カチタスの決算に学ぶ中古再販の勝ち筋|2026年3月期第1四半期と工務店の参入ポイント

2026.10.27 2026.10.27
カチタスの決算に学ぶ中古再販の勝ち筋|2026年3月期第1四半期と工務店の参入ポイント 解説動画サムネイル

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「新築だけでは先細りなのは分かっているが、中古再販は本当に事業になるのか」
「自社のビジネスモデルを、銀行や採用候補者に分かりやすく説明できていない」

地方の中古戸建てを買い取って再生・販売するカチタスは、住宅業界の中でも投資家からの評価が際立って高い会社です。本記事では、同社が2025年8月7日に発表した2026年3月期 第1四半期決算と、決算説明資料に示されたビジネスモデルを、住宅会社のコンサルティングを行う立場から読み解きます(動画の収録は2025年8月)。中古住宅市場の全体像は中古住宅ビジネスは新築会社の次の柱になるかで解説していますので、本記事ではカチタスの「数字の組み立て方」と、地域の住宅会社が学べるポイントに絞ってお伝えします。

※数値は動画内の解説(一部は推計)に基づく概算です。正確な値は株式会社カチタスの公表資料をご確認ください。

第1四半期決算のポイント:計画どおりの順調な滑り出し

2026年3月期の第1四半期は、カチタス単体で販売件数が計画どおりに推移し、1件あたりの粗利は計画を上回りました。グループ会社のリプライスも営業利益が計画を上回っています。新築の分譲住宅の着工が減り、新築の在庫が少ない中で、中古住宅の流通がさらに進むという見方も示されています。今期の重点として、より低価格の商品の展開や、ひとり親世帯・高齢の夫婦世帯・単身世帯など、新築のファミリー層とは異なる多様な世帯への対応を掲げています。

カチタスのビジネスモデルは「誰と戦わないか」が明確

同社のモデルはシンプルです。地方の中古戸建てを買い取り、住宅を再生して、新築の半額程度で販売する。仕入れる住宅の多くは空き家で、空き家問題の解決と手頃な住宅の提供を社会的意義として掲げています。

項目内容(動画内の解説より)
主な商圏人口5万〜30万人の地方都市。
グループのリプライスは30万〜50万人
物件相続などで空き家になった地方の戸建て。
築年数は平均約30年
販売価格1,600万円前後。
地方の新築の半額程度
主な顧客年収200万〜500万円で持ち家志向の
借家世帯(30〜50代)
年収倍率約4.3倍。
新築は7〜10倍になることが多い
株価収益率(PER)20倍前後。
住宅会社は7〜10倍程度が多い

※2025年8月時点。動画内の解説に基づく概算です。

ポイントは、他社が狙っていない顧客を、数字で示していることです。地方に住み、年収200万〜500万円で、借家に住む持ち家志向の世帯。決算資料では、こうした潜在顧客が100万世帯を超えると試算し、現在の販売件数との差から「まだまだ伸ばせる」ことを示しています。都市部のマンション業者も新築の住宅会社も参入してこない市場なので、空き家の買い取りでも競合が少なく、有利な条件で仕入れられます。

市場の背景には、新築価格のインフレがあります。10年ほど前は「家賃並みで新築が買える」と言えましたが、今の新築価格ではそれが難しくなりました。一方で、1981年の新耐震基準以降に建てられた住宅も築40年以上になり、耐震面で再販しやすいストックは増え続けています。綺麗で手頃な住宅が供給されれば、新築にこだわらない層は確実に存在します。

なぜ2位以下と大きな差がつくのか

地方の戸建て買取再販で、同社グループは2位以下を大きく引き離しています。理由は、この市場が「不動産」と「建築」の両方が必要な空白地帯だからです。

  • 不動産会社:売買仲介のプレーヤーは多いが、少人数で営む会社が多く、建築(リフォーム)の要素を組織的に足せる会社は少ない
  • 新築の住宅会社:建築はできるが、単価が小さいことに加え、中古住宅を見ると「全部直したい」と考えてしまい、価格が合わなくなる
地方の中古戸建て再販が空白市場である理由:不動産会社は建築の要素を足しにくく、新築会社は直しすぎて価格が合わない。不動産と建築の両方を組織で持つ会社が勝つ

