「GX ZEHの基準は分かったが、営業がお客様にうまく説明できない」
「蓄電池を売ったことがない営業ばかりで、提案が止まっている」
新しい省エネ基準「GX ZEH」への対応というと、断熱等級や設備の仕様の話になりがちです。しかし、仕様を整えても、それをお客様の暮らしに合わせて説明できる営業がいなければ受注にはつながりません。
本記事では、GX ZEHの発表を受けて当社代表と取締役が語った内容をもとに、GX ZEH時代に営業と会社がやるべき準備を、太陽光・蓄電池の提案力を中心に解説します。制度の解説ではなく、受注と商品づくりにどう生かすかという実務の視点でまとめています。
※本記事は動画公開時点(2025年11月)の情報と見立てに基づいています。現在(2026年10月)は、制度の適用時期や補助金の内容が変わっている可能性があります。GX ZEHの要件や適用時期、補助金の金額は、経済産業省・国土交通省など行政の公表資料で必ずご確認ください。
GX ZEHは、2025年に経済産業省が示した新しいZEHの定義です。断熱等級6以上、再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の35%以上削減に加え、上位の区分ではHEMSや蓄電池の導入も求められます。動画公開時点では、新しい定義は2027年度から適用される予定とされていました。
ここで営業が意識したいのは、今契約するお客様の家が、いつ引き渡されるのかという点です。契約から引き渡しまで1年以上かかる場合、今の商談は実質的に新しい基準の時代に住み始める家の話になります。「うちは今の基準で十分です」とだけ答えていると、性能を重視するお客様の比較の段階で外されてしまうおそれがあります。
動画で当社代表が指摘したのは、蓄電池を一度も提案したことがない営業が非常に多いという現実です。新築住宅で蓄電池まで搭載している家はまだ一部で、営業経験の長い人でも、メリットを聞かれると「光熱費が下がる」「停電時に使える」と答えるのが精一杯ということが少なくありません。
蓄電池は、10年ほど前の太陽光と同じような段階にあります。まだよく分からないと思われている一方で、これからは標準的に検討される設備になっていきます。太陽光と蓄電池をセットで提案できるかどうかが、営業の差になる時代です。

蓄電池の提案で大切なのは、メリットを並べることではなく、「このご家族には入れたほうがいいのか」を判断して伝えることです。昼間にどれくらい電気を使うか、夜間の電気をどうしたいかによって、発電した電気を貯めたほうがよい家庭と、その場で使ったほうがよい家庭に分かれます。
| 確認したいこと | 提案につながる視点 |
|---|---|
| 昼間の在宅状況 | 日中は不在がちか、 在宅で電気を使うことが多いか |
| 夜間の電気の使い方 | 夜に使う電気を 昼の発電でまかないたいか |
| 停電への備え | 在宅ワークや小さなお子様、 ご高齢の家族がいるなど、 停電時の安心を重視するか |
| 太陽光の搭載量 | 屋根の形・向き・面積で 十分な発電量を確保できるか |
| 資金計画 | 設備費を含めて 無理のない返済になるか |
この判断ができると、「あなたのご家族には入れたほうがいいと思います」「今回は太陽光だけで十分です」と、営業が責任を持って言えるようになります。売り込むためではなく、お客様に合うかどうかを一緒に考える姿勢が、性能の話を信頼につなげます。
営業個人の勉強だけでは限界があります。会社として、次のことを先に決めておきましょう。
そのうえで、太陽光と蓄電池をセットでどう提案するかの社内勉強会を開き、営業がロープレで説明できる状態をつくります。

多くの会社がGX ZEHの水準に対応していけば、性能の数値だけで差をつけることは難しくなります。動画では、その先で勝ち残る会社として次の2つが挙げられました。
また、国がなぜ住宅の省エネ化を進めているのかという背景も、営業の言葉に厚みを持たせます。2050年のカーボンニュートラルに向けて、国は住宅でも単なる省エネだけでなく、エネルギーをつくり、貯めて使う方向へ進めようとしています。こうした大きな流れを自分の言葉で説明できる営業は、お客様から「この人は分かっている」と信頼されます。
一方で、4号特例の縮小を含め、制度の変化に対応できない住宅会社にとっては厳しい環境が続くという見方も示されました。変化を「悲観的に準備し、楽観的に行動する」ことが求められています。
GX ZEHの4つの区分や従来のZEHとの違いなど、基準そのものについては、あわせて読みたい:2025年スタート「GX ZEH」とは?従来のZEHとの違いと4つの新基準をわかりやすく解説をご覧ください。
A. まずは太陽光と蓄電池をセットで説明できるようになることです。メリットを覚えるだけでなく、昼間の在宅状況や夜間の電気の使い方から、そのご家族に蓄電池が向いているかを判断できるようにしましょう。
A. 標準にするかオプションにするかは、自社のお客様層や価格帯によって判断してかまいません。ただし、最上位に対応できるか、できるならいくらかかるのかは把握し、お客様に示せるようにしておくことが大切です。
A. 本記事は動画公開時点(2025年11月)の情報に基づいています。最新の要件・適用時期・補助金額は、経済産業省や国土交通省、各補助事業の公式サイトなど、行政の公表資料でご確認ください。
ピュアグロースでは、設計や営業の実務経験を持つコンサルタントが、高性能住宅の商品づくり・原価の把握から、太陽光・蓄電池の提案を含む営業研修まで支援しています。制度対応を受注につなげたい方は、お気軽にご相談ください。