部下が育つ店長の関わり方|一条工務店に学ぶ「会議で話させる」「体感施設へ連れて行く」

2026.10.27 2026.10.27
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「店長が一生懸命アドバイスしているのに、部下が自分で考えて動けるようにならない」
「売れている営業ほど自己流になり、会社の売り方を守らなくなる」

営業の部下育成に悩む店長・営業責任者は少なくありません。その原因は、部下の能力ではなく、店長の関わり方にあることが多いものです。

本記事では、一条工務店で店長として店舗を率いた経験を持つ当社の営業コンサルタントが、地域の住宅会社を支援するなかで気づいた「一条工務店では当たり前だったのに、他社ではできていないこと」をもとに、部下が育つ店舗マネジメントのポイントを解説します。キーワードは、会議で部下に話させること、そしてお客様を体感施設へ「連れて行く」ことです。

多くの会社の案件会議は「店長が話しすぎ」

当社コンサルタントが支援に入っているのは、年間100棟未満、3店舗・3チームほどの会社が中心です。一条工務店から移って他社の営業マネジメントを見たとき、まず驚いたのが、マネジメントが緩く、案件会議で部下が発表する場が少なすぎることでした。

案件会議は、お客様がどんな方で、どういう作戦で契約に導いていくかの道筋を立てる場です。お客様のことを一番分かっているのは担当の部下ですから、本来は部下にもっと話させなければなりません。ところが多くの会社では、店長が上澄みの情報だけをすくって「こうしていこう」と話してしまう。それでは、そのアドバイスが本当に正しいのかも判断できません。

案件会議の比較:多くの会社は店長が話しすぎて部下が考えない。売れている店舗はメンバーが話し、店長は軌道修正に徹する

一条工務店の案件会議では、店長ではなくメンバーが話し、店長はそれに対して軌道修正をするのが基本です。売れている会社、売れている店舗ほど、店長よりもメンバーが話しています。

部下が話す会議に変えると、部下は「どうすればこのお客様を契約に結びつけられるか」の道筋を自分で考えてくるようになります。自分で考える経験が積み重なることで、部下は着実に育っていきます。店長の皆さんは、自分が会議で話しすぎていないか、一度振り返ってみてください。

部下育成の極意は「連れて行く」こと

もう一つの大きな違いが、店長が部下の案件に同行し、2回目・3回目のクロージングを一緒に行っていることです。一条工務店の営業の型の中心には、お客様を体感施設へ案内することがあります。その場に店長も一緒に行き、部下の案件をまとめて案内するのです。

当社コンサルタントが率いていた店舗では、初回接客で次のアポイントが取れたお客様の約6割が契約に至っていたといいます(※動画内での発言に基づく数字です)。トップ営業個人ではなく、店舗全体でこの数字を出せるチームはそう多くありません。

「遠いから連れて行けない」は逆

体感施設が店舗から車で1時間以上かかることも珍しくありません。多くの会社の営業担当者は「遠いからお客様を連れて行けない」と言います。しかし当社コンサルタントの考えは逆です。遠いからこそ、連れて行く価値がある。お客様の時間をしっかりいただくからこそ、そこで得られる体験と信頼は大きくなります。

自社にモデルハウスや体感スペース、完成見学会やOB様邸などの「見せる場」がある会社なら、この考え方はそのまま応用できます。距離や手間を理由に案内を省いていないか、見直してみてください。

「売れている営業ほど連れて行かなくなる」問題

体感の場をつくっている会社でよく聞くのが、「売れている営業は連れて行かなくても決まる」という声です。しかしこれも逆で、売れている営業こそ連れて行けば、もっと決まるのです。

売れ始めた営業が自己流になり、会社の型から外れていく。これは多くの会社で起こる「あるある」です。一条工務店でそれが起こりにくいのは、型をやり切ることの効果が社内で明確だからです。連れて行かなくなった営業は成績が下がり、その理由もはっきりしている。だから全員が「この型をやれば売れる」と信じています。

型を「やらせ切る」育成と、個人の魅力で売る育成

住宅会社の営業組織づくりには、大きく2つの方向性があります。

型をやらせ切る育成個人の力を生かす育成
未経験者や新卒を中心に、
会社の売り方を徹底させる
経験者を採用し、
営業個人の魅力や力量で売る
店舗全体で成果が安定し、
スランプの原因も分かりやすい
早く成果が出やすいが、
やり方が人によってばらつく

一条工務店は経験者が少なく、未経験者が中心です。あえて型をやり切らせる育成をしているともいえます。経験者のマンパワーで伸びている会社もありますが、型をしっかりやらせたいなら、未経験者や新卒に徹底させる方が実際は機能しやすいでしょう。

どちらが正解というより、大切なのは会社の型を魅力的なものにしたうえで、それをやり切らせることです。部下が話さなすぎ、店長が話しすぎ、型をやらなすぎ。多くの会社で起きているこの状態を、すべて逆にしていくことが部下育成の出発点になります。

売れていない部下には「自信」をつくる

当社コンサルタントが部下育成でもう一つ大切にしているのが、部下の自信をつくることです。まだ売れていない営業でも、売れている営業になりきり、堂々とお客様に向き合うよう指導してきました。

たとえば部下がクロージングに臨む場面では、店長がその様子を見守り、必要なタイミングで部下を呼んで短くアドバイスし、商談に戻す。こうして店長が後ろで支えながら場数を踏ませることで、部下は少しずつ自信を持って商談を進められるようになります。お客様は、自信のない営業担当者とは家づくりをしたくないものです。細かな積み重ねで自信をつけさせることが、売れる営業への近道です。

まとめ:店長がやるべき3つのこと

店長がやるべき3つのこと:案件会議で部下に話させる、部下の案件に同行し見せる場へ連れて行く、後ろで支えて部下の自信をつくる
  1. 案件会議では部下に話させる:店長は聞き役に回り、軌道修正に徹する。部下が自分で道筋を考える習慣をつくる
  2. 部下の案件に同行し、お客様を「見せる場」へ連れて行く:遠くても、売れている営業でも、型どおりに案内する
  3. 部下の自信をつくる:後ろで支えながら場数を踏ませ、堂々と商談できる状態にする

よくある質問

Q. 案件会議で部下に話させると、どんな効果がありますか?

A. 部下が、お客様をどう契約に導くかの道筋を自分で考えてくるようになります。お客様を一番知っている担当者から詳しい情報が出るため、店長のアドバイスの精度も上がります。店長は話しすぎず、軌道修正に徹するのがポイントです。

Q. 体感施設やモデルハウスが遠い場合も、お客様を案内すべきですか?

A. 遠いからこそ連れて行く価値があります。お客様の時間をしっかりいただくことで、体験の印象も信頼も深まります。店長が部下の案件に同行し、2回目・3回目のクロージングを一緒に行うと、店舗全体の契約率が上がります。

Q. 売れている営業が会社の売り方を守らなくなったらどうすればよいですか?

A. 売れている営業こそ型どおりに進めれば、さらに決まりやすくなることを伝えましょう。型をやり切ったときの成果を社内で見える化し、「この型をやれば売れる」と全員が信じられる状態をつくることが大切です。

営業組織の育成はピュアグロースへご相談ください

ピュアグロースでは、一条工務店やアイ工務店など大手ハウスメーカー出身の実務家コンサルタントが、案件会議の進め方から営業の型づくり、店長の育成まで、営業組織の成果づくりに伴走しています。部下が育たない、店舗ごとの成績にばらつきがあるという方は、お気軽にご相談ください。

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