「AIを導入したものの、使っている社員とそうでない社員の差が広がるばかり」
「便利そうなのは分かるが、自社の業務にどう使えばいいのか分からない」
生成AIは、これからどの会社にとっても欠かせない道具になります。一方で、ツールを契約しただけでは社内に定着しません。新しいもの好きの社員だけが使いこなし、ほかの社員は様子見のまま、というのがよくあるパターンです。
ピュアグロースでは、営業・マーケティング・採用などのコンサルタントと、経理・総務などの管理部門が一堂に会する「社内AI勉強会」を開催しました。本記事では、その進め方と、実際に共有された業務別のAI活用例を紹介します。住宅会社・工務店でもそのまま真似できる内容です。
同じ会社でも、AIの使い方は部署ごとにまったく違います。営業と採用担当、経理と総務では業務が違うので当然です。さらに、アカウントを管理している立場から見ると、誰がどれだけ使っているかは一目瞭然です。使いこなしている人と、ほとんど使えていない人の差ははっきりと出ます。
新しいツールに飛びつくのは、いつの時代も一部の人です。そこで勉強会の狙いを次の2つに置きました。

当初は60分を想定していましたが、実際には90分かかりました。自分の業務への落とし込みまで含めて、90分はしっかり確保するのがおすすめです。1回目で発表された事例はレベルが高く、それに全員が追いついていく場として、毎月続けていくことにしました。
| 業務 | AIの活用内容 |
|---|---|
| Web広告の分析 | 広告のレポートを読み込ませ、 目標CPAに届かない原因を キャンペーンごとに洗い出す |
| 打ち合わせの記録 | 議事録から決定事項とToDoをまとめ、 次回日程や期日のリマインドまで自動化 |
| 経費精算 | 週末に手作業でしていた精算を 自動化し、最後の確認だけにする |
| 採用管理 | エントリーから内定までの歩留まりと 内定者ごとの承諾に向けた対応を一覧化 |
| 商談準備・販促 | 商談前のブリーフィング資料の作成、 建築パースや工程イメージの画像・動画化 |
Google広告では、デバイス別、オークション分析(競合との比較)、アセット、キャンペーンや検索語句などのレポートをCSVで出力できます。これらをまとめてAIに読み込ませ、「目標CPAはこのくらいだが、なぜ届かないのか」「何が悪いのか」と聞くと、キャンペーンごとの課題を整理してくれます。人の目で見ると抜け漏れが出たり、傾向をつかむのに時間がかかったりする部分です。
ポイントは、AI自体は住宅業界の広告に詳しくないという前提に立つことです。最初のプロンプトで「生成する前に、私にいくつか質問してから答えてください」と頼み、出てきた答えに対して壁打ちを重ねます。さらに進めると、広告やアクセス解析のデータを直接取得してスプレッドシートに出力し、毎回CSVをダウンロードしなくても誰でも最新の状況を見られる形にできます。
打ち合わせが終わったらAIに「打ち合わせが終わりました」と送るだけで、会議録音ツールの文字起こしをもとに、決定事項と先方が対応すべきToDoのまとめが出てくる仕組みです。次回日程が決まっていればカレンダーに自動で登録され、ToDoの期日の2日前にはリマインドのメッセージが届くようにしています。
住宅会社であれば、お客様との打ち合わせ後の決定事項の共有や、社内会議の宿題の進捗確認にそのまま応用できます。
管理部門のメンバーは、週末に1時間半ほどかけていた経費精算を自動化し、最後のチェックだけの約20分で終わるようにしました。会計ソフトとAPIでつなぐ方法はセキュリティ面の検討が必要なため、社内のクラウドストレージ上で完結させる形を選んでいます。便利さとセキュリティのバランスは、導入時に必ず議論すべきポイントです。
新卒採用の支援を担当するメンバーは、エントリー数から内定数までの歩留まりを毎月管理できるアプリを作りました。内定者ごとに、承諾期限まであと何日か、競合はどこか、承諾に向けて何をするかを入力でき、前月より良くなった点・悪くなった点の原因と対策も比べられます。データが毎年たまるので、「昨年の今ごろはどうだったか」もすぐに確認できます。

外部サービスとの連携や自動投稿など、共有された事例の中には、チャット画面だけでは実現できないものもあります。ピュアグロースでは、開発・自動化までできるAIツール(Claude Code)を全社に展開しました。全員が同じ環境を持っていれば、共有できるノウハウのレベルが一気に上がります。一部の人だけが導入した状態で始めると、温度差でどんどん置いていかれる人が出てしまいます。
AI開発の世界には「ゴミを入れればゴミしか出てこない」という言葉があります。裏を返せば、良いインプットがあればAIの出力の質は上がるということです。AIの性能は同じでも、営業・設計・集客など現場で培ったノウハウを入れるほど、自社ならではの使い方ができます。AIに詳しい人が仕組みを広め、現場の人が自分の知恵を掛け合わせる。この組み合わせが最も成果につながります。
1回の勉強会で終わらせず、毎月「やってみたこと」を共有する場にすることで、使えていない人の底上げが進みます。同時に、顧客情報や会計データをどう扱うかといったセキュリティのルールも、事例と一緒に話し合っておきましょう。
A. 部署を混ぜた少人数のグループで活用事例を共有し、良い事例を全体に発表する勉強会がおすすめです。使いこなしている人の事例を見ることで、ほかの社員も「自分の業務でもできる」と気づきやすくなります。毎月続けることが定着のポイントです。
A. Web広告のレポート分析、打ち合わせの議事録とToDoの整理、経費精算、採用の歩留まり管理、商談前の準備資料の作成、建築パースの画像・動画化などに活用できます。まずは時間がかかっている定型業務から試すとよいでしょう。
A. AIは住宅業界の広告事情に詳しくない前提で使うことです。プロンプトで「答える前に質問してください」と頼み、出てきた分析に対して壁打ちを重ねると、自社の状況に合った課題整理ができます。
ピュアグロースでは、住宅会社の営業・集客・採用の現場ノウハウとAIを掛け合わせた業務改善を支援しています。何から始めればよいか、セキュリティをどう考えればよいかなど、お気軽にご相談ください。