「一条工務店の新商品が出たが、何が変わって、どう対策すればいいのか分からない」
「デザイン重視のお客様まで一条工務店に流れてしまわないか心配だ」
性能の高さで知られる一条工務店が、デザインに振った新商品「Naturia(ナチュリア)」を発表しました。本記事では、一条工務店で約10年営業として働き、係長・副店長を務めた当社コンサルタントの解説をもとに、Naturiaの特徴と一条工務店の狙い、そして地域の住宅会社が競合したときに押さえたい3つの対策を紹介します。
※本記事は動画公開時点(2026年5月)の公開情報と解説に基づくものです。商品仕様やキャンペーンの内容は変わる可能性があるため、最新情報は公式の発表をご確認ください。
Naturiaは、一条工務店の12番目の商品として発表された、北欧風デザインのモデルです。一条工務店といえば「性能は良いが、デザインはそれほどでもない」という印象を持つ方が多いでしょう。その苦手だったデザインを叶える商品といえます。
解説によると、ベースは中間グレードの商品「i-cube」です。断熱性能や全館床暖房、換気システムなどの標準仕様は変えずに、主に外壁と内装のデザインを変えています。
| これまでの主力商品 | Naturia |
|---|---|
| 外壁 | |
| タイル (メンテナンス負担が少ない) | 塗り壁調のサイディング (標準で8色から選べる) |
| デザイン | |
| シンプル・クールな イメージが中心 | 明るく温かみのある 北欧風 |
| 見た目の印象 | |
| 街で見てすぐに 一条工務店と分かる | ひと目では 一条工務店と分からない |
内装も北欧風に合わせ、これまで見られなかった色のキッチンや、アイアンの手すりなども選べるようになっています。
一条工務店の大きな強みは、タイル外壁によってメンテナンスコストを抑えられることでした。実際、「タイルだから一条工務店にする」というお客様は非常に多いといいます。Naturiaはそのタイルを手放し、デザインを優先した商品です。販売する営業担当者も戸惑っているのではないか、というのが解説したコンサルタントの見立てです。
一条工務店の営業時代にも、北欧風のような温かみのあるデザインを望むお客様は多くいました。しかし主力商品はシンプルに仕上げるモデルが中心で、会社全体で見ると、こうしたお客様を取りこぼしていたケースが多かったといいます。
デザインのイメージを「温かい/冷たい」「明るい/暗い」の2軸で分けると、Naturiaのモデルはすべて「明るく温かい」ゾーンに位置します。これまでの一条工務店は、どちらかといえばクールでダークなモデルハウスが多く、このゾーンが空白でした。つまりNaturiaは、これまで「一条工務店では無理だろう」と検討対象から外していたお客様を集客するための商品です。
一方で、実際の販売では、Naturiaで集客したお客様に「主力商品でもこのイメージに近づけられます」と提案し、主力商品へ移っていくケースが多いのではないかと見ています。Naturiaは集客のための「入り口」の役割が大きいと考えられます。

北欧風スタイルの鍵を握るのは、実は照明、カーテン、家具です。モデルの写真からこれらを取り除くと、驚くほどシンプルで味気ない空間になります。つまり、インテリアを提案できるかどうかで、仕上がりが大きく変わる商品なのです。
解説によると、一条工務店にはインテリアコーディネーターがおらず、インテリアは営業と設計のセンス頼みになりがちです。設計担当者もプランの作成が中心で、カーテンなどは提携業者に任せることが多く、結果として高額になるケースも見られます。インテリアコーディネーターがいる会社や、照明・カーテン・家具まで提案できる会社は、そこを明確に伝えることが勝ち筋になります。
新商品の発売にあわせて、棟数限定で内装材をサービスするキャンペーンも打ち出されています。こうした棟数限定のキャンペーンは過去にも行われてきましたが、全国で枠が埋まる可能性はそれほど高くないと見られます。Naturia自体が集客の入り口であれば、なおさらです。
お客様には、「限定なので急いで契約を」という言葉には注意が必要だと伝え、焦らずに比較検討できるよう寄り添いましょう。
Naturiaの外壁は塗り壁「調」のサイディングです。サイディングである以上、塗装やシーリングの定期的なメンテナンスが必要になります。「メンテナンスコストが少ない」というこれまでの一条工務店の強みは、この商品では弱くなります。外壁のメンテナンス計画と費用を含めたライフサイクルコストで比較してもらうことが大切です。
ただし、一条工務店側も、光熱費や住み心地といった性能面の強みを前面に出し、「デザインを選ぶならメンテナンスがかかることも承知のうえで」と提案してくるはずです。弱点を指摘するだけでなく、自社がデザインと性能、メンテナンスのバランスをどう考えているかを示せるよう準備しておきましょう。
性能重視だった一条工務店が、デザイン重視のお客様も取りに来るのは、戦略としてよく考えられた一手です。ただ、動画公開時点のNaturiaは、過度に恐れるべき商品ではないというのが当社の見立てです。むしろ、デザインやインテリア提案に強みを持つ住宅会社にとっては、その強みを改めて磨き、伝え方を見直す機会になります。
なお、新商品の発売直後は、販売する側の現場にもノウハウが行き渡っていないことがよくあります。競合の動きを正しく知り、自分で調べる力を持つ営業ほど、お客様からの信頼を得られます。一条工務店の強さの背景にある組織づくりについては「なぜ一条工務店の社員は自社を愛するのか」もご覧ください。
A. 解説によると、断熱などの標準仕様は中間グレードの商品をベースにほぼそのままで、外壁がタイルから塗り壁調のサイディングに変わり、北欧風のデザインになっている点が大きな違いです。外壁の色も標準で8色から選べます。
A. インテリアの提案力が大きな差別化ポイントです。北欧風の仕上がりは照明、カーテン、家具に左右されます。インテリアコーディネーターがいる、または照明や家具まで一貫して提案できる体制があれば、そこを具体的に伝えましょう。
A. サイディングは塗装やシーリングの定期的なメンテナンスが必要です。建物価格だけでなく、外壁のメンテナンス費用や光熱費を含めたライフサイクルコストで比較してもらうよう提案すると、お客様も納得して判断できます。
ピュアグロースでは、一条工務店をはじめ大手ハウスメーカー出身のコンサルタントが、競合対策の営業トークや商品戦略、インテリア提案の体制づくりまで支援しています。お気軽にご相談ください。