「過去の名簿に電話しても、どうせつながらないし契約にもならない」
「断られるのが怖くて、若手が電話をかけたがらない」
集客単価が年々上がるなか、住宅会社にとって過去に接点を持ったお客様の名簿は大切な資産です。しかし実際には、資料請求や来場があったものの、その後追いきれずに眠っている名簿が多くの会社に残っています。
本記事では、元一条工務店のトップ営業で、現在は住宅会社のインサイドセールスの仕組みづくりを支援している当社コンサルタントが、過去の名簿への架電(電話)を契約につなげる方法を解説します。架電が会社にもたらすメリット、かける名簿の優先順位、アポが取れるトークスクリプトの5ステップ、つながらないときのメール、架電後に必ず残すメモまで、明日から実践できる形で紹介します。
目的はもちろん契約です。そのうえで、インサイドセールスには大きく2つのメリットがあります。
当社コンサルタントは一条工務店時代、毎月200件ほど電話をかけていました。華やかな集客のイメージが強い大手でも、過去のお客様への電話は地道に続けられています。仮に1,000件かけてアポ率2%なら20件、そこから契約率10%なら2件。2か月に1件でも掘り起こしから契約になれば、年間6棟です。これは決して小さくないインパクトです。
※数字は説明のための一例です。
| 対象 | 架電のメリット |
|---|---|
| 会社 | アポが増えて集客単価が下がる。 不要なDMを止めて追客費を削減できる |
| 若手 | すき間時間を商談の機会に変えられる。 トップ営業が追いきれない名簿を担える |
| 店長 | 集客以外からも案件が生まれ、 集客の波に左右されにくい店舗運営ができる |
特に若手にとっては大きなチャンスです。紹介で忙しいトップ営業は、過去の名簿まで追いきれません。そこを若手が掘り起こせば、商談の機会が増えます。架電の成果をKPIとして評価すれば、自分の見込み客が少ない時期でも評価を受けられます。
「過去のお客様はもう他社で決めているのでは」「検討をやめているのでは」と考える営業は多いでしょう。しかし、住宅会社が目指す契約までのスピードとは裏腹に、実際には半年以上かけて家づくりを検討しているお客様も少なくありません。
長く検討しているお客様には、次のような事情があります。
他社の営業も、最初の1〜3か月は追いかけますが、半年、1年となると追いきれていないことがほとんどです。つまり、架電でアポを取って来場いただいたお客様は、競合が少なく、ある程度の知識を持った状態で商談に入れるため、契約率が高くなりやすいのです。

すべての名簿にかけるのが大前提ですが、時間は限られています。次の順番でかけていくのがおすすめです。
すでに他社で契約済みのお客様に何度も電話をかけたり、以前に強い拒否を示されたお客様にかけたりすれば、お客様にとっても迷惑です。こうした名簿は対象から外しましょう。これはお客様を選んでいるのではなく、お客様のためでもあります。
そして多くの会社が「アポが取れた/取れなかった」で終わらせてしまうところで、必ずやってほしいことがあります。電話の最後に「今お送りしているDMやメールはご迷惑になっていませんか。今後もお送りしてよろしいですか」と確認することです。
「止めてほしい」というお客様にDMを送り続けても、経費がかかるうえに迷惑になるだけです。すぐに止めましょう。これを1年続けると、名簿は「電話しても嫌がられない」「DMやメルマガを見てくれている」お客様だけになっていきます。営業担当者が電話をためらう原因だった「怒られる」「すぐ切られる」というストレスもなくなり、アポ率も上がっていきます。
電話がうまい人とそうでない人の違いは、自社の売り込みの前に、住宅アドバイザーとして中立的なアドバイスをはさめるかです。お客様は売り込まれる電話を嫌がります。「今こういうイベントをやっています」と自社の話から入るのではなく、住宅選びのコツ、新しく出た補助金の情報、条件に合いそうな土地の情報など、お客様の役に立つ話を先に伝えて信頼を得ましょう。
お客様の悩みを聞くときは、「お困りごとはありますか」と聞いても答えが出てきません。「土地・性能・資金計画など、お困りのことはございませんか」と選択肢を示して聞く(クローズドクエスチョン)と、「この中なら資金かな」とお客様も答えやすくなります。悩みに結びついたアポを取ることで、アポ率が上がります。

なかでも最も重要で、最も難しいのが2つ目の「話を聞くメリット」です。当社コンサルタントが多くの成功事例を見てきたなかで、最もアポにつながったのが「○○様にぴったりの土地が出ました」という一言です。お客様が以前に伝えた条件に合う土地が出てきたと言われれば、ひとまず見てみたくなるものです。お客様の要望と土地情報をすぐに照らし合わせられる仕組みがあれば、電話のきっかけには困りません。
かける曜日や時間帯を変えて通電率を上げる工夫はもちろん大切ですが、電話に出ないお客様も増えています。そこで重要になるのがメールやショートメッセージです。ポイントは一斉送信のような文面ではなく、そのお客様に合わせた個別のメールにすることです。
お子様の趣味など、以前の会話で聞いたことをメールに入れると、お客様は「覚えていてくれた」と喜びます。効率化したい気持ちは分かりますが、コピペの一斉メールではなく、一通ずつ丁寧に送ることが成果につながります。
過去の名簿には、これから何度も電話をかけていきます。次の電話をより良いものにするために、架電後は必ず次の4つを記録して共有しましょう。
| 記録する項目 | 内容と活用のしかた |
|---|---|
| 現在の検討状況 | 資料請求したばかりか、他社を見ているか、 すでに契約済みか |
| 現在の悩み | 家づくりが進んでいない理由。 「前回は土地でお悩みでしたが、決まったんですね」 と話せると信頼が生まれる |
| つながりやすい 曜日・時間帯 | 「土日休みで夕方なら出やすい」など。 次回の通電率が上がる |
| お客様の特徴 | 「仕事が繁忙期」「実家に帰ってきたところ」 など雑談の内容も残す |
電話をかけ、正しくメモを残し、そのPDCAを回し続ける。そうすれば、ふとしたタイミングで掘り起こしから契約が生まれます。その1棟が、営業担当者の成績を大きく助けてくれるはずです。
A. 半年以上かけて家づくりを検討しているお客様も多く、他社の営業は長期の検討客を追いきれていないことがほとんどです。架電でアポを取って来場したお客様は競合が少なく、ある程度の知識を持った状態で商談に入れるため、契約率が高くなりやすいのです。
A. ①資料請求があり未来場の名簿、②来場済みで90分以上接客した名簿、③その他の名簿、④2回目のアポまで実施した名簿の順がおすすめです。2回目のアポまで進んだお客様は、他社で契約済みや検討から外れているケースが多いため最後に回します。
A. 自社の売り込みから入らず、補助金や土地情報など、お客様が話を聞くメリットを最初に伝えることです。悩みは「土地・性能・資金計画など」と選択肢を示して聞き、住宅アドバイザーとして中立的なアドバイスをしてから日程調整に進みましょう。
ピュアグロースでは、元一条工務店のトップ営業をはじめとする実務家コンサルタントが、名簿の精査からトークスクリプトやメールのテンプレートづくり、架電のKPI設計まで、インサイドセールスの仕組みづくりを支援しています。眠っている名簿を契約につなげたい方は、お気軽にご相談ください。