつながらないときでも予約情報と事前アンケートから準備できることを、実際の予約内容をもとに解説します。
動画で取り上げたのは、支援先に向かう30分前に入った来場予約です。予約フォームには、来場するイベントと店舗、希望日、来場人数(大人1名・子ども2名)、知ったきっかけ(Instagram)が書かれていました。事前アンケートには、土地あり・建て替え希望、会社員、勤続12年、年収500万円、他の借入あり、建築の動機は「家賃がもったいない」「今の家が狭い」「子どものため」、希望の間取りは2LDK、といった内容が入っていました。
多くの営業担当者は、この程度の情報で初回接客に臨んでいるはずです。ここで大切なのは、書かれている項目をそのまま受け取るのではなく、「なぜそう書いたのか」「書いていないことは何か」を考えることです。たとえば次のような読み方ができます。

| 予約・アンケートの情報 | 読み取れる仮説と準備 |
|---|---|
| 来場は大人1名+子ども2名 | ご夫婦の一方だけが来る。 もう一方を巻き込む準備をする |
| 建て替え希望 | 建築予定地の住所さえ分かれば、 敷地の条件と仮プランを用意できる |
| 4人家族で希望は2LDK | 今の賃貸の間取りと混同している可能性。 4LDKのプランも用意する |
| いろいろな建物を見たい | モデルハウスだけでなく、 見学できるOB様邸や現場を探す |
以下、それぞれの準備を具体的に見ていきます。
アンケートでは同居者に夫がいると分かっているのに、来場は大人1名。つまり当日はご夫婦のどちらかだけが来ることになります。次回はお二人そろって来ていただくために、何ができるかを考えておきます。
まず当日、ご主人の勤務の状況を確認します。夜勤がある方なら、出勤前の1時間だけご夫婦の時間が合う、といったこともあります。そうした時間帯にZoomで短く打ち合わせる提案は、とても喜ばれます。土日の来店にこだわらず、ご家族の生活リズムに合わせた会い方を準備しておくことが、次回につなげる第一歩です。
当日伺ったご要望をまとめた資料をつくり、手書きのメッセージを添えてPDFにし、ご夫婦が入ったグループLINEに送ります。「このご要望についてすり合わせをさせてください」と伝えれば、来られなかった方も家づくりに参加している感覚を持てます。
お渡しするカタログの裏などに、「今日はご主人様にお会いできませんでしたが、こういうお話をしました。次回はぜひご一緒にお話を聞かせてください」と手書きで書いておきます。当社コンサルタントは、あえて何も言わずに渡していたそうです。家でカタログをめくったときに気づいてもらえれば、それだけで印象に残ります。
ご夫婦の一方だけが来場するケースは、競合他社でも同じように起きています。3社を回ったお客様のうち、来なかった方に向けて何かを用意したのが1社だけなら、それだけで比較の土俵から抜け出せます。手間は小さく、差は大きい。当社コンサルタントは、こうした場面を「むしろチャンス」と捉えていました。
建て替えのお客様なら、建築予定地の情報が提案の質を大きく左右します。とはいえ、電話がつながらない状況で細かな条件まで聞くことはできません。そこで、ショートメッセージなどで建築予定地の住所だけを教えていただくようお願いします。
住所が分かれば、接道の状況、上下水道の引き込み、道路との高低差、敷地の形と大きさなどを調べ、敷地に合わせた仮プランまで用意できます。そうすれば初回から、お金の話も間取りの話も具体的にできます。
住所を聞くと、お客様が警戒されることもあります。複数の会社に予約していて、いろいろな営業担当者が自宅に来るのは避けたい、検討を始めたばかりで話が一気に進むのが怖い、という気持ちがあるからです。そうした様子が感じられたら、すぐに「ご自宅に伺うことは一切ありません。条件に合った建築事例や法律上の条件を正確にご用意するために、住所だけ教えていただけますか」と伝えます。目的がはっきりしていれば、たいていは教えていただけます。逆に「ぜひ見に来てほしい」と言われたら、元気よく「伺わせてください」と答えればよいのです。どちらの反応にも備えて連絡すれば、気まずくなることはありません。
住所が聞けなかった場合でも、今のお住まいと同じ小学校区で建てる予定なら、地域の土地の特徴は大きく変わりません。どの敷地にも入りやすい総2階・30坪前後のプランを用意しておけば、当日の話は十分に進められます。
4人家族で希望の間取りが2LDK。わざわざその広さで新築を建てたい方はあまりいません。賃貸にお住まいなので、今の部屋の間取りを書いてしまった可能性が高いと考えられます。そこで、4LDKで家事がしやすい回遊動線のプランなど、最近人気のある間取りの事例を用意しておきます。「最近はこんなお家が人気なんですよ」と見せながら確認すれば、ご要望の本当のところを自然に聞き出せます。
相談内容に「いろいろな建物を見てみたい」とあれば、モデルハウスだけでなく、実際に見学できるOB様邸や完成直後の現場を探しておきます。そのためには、日頃からどの物件がいつ完成・引き渡しになるかを、他の営業担当者の案件も含めて把握しておくことが大切です。
たとえば「来月初めに引き渡しのお客様がいたはず」と分かっていれば、担当者に「商談の流れでご案内するかもしれないので、施主様に確認をお願いできますか」と事前に根回しできます。こうした段取りができていると、商談がすんなり進み、他社との差にもなります。当社コンサルタントは、完成後のOB様邸も見学にご協力いただくことが多かったそうです。日頃からOB様との関係を大切にしていることが、ここで生きてきます。
0次接客の電話ができた場合に準備したい「土地情報・仮プラン・概算の資金計画」については初回商談は事前準備で決まる、来店前の資金計画の組み立て方は「今の家賃と変わらない」を誠実に伝える資金計画で解説しています。
A. まず予約フォームと事前アンケートを読み込み、来場人数、土地の有無、希望の間取り、相談したい内容から仮説を立てます。そのうえで、来ない家族を巻き込む資料、敷地や間取りの候補、見学できる建物を用意しましょう。
A. 来られなかった方に向けて、ご要望をまとめた資料をグループLINEで共有したり、持ち帰り資料に手書きのメッセージを添えたりします。勤務の状況に合わせてZoomでの打ち合わせを提案するのも有効です。他社との差をつけやすい場面です。
A. 自宅訪問を警戒されることがあるため、「ご自宅に伺うことはありません」と先に伝え、建築事例や法律上の条件を正確に用意するためという目的を説明しましょう。目的が分かれば、多くの方は教えてくださいます。
ピュアグロースでは、大手ハウスメーカーのトップ営業出身のコンサルタントが、0次接客の仕組みづくりから初回接客の準備、次回アポの取り方まで、現場に入って営業力の強化を支援しています。お気軽にご相談ください。