土地案内を1回で決める「トーナメント方式」|70点で決めさせない、土地決めの前提づくり

2026.10.27 2026.10.27
土地案内を1回で決める「トーナメント方式」|70点で決めさせない、土地決めの前提づくり 解説動画サムネイル

解説動画はこちら

「土地を何件案内しても、お客様がなかなか決めてくれない」
「いい土地さえ出てくれば決まるのに、と営業が待ちの姿勢になっている」

土地なしのお客様が多い住宅会社にとって、土地決めにかかる時間は受注のリードタイムを大きく左右します。本記事では、元一条工務店の店長で、売れない展示場を立て直してきた当社コンサルタントが、土地案内を1回で決めるための「トーナメント方式」と、その前提となるお客様との合意、案内前の準備を解説します。土地案内の基本的な流れではなく、「お客様が決断できない理由」をなくすことに焦点を当てた内容です。

土地決めに時間がかかる会社の共通点

支援先を見ていると、土地決めに時間がかかっている会社の営業には共通する言葉があります。

  • 「100点の土地はないので、70点なら買いどきですよ」
  • 「いい土地さえ出てくれば、絶対に決まるんですけどね」

「70点で決めましょう」は不動産業界でよく使われる言葉です。しかし、お客様にとっての70点と営業にとっての70点は一致しません。何を重視するかという物差しは人それぞれだからです。基準が曖昧なまま「今日決めてください」と言っても、お客様は決めようがありません。また、「いい土地が出れば」という姿勢は、決められない理由を土地のせいにしているだけです。

前提1:「100点の土地はない」ことに納得してもらう

まず、お客様に100点の条件をすべて聞いてみます。たとえば「駅に近い」「価格が安い」「広い」の3つがそろえば100点だとします。

  • 駅からの近さを最優先にすると:価格は高くなり、広さは小さくなる(減点が2つ)
  • 広さを最優先にすると:価格は高くなり、駅からは遠くなる(ここでも減点が出る)

条件同士がぶつかり合うことを一緒に確認すると、お客様は「100点の土地はない」ことに自分で納得できます。点数の基準を営業が押しつけるのではなく、お客様自身の言葉で整理することが大切です。

土地を「トーナメント」で比べて、最高得点の1つを残す

そのうえで、次の手順で土地を絞り込みます。

土地のトーナメント方式の手順:希望エリアの土地を漏れなく集め、〇△×に仕分け、〇の土地を1対1で比べて、最後に残った最高得点の土地で決める
  1. 希望エリアの土地を漏れなく集める
  2. プロの目線で〇・△・×に仕分ける
  3. 〇の土地(たとえば5つ)を順番に案内し、1対1で比べる:1つ目を基準にし、2つ目と比べてどちらが高得点かを決める。勝った土地を3つ目と比べる…と繰り返す
  4. 最後に残った土地が、そのエリアで最高得点の土地

希望エリアの土地をすべて比べたうえで残った1つなので、「この土地が買うべき土地です」と自信を持って伝えられます。お客様も、比較の過程をすべて見ているため納得して決断できます。

前提2:「待つ」という決断の意味を先に伝える

100点がないと分かっていても、「もっといい土地が出てくるかもしれない」と思うのがお客様の心理です。そこで、最高得点の土地で決められなかった場合に、どんな決断が必要になるかを案内の前に話しておきます。選択肢は4つです。

決断意味
1. 予算を上げる最高得点より良い土地は、
今より高い価格帯にしかない
2. 建物の予算を
土地に回す
総予算は変えずに、
土地の予算を増やす
3. エリアを広げる予算を変えられないなら、
土地価格の低いエリアも探す
4. 妥協点の残る
土地で検討する
希望エリアの△の土地から選ぶ。
ただし、ほぼ決まらない

4つ目を選んでも決めきれないことが多く、結局は1〜3のどれかを選ぶことになります。だからこそ「最高得点の土地で決める、という気持ちで案内に臨んでください」とお伝えしておくのです。

また、「待てば待つほど、いい土地が出てくる」と考える方もいますが、待っている間に価格が上がることもあります。待つという決断は、実質的に「予算を上げる」決断でもあるのです。

