「良い土地を案内したのに、お客様の反応が薄いまま終わってしまう」
「現地では気に入っていたのに、持ち帰ったら迷いが出て決まらない」
土地なしのお客様の商談では、土地案内の当日に買付申込までたどり着けるかが受注を大きく左右します。本記事では、元一条工務店の営業で、土地のない都市部でも成果を上げてきた当社コンサルタントの解説をもとに、案内当日の進め方と、4つの土地を「どの順番で見せるか」で感情の山をつくり、買付申込につなげる方法を紹介します。案内前のデータ準備については即日買付をもらうための土地案内テクニック、土地を1対1で比べて絞り込む考え方は土地案内を1回で決める「トーナメント方式」をご覧ください。
土地案内の当日は、いきなり現地に向かうのではなく、次の順番で進めます。

最初に、今日は土地を見学し、良い土地があれば買付申込をする可能性があると改めて伝えます。ゴールが共有されていないと、お客様は「見て楽しかった」で終わってしまいます。ゴールを知っているからこそ、より深い目線で土地を見てもらえるのです。
ここで大切なのは、買付申込と契約の違いを説明することです。「今日契約を迫られるのでは」と不安に感じているお客様は少なくありません。買付は契約ではないと理解してもらい、お客様がほっとした表情を見せ、今日のゴールに合意できたかを確認しましょう。
前回のヒアリングから案内までは、1〜2週間空いていることが一般的です。そこで、整理したマトリックスを使って「駐車場は2台必要でしたよね」「総額はこの範囲がマストでしたよね」「幹線道路沿いはNGでしたよね」と条件を確認し直します。
お客様が前回話した内容をもとに案内していると伝えることで、押し売りではないことが伝わります。すべてのマスト条件を満たす土地がない場合でも、少なくともどれかのマスト条件を満たす土地は用意しておきましょう。
ここまでは論理的に条件を整理してきましたが、最後に土地を決めるのはお客様の「この土地がいい」という感情です。改めて100点の土地は存在しないことを伝え、「70点くらいでも、ここいいなと思ったら一度買付を入れましょう」と、案内の前に話しておきます。買付のメリットも、このタイミングで再確認しておきましょう。
案内する土地は4つ用意します。現地に向かう前に、机上で配置図・プラン・資金計画とあわせて4つの土地を確認してもらうのが理想です。そのうえで、次の順番で現地を案内します。
| 案内の順番 | 見せる土地と狙い |
|---|---|
| 1番目 | 2番目に良い土地 条件に近く、価格などが少し外れる。 ウォーミングアップ |
| 2番目 | 4番目の土地 価格は安いが道路が狭いなど難点がある。 比較の基準をつくる |
| 3番目 | 本命の土地 マスト条件をすべて満たす。 感情のピークをつくる |
| 4番目 | 3番目の土地 駅に近いが形状が悪いなど。 本命のバランスの良さを際立たせる |
| 最後 | 本命の土地にもう一度戻る 暮らしのイメージで確信に変える |
心理的には、一番良くない土地を最初に見せた方が、次の土地が良く見えそうです。しかし、明らかに条件から外れた土地を最初に見せると、お客様は「この営業さん、私たちの要望を分かっていない」と感じてしまいます。だから最初は、条件に近い2番手の土地から見せるのです。
2番目に難点のある土地を見せると、「この土地はちょっと違うかも」と、お客様の気持ちがいったん下がります。そこで本命の土地を案内すると、2番手と本命の差よりも大きな差を感じ、強く印象に残ります。続けて別の難点がある土地を見せれば、本命のバランスの良さがさらに際立ちます。
もちろん、案内するのはどれもお客様の条件に沿って選んだ実在の候補地です。それぞれの長所と短所を正直に伝え、「なぜこの土地は難しいのか」をお客様自身の言葉で言語化してもらうことで、本命の価値を判断する基準ができあがります。
4つ見終わると、多くのお客様は「本命が良かった」、あるいは「最初の土地も良かった」と感じています。ここで話を終わらせず、本命の土地にもう一度戻ります。「ここにキッチンが入ります」「ここがお庭になります」と、土地の上で暮らしをイメージしてもらうことで、「いいな」が「ここにしたい」という確信に変わります。

どんなに良い土地を紹介しても、お客様の気持ちがずっと一定のままでは感動は生まれません。気持ちの波を意識して案内を組み立てましょう。
最近は、土地の見学をお客様だけで行ってもらう営業も増えています。しかし、お客様が直接不動産会社とやり取りすると、建売住宅や中古住宅など別の選択肢を勧められ、検討の軸がぶれてしまうことがあります。よほど信頼できる不動産会社でない限り、土地案内には営業がしっかり同行するのがおすすめです。忙しい場合でも、部下に同行してもらうなどの工夫をしましょう。
良い土地があれば、「この土地で買付を入れましょう。停止条件を付けることもできるのでご安心ください」と伝えます。準備段階から買付の意味を説明していれば、お客様が抵抗を感じることはほとんどありません。
A. 本記事で紹介した方法では4件を用意します。本命、2番手、難点のある土地2件を組み合わせることで、比較を通じて本命の価値を感じてもらいやすくなります。現地に行く前に、配置図や資金計画とあわせて机上で確認してもらうのが理想です。
A. 最初に条件から大きく外れた土地を見せると、「要望を理解していない営業だ」と思われてしまうリスクがあります。最初は条件に近い2番手の土地から見せ、その後に難点のある土地、本命という順番で感情の山をつくるのがおすすめです。
A. 案内の前に、買付は契約ではないこと、停止条件を付けられることなど、お客様にとってのメリットを説明しておけば、抵抗感は大きく減ります。「今日のゴールは買付」と最初に合意しておくことがポイントです。
ピュアグロースでは、ハウスメーカーの営業出身のコンサルタントが、初回ヒアリングから土地案内、買付のクロージングまで、土地なしのお客様の商談を細かいポイントまで支援しています。土地決めに時間がかかっているとお悩みの方は、お気軽にご相談ください。