20年連続で岩手県No.1の住宅会社に学ぶ人材育成|社長は店長を本社に呼ばず、自ら店舗へ出向く

2026.10.27 2026.10.27
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「店舗が増えるほど、店長や現場の状況が見えなくなってきた」
「一度は地域1番になれても、勝ち続ける組織をどうつくればいいか分からない」

複数の店舗を展開する住宅会社にとって、店長との関係づくりと、勝ち続ける組織の維持は大きなテーマです。岩手県の住宅会社シリウスは、20年連続で岩手県No.1の実績を積み重ねてきました(※動画内の発言に基づきます)。本記事では、同社で役員・代表取締役として組織を率い、現在はピュアグロースの顧問を務める経営者との対談から、20年勝ち続けた会社の人材育成と、店長とのコミュニケーションの考え方を解説します。

経営者として一番大事にしていたのは「コミュニケーション」

経営者として何を一番大切にしていたかと尋ねると、答えは明快でした。コミュニケーションです。

  • すべての店長と月3回、1時間以上話す:対面は月1〜2回でも、すぐに電話やLINEができ、問題があればすぐ駆けつけられる関係をつくる
  • 月1回は必ず店舗に顔を出す:店長だけでなく、営業、アシスタント、設計など全員の顔色を見ながら、満遍なく言葉を交わす
  • 本社に呼ばず、自分が出向く:店長や社員の時間は貴重。社長が足を運び、事務所の環境や整理整頓の状態にも触れながら話をする

店舗数が最大10店舗あった時期も、このやり方を続けていました。移動距離は年間数万kmに及んだといいます。役員時代から続けていたことを、社長になっても変えなかったのです。

20年連続No.1の会社の店長コミュニケーション:全店長と月3回1時間以上話す、月1回は必ず店舗に顔を出す、本社に呼ばず社長が出向く

店長の権限が大きいほど、悩みも大きい

同社は店舗ごとの独立性が高く、店長の権限が非常に大きい組織でした。権限が大きいということは、それだけ店長の悩みも多いということです。だからこそ、店長の悩みに素早くアドバイスすること、そして社員のモチベーションを上げ続けることを社長の役割と位置づけていました。会社は社員あってこそ、という考え方です。

多くの経営者を見てきた立場からすると、こうした動きを実践できている社長は多くありません。店長を本社に呼びつけるのではなく、自分の時間を使って現場に出向く。そこに、勝ち続ける会社との差があります。

連覇の最大の壁は「数字を追いすぎること」

1番になるまでのモチベーションは比較的つくりやすいものです。難しいのは、勝ち続けることです。初めて1番になってから3連覇、4連覇、5連覇あたりまでが最も大変だったといいます。

時期組織の状態
連覇の初期数字への意識が先行して空回り。
受注を取りにいくあまり
粗利が取れなくなる
立て直し本来あるべき姿に戻しながら
成果を上げる
15連覇以降年間計画でやるべきことを
やれば勝てる組織に

勝つことが当たり前の文化になるまでには時間がかかります。その土台になったのが、オーナーのリーダーシップと、それに伴走する社員一人ひとりの受注に対するマインドの高さでした。

教育の大半は「人間力」に費やす

同社のオーナーは、細かいスキルは後回しにしてでも、まず人としてどうなのかという人間力の教育に大半の時間を費やしていました。その結果、社員一人ひとりが「自分たちは何をやらなければいけないのか」を理解し、自ら動く組織になっていったといいます。

もちろん、住宅営業として必要なノウハウやスキルの教育も並行して行います。ただし、もともと備わっている人間力がマイナスに振れていると、いくら専門性を注入しても、お客様の役に立とうとする営業には育たない。だからこそ、教育の軸は人間力に置いていました。

人間力がマイナスだと専門性を注入しても伸びない:教育の軸は人間力に置き、スキル教育は並行して行う

社員を見ているというメッセージを伝える

この姿勢は、顧問としてピュアグロースに関わる現在も変わりません。直接接する機会が少ない若手社員の日報や、課題として提出している新聞記事のレポートにもすべて目を通し、「成長したね」「いい文章を書いているね」と声をかけています。上の立場の人が細かいところまで見てくれていると分かると、社員は大きな励みになります。

一方で、効率化のためにリモートでのやり取りが増えている今だからこそ、社員同士の交流や、取引先と対面で話す機会を意識的に増やすべきだとも指摘します。オーナーの悩みだけでなく、店長レベルの悩みをもっと吸い上げることが、組織を強くするからです。

自社で実践するためのチェックポイント

  • すべての店長と、月に何回・何時間話しているか
  • 店長を本社に呼ぶのではなく、社長が店舗に足を運んでいるか
  • 店長以外の社員(アシスタント・設計など)とも言葉を交わしているか
  • 受注を追うあまり、粗利や本来のやり方が崩れていないか
  • スキル教育だけでなく、人間力の教育に時間を使っているか

人間力を軸にした幹部・リーダーの育て方については、伸びる会社は幹部を「分身」として育てるもあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 店長とのコミュニケーションはどのくらいの頻度が理想ですか?

A. 20年連続で地域No.1を続けた会社では、すべての店長と月3回・1時間以上話し、月1回は必ず店舗を訪問していました。対面の回数が限られても、電話やLINEですぐ相談できる関係をつくることが大切です。

Q. 地域No.1を維持するうえで一番難しいことは何ですか?

A. 数字への意識が先行しすぎることです。受注を取りにいくあまり粗利が取れなくなるなど、本来のやり方が崩れやすくなります。あるべき姿に立ち返り、年間計画でやるべきことをやり切る組織にすることが重要です。

Q. スキル教育と人間力の教育はどちらを優先すべきですか?

A. 両方を並行して行いますが、軸は人間力です。人間力がマイナスに振れていると、専門性を身につけてもお客様の役に立とうとする営業には育ちにくいためです。

組織づくりのご相談はピュアグロースへ

ピュアグロースでは、地域No.1の住宅会社で経営を担ってきた顧問をはじめ、実務経験豊富なメンバーが、店舗マネジメントや人材育成、組織づくりを支援しています。

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