前提3:「いい土地ほど早くなくなる」理由を説明する

営業としては早く決めてほしいものですが、「急いで決めてください」と言えばお客様は逃げてしまいます。代わりに、急がなければならない理由を説明します。

希望エリアで最高得点がついた土地は、そのお客様にとってだけでなく、同じエリアで探している多くの人にとっても良い土地です。倍率が高いため、良い土地ほど早く売れていきます。つまり、良い土地を買っているのは早く決断できる人です。この話を前提として共有しておくと、お客様の土地案内への臨み方が変わります。

案内の前に準備する2つの資料

  • 案内する土地をマッピングした地図:5つの土地の位置関係がひと目で分かるようにする
  • 土地の比較表:価格、幼稚園・小学校・中学校、スーパーやコンビニの位置、ご夫婦それぞれの通勤時間などを並べる

比較表は文字を色分けします。お客様の要望に合うものは青、合わないものは赤、どちらでもないものは黒。こうすると青字の多い土地が高得点だと自然に見て取れ、お客様もその土地に高い点をつけていきます。

土地比較表の色分けルール:要望に合うものは青、合わないものは赤、どちらでもないものは黒で書くと、青字の多い土地が高得点だとひと目で分かる

若手でも1回の案内で決まるようになる

この方法で、当社コンサルタント自身はほぼすべての土地案内を1回で決めてきました。店長時代には、売れていなかった営業もこの方法を取り入れたことで、土地案内の約9割が1回で決まり、残りも2回目で決まるようになったと言います。

大切なのは、比較表だけをつくって「とりあえず案内すれば決まる」と考えないことです。中途半端が一番よくありません。前提の話から準備までやり切った営業から決定率が上がり、契約という結果が「これをやれば決まる」という自信につながっていきます。店長はコーチとして、部下がやり切れているかを確認します。

御用聞きではなく、導く営業に

お客様の要望に応えようとするあまり、言うべきことを遠慮して言わない営業は、お客様を迷わせてしまいます。リードタイムが長引けば、それだけ失注のリスクも高まります。プロとして自信を持ってアドバイスし、お客様を導くリーダーになることが大切です。これは今売れている営業にとっても同じで、徹底力を身につければ取りこぼしが減り、受注はさらに伸びます。

まとめ:土地決めは「決断の基準」を先につくる

  1. 「70点で決めましょう」では基準が曖昧。お客様の物差しで整理する
  2. 条件同士がぶつかることを確認し、100点の土地はないと納得してもらう
  3. 希望エリアの土地を集めて仕分け、トーナメントで最高得点の1つを残す
  4. 決められなかったときの4つの決断と、待つことの意味を先に伝える
  5. 地図と色分けした比較表を用意し、前提の話から準備までやり切る

よくある質問

Q. 土地の「トーナメント方式」とは何ですか?

A. 希望エリアの土地を漏れなく集めて〇・△・×に仕分け、〇の土地を1対1で順番に比べていく方法です。最後に残った土地がそのエリアで最高得点の土地になるため、お客様も納得して決断できます。

Q. 「もっといい土地が出るかも」と迷うお客様にはどう伝えればよいですか?

A. 案内の前に、決められなかった場合の選択肢(予算を上げる、建物の予算を土地に回す、エリアを広げる、妥協点の残る土地で検討する)を伝えておきます。待つことは実質的に予算を上げる決断であることも共有しましょう。

Q. 土地案内の比較表には何を載せればよいですか?

A. 価格、学校や保育施設の位置、スーパーやコンビニの位置、ご夫婦の通勤時間などです。要望に合うものは青、合わないものは赤、どちらでもないものは黒と色分けすると、どの土地が高得点かがひと目で分かります。

土地決め・営業力強化のご相談はこちら

ピュアグロースでは、大手ハウスメーカーで店長を務めたコンサルタントが、案件会議を通じて土地決めや商談の課題を抽出し、解決までの道筋を一緒に描きます。お気軽にご相談ください。

You are up Next

クライアントの成果を見て
興味を持った方、
次はあなたの会社の番です。

無料相談してみる