一条工務店の数字に学ぶ組織づくり|営業1人あたり棟数・営業比率と拠点内複数展示場

2026.10.27 2026.10.27
一条工務店の数字に学ぶ組織づくり|営業1人あたり棟数・営業比率と拠点内複数展示場 解説動画サムネイル

解説動画はこちら

「営業を増やしているのに、棟数が思ったほど伸びない」
「自社の人員配置が適正なのか、判断する物差しがない」

注文住宅の受注棟数で全国トップを走る一条工務店。その強さは商品や営業手法だけでなく、人と拠点をどう増やし、どう生産性を上げているかという数字にも表れています。本記事では、当社代表が支援先の分析で使っている指標をもとに一条工務店の成長を分解し、工務店が自社の組織を見直すときに使える3つの物差しと、拠点の出し方の工夫を解説します。展示場での集客や来場後の流れについては一条工務店の展示場は予約1割・飛び込み9割で解説しています。

※本記事の数値は2025年12月時点の動画内の解説(公開情報と当社の推計)に基づく概算です。

人を増やしながら「1人あたり」も上げている

一条工務店の年間棟数は約1万6,600棟から約1万7,300棟へと増えました。展示場も約30か所増やし、社員数も増やしています。注目すべきは、営業の人数はほぼ横ばい(約3,200人→約3,240人)なのに、棟数が約700棟増えている点です。

指標一条工務店(前期→今期)
年間棟数約1万6,600棟
→約1万7,300棟
営業の人数約3,200人
→約3,240人
営業1人あたり棟数約5.18棟
→約5.33棟
社員に占める営業の割合5割強

※動画内の解説に基づく概算です。

3,000人を超える営業組織で、1人あたりの棟数を約3%引き上げている。人を増やしながら生産性も落とさない、これが一条工務店の成長の核心です。

自社の組織を見直す3つの物差し

この分析で使った指標は、そのまま工務店の組織診断に使えます。自社の数字を出してみてください。

自社の組織を見直す3つの物差し:営業1人あたり年間棟数は5〜6棟に収れん、社員に占める営業の割合は3割を切ると赤字が多い、社員1人あたり年間3棟を目標に

1. 営業1人あたりの年間棟数

年間100棟以上の注文住宅会社では、営業1人あたりの年間棟数は5〜6棟に収れんするのが当社の実感です。「営業10人で100棟」「3人で50棟」という会社もありますが、持続的に成長する会社の実績値はおおむね5〜6棟。設計を営業が兼ねるかどうかなど業務範囲によって多少前後します。

計算するときのポイントは、新卒1〜2年目も営業として人数に入れることです。「1年目はまだ営業じゃない」と除外したくなりますが、一条工務店の数字も若手を含めたうえでの値です。正直に出してみると、思ったより人が多いと気づく会社は少なくありません。

2. 社員に占める営業の割合

全社員のうち営業が何割いるかを示す指標です。一条工務店は5割を超えていますが、大手ハウスメーカーでも5割を超える会社はごく一部です。当社の顧問先約150社でも、5割を超える会社は1割ほどしかありません。

営業がプランを描かず、設計が描き、インテリアコーディネーターが別にいる、という分業を進めると、この割合は3割程度まで下がります。3割を切っている住宅会社は、ほぼ赤字というのが当社の見方です。採用するとき、配置を決めるときは、必ずこの割合を意識しましょう。

3. 社員1人あたりの年間棟数

営業以外も含めた全社員1人あたりの棟数です。一条工務店は約3棟。注文住宅は人の数と棟数がほぼ連動する労働集約型のビジネスなので、社員1人あたり年間3棟を一つの目標にしてみてください。

拠点を増やす工夫:同じ総合展示場に複数出す

展示場を約30か所増やしたといっても、総合展示場そのものは全国的に減っています。一条工務店が取っているのは、同じ総合展示場の中に複数のモデルハウスを出すという戦略です。

普通に考えれば、1棟で年間30棟の拠点に2棟目を出しても50棟程度になりそうなものです。それを2棟で70棟ほどにできるのが一条工務店の強みです。総合展示場を訪れるお客様は、半日で2〜3社を回るのが一般的です。そのうち2社が自社なら、その分だけ接点が増えます。ポイントは、1棟目を見たお客様に「次はあちらへどうぞ」と案内するのではなく、営業が一緒に2棟目へ連れて行くことです。そうすれば他社に声をかけられることもなく、滞在時間が延び、次のアポイントにもつながりやすくなります。

複数出しても営業の数は減らさない

注意したいのは、同じ展示場に2棟出しても、それだけで集客数が大きく増えるわけではないことです。来場者は総合展示場の中での呼び込みだけでなく、Webマーケティング、SNS広告、住宅相談窓口、紹介などで名簿を集めて連れてくる拠点として使います。そのため、拠点を集約したからといって営業の数を減らしてはいけません。営業を厚く配置し、その人数で回せるだけの名簿を確保しにいく。この両輪がそろって初めて効果が出ます。

価格帯を広げる商品の使い方

一条工務店は、手の届きやすい価格帯の商品の比率を地方を中心に高め、集客だけでなく、その商品のまま契約まで進めるケースも増やしています。県内No.1をめざす戦略の一環です。

工務店がこれを参考にするときは、自社の立ち位置によって判断が変わります。すでに価格の安さで勝負している会社が同じことをしても、上積みは見込みにくいでしょう。一方、性能やデザインで地域に知られている会社が「手の届く商品」を出すと、既存ブランドの信頼を生かして新しい層を取り込める可能性があります。ブランド価値が下がる心配もありますが、価格帯を広げただけで崩れるブランドなら、そもそも本当のブランドとはいえないのかもしれません。

よくある質問

Q. 営業1人あたりの年間棟数はどれくらいが目安ですか?

A. 年間100棟以上の注文住宅会社では、おおむね5〜6棟に収れんします。新卒や若手も営業として人数に含め、設計を兼ねるかどうかなど業務範囲も踏まえて自社の数字を出してみましょう。

Q. 社員に占める営業の割合は何割を目指すべきですか?

A. 一条工務店は5割を超えていますが、これは大手でもごく一部です。分業を進めると3割程度まで下がりやすく、3割を切ると赤字の会社がほとんどです。採用や配置を決めるときの物差しとして、まず自社の現状を把握しましょう。

Q. 同じ総合展示場にモデルハウスを2棟出す効果はありますか?

A. お客様が回る2〜3社のうち2社を自社にでき、営業が2棟目へ一緒に案内すれば滞在時間も延びます。ただし集客そのものが大きく増えるわけではないため、Webや紹介などで名簿を確保し、営業の人数を減らさないことが前提です。

一条工務店対策・組織づくりのご相談はこちら

ピュアグロースには、一条工務店をはじめ大手ハウスメーカー出身の実務家が在籍しています。競合の数字の読み解きから、自社の人員計画や拠点戦略、競合対策まで支援していますので、お気軽にご相談ください。

You are up Next

クライアントの成果を見て
興味を持った方、
次はあなたの会社の番です。

無料相談してみる