地域の住宅会社が学べる4つのポイント

1. リフォーム費は「販売価格」から逆算する

新築会社が中古再販に参入すると、リフォームにこだわりすぎるケースがよくあります。トイレや浴室を新しくしたいお客様は多いですが、キッチンを替えて間取りまで変えるとフルリノベーションになり、別のビジネスモデルになってしまいます。基準は明確です。そのエリアの新築の半額程度で売り、粗利を20%程度確保できる原価に収まる範囲でしか直さない。ここを最初に決めることが、再販事業の出発点です。

2. 契約不適合責任(瑕疵担保)に向き合う

中古住宅では、売却後に見つかった不具合について売主が責任を負う「契約不適合責任」(旧・瑕疵担保責任)のトラブルが起こりがちです。同社は売主としてこの責任を負う姿勢を示しています。建築の知識がある住宅会社なら本来対応できる領域ですが、どう備えればよいか分からず二の足を踏む会社が多いのが実情です。物件の調査や保証の仕組みを整えることが、参入の条件になります。

3. 1人あたりの仕入れ・販売件数をKPIにする

同社は、社員1人あたり年間何件仕入れて何件販売するかを開示しています(1人あたり年間18件前後との解説でした)。不動産業界では、この数字が見えていない会社がほとんどです。新築でいえば「営業1人あたり年5〜6棟」と同じ考え方で、生産性の基準が決まっているからこそ、店舗を増やし、新卒を採用して育てる計画が立てられます。リフォーム中に契約が決まる物件も多く、在庫の回転が速いことも収益性を高めています。

4. 自社のビジネスモデルを「資料で説明できる」状態にする

同社の決算説明資料は、大きな市場から入り、自社の独自性と成長余地をストーリーで示しており、当社が上場企業のIR資料の見本として紹介することも多い内容です。株価収益率が高いのも、ビジネスモデルが分かりやすく、投資家が成長を読みやすいからだと考えられます。

非上場の住宅会社でも、中期経営計画や採用資料、金融機関への説明で同じことが求められます。市場の大きさ→狙う顧客→自社の独自性→生産性の数字の順に説明できれば、社員にも、採用候補者にも、銀行にも伝わる資料になります。

中古再販は「攻めるべき市場」

新築の持ち家市場は、所得が伸び悩む中で縮小が続くと見られます。一方、中古市場はプレーヤーが少なく、縮小幅も小さい市場です。新築会社がリフォーム事業に取り組むのはもちろんですが、特に地方の住宅会社にとっては、中古再販事業を第2の柱として育てることを当社は強くおすすめしています。

よくある質問

Q. カチタスの2026年3月期第1四半期決算のポイントは何ですか?

A. 動画内の解説では、販売件数は計画どおりで、1件あたりの粗利は計画を上回る順調な滑り出しでした。今期は低価格商品の展開や、単身・高齢夫婦・ひとり親世帯など多様な世帯への対応を重点に掲げています。正確な数値は同社の公表資料をご確認ください。

Q. 中古再販のリフォームはどこまでやればよいですか?

A. 販売価格から逆算して決めます。そのエリアの新築の半額程度で売り、粗利を確保できる原価に収まる範囲が目安です。水回りの一部更新や表層の改修が中心で、間取りまで変えるとフルリノベーションになり、価格が合わなくなります。

Q. 新築の住宅会社が中古再販に参入するときの注意点は?

A. 直しすぎないこと、契約不適合責任への備えを整えること、1人あたりの仕入れ・販売件数などの生産性の基準を決めることの3つです。新築と同じ感覚で取り組むと、価格も体制も合わなくなります。

中古再販・新規事業のご相談はピュアグロースへ

ピュアグロースでは、大手の決算や市場動向を踏まえた中期経営計画の策定、中古再販やリノベーション事業の立ち上げ、事業計画書づくりまで、住宅会社・工務店の経営を支援しています。お気軽にご相談ください。

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