「ChatGPTでパースを作り直してみたが、思った通りの画像にならない」
「毎回同じ指示を打ち込むのが面倒で、結局使わなくなってしまった」
標準的なCGパースを、SNS広告や提案資料にそのまま使えるクオリティまで引き上げる。画像生成AIを使えば、住宅会社の営業や設計担当でも自分でできる時代になりました。ただし、結果を左右するのはツールの性能よりも「指示の出し方」です。本記事では、社内で日常的にAIを使い込んでいる当社代表が、ChatGPTの画面で実際にパースを仕上げていった手順をもとに、理想を言語化し、制約条件を足し、最後にメモリに保存して「次からは一言で出る」状態にするまでの流れを解説します。
※ツールの機能・料金は動画収録時点(2025年8月)のChatGPT有料プランに基づきます。最新の仕様は提供元の情報をご確認ください。パースの写真風変換を商談で使う方法は商談中と商談後のAI活用、広告バナーの量産は生成AIで広告バナーとLPを量産する方法で紹介しています。
題材にしたのは、ローコスト住宅の提案でよく見かける30坪程度の標準的なパースです。まずは「このパースをデザインアップして」とだけ依頼しました。生成には30秒ほどかかり、建物の質感はリアルになりましたが、外構は簡素なまま、人や車もいない状態でした。
ここで大事なのは、自分が考える「デザインアップ」とは何かを言語化することです。同席した当社取締役に聞くと、答えは次の5つでした。
1回目の結果をこの5つで採点すると、足りないのは「外構」「人」「車」だと分かります。漠然と「もっと良くして」と繰り返すのではなく、理想を要素に分け、足りない要素だけを具体的に指示する。これが壁打ちの基本です。

2回目は、足りない要素を具体的な「制約条件」として追加しました。
「子育てファミリー」のような曖昧な言葉は、AIにとっても解釈の幅が広すぎます。人数、年齢、車種など、誰が読んでも同じ絵が浮かぶ言葉に置き換えるのがコツです。
制約条件を足すと、外構・車・人はそろいました。ところが元のパースと見比べると、窓の位置や数が変わっている箇所がありました。実際の計画と違う窓がついていては、提案に使えません。「右側の1階の窓と2階奥の窓は削除」「正面2階の窓は残す」と、ズレた箇所を名指しで修正していきます。必要に応じて、縦長・横長といった画像の向きも指定しましょう。
画像の生成を待つ時間は、メールやチャットの返信など別の作業に充てれば無駄になりません。
最後に「このパースをInstagramの広告に使いたい。人を消した版と、夕方の照明が入った版の2パターンを作って」と、利用目的を添えて依頼しました。目的を伝えると、AIはその用途に合った見せ方を考えてくれます。ここまでで、修正は4回、時間にして10数分ほどでした。
| 回数 | 指示の内容 |
|---|---|
| 1回目 | 「デザインアップして」 → 質感はリアルに |
| 2回目 | 外構・車・人・光を制約条件として追加 |
| 3回目 | 元のパースと比べ、 変わった窓を名指しで修正 |
| 4回目 | 利用目的(SNS広告)を伝え、 昼・夕方の2パターンを作成 |
| 仕上げ | この基準をメモリに保存し、 次回は一言で出るようにする |
一番大事なのは最後の一手です。仕上がったら、「今後『デザインアップして』と依頼したら、初手からこのクオリティで出せるように覚えておいて」と伝えます。ChatGPTは「保存されたメモリを更新しました」と表示し、出力の基準を次のように自分で言語化して記憶します。
今回4回・10数分かかった作業も、次回からは一言で、ほぼ初手で同じ水準のパースが出るようになります。記憶された内容は設定の「パーソナライズ」にあるメモリ管理から確認・修正できます。メモリの内容がAIの「賢さ」に直結するため、定期的に見直して整理しましょう。AIが言語化してくれた基準を確認し、育てていくことが、これからの必須スキルです。
パースの作成を外注すると、1枚あたり数万円かかることも珍しくありません。一方、ChatGPTの有料プランは月額3,000円程度(2025年8月時点)です。費用対効果を考えれば、使わない理由はないといえます。
同じ考え方は、外観パース以外にも使えます。
AIが細部を誤って描くこともあります(設備の部品が背景と同化するなど)。気づいたら「ここを修正して」と指示すれば直せます。1つのチャットの中で同じ目的のやり取りを続けると、そのスレッドが「パースを仕上げる場所」として文脈を理解し、精度が上がっていきます。
AIで加工した画像を広告や物件の販売資料に使う場合は、実際の建物・仕様・周辺環境と異なる印象を与えないことが大前提です。家具や人物を加えたイメージ画像には「イメージ」である旨を明記し、標準仕様の設備を見せる場合も商品そのものは加工しない。不動産広告の表示ルールにも注意し、お客様の誤解を招かない範囲で活用しましょう。
A. 「元のパースの外観・間取りを極力変えずに」と制約条件に入れたうえで、生成された画像を元のパースと見比べ、変わってしまった窓などを「右側1階の窓は削除」のように名指しで修正しましょう。
A. 仕上がりに満足したら、「今後『デザインアップして』と言ったらこの基準で出して」とメモリへの保存を依頼しましょう。次回からは短い指示で、ほぼ同じクオリティの画像が出るようになります。保存内容は設定画面から確認・修正できます。
A. 実際の建物や仕様、周辺環境と異なる印象を与えないことが前提です。家具や人物を加えた画像にはイメージである旨を明記し、不動産広告の表示ルールにも注意して使いましょう。
ピュアグロースでは、パース作成や広告制作、営業の商談準備など、住宅会社の業務に合わせた生成AIの活用を支援しています。お気軽にご相談ください。