「合同説明会に出展しても、ブースに学生がほとんど来ない」
「人材紹介会社と契約したのに、いい人が紹介されない」
住宅会社の採用は、説明会や媒体に「出して待つ」だけでは成り立たなくなっています。本記事では、当社代表が久しぶりに参加した新卒向け合同説明会の現場で感じたことをもとに、待ちの採用から攻めの採用に切り替えるための「自社発信」の考え方と、新卒・中途それぞれで押さえるべきチャネル、そして最初に取り組むべき「採用予算の設計」を解説します。合同説明会の選び方や当日の準備については、合同説明会で新卒を採る住宅会社の準備もあわせてご覧ください。
※本記事は2025年10月時点の解説に基づきます。
2025年10月、東京で開かれた建築系学生向けの合同説明会に当社も出展しました。出展企業は28社。それに対して、会場に来ていた学生はおよそ50人でした。会場はかなり空いていて、主催者が想定していた規模には遠く及ばない様子でした。
地方でも状況は同じです。学生の数は減り、企業が20〜30社出ているのに学生は50〜100人程度という説明会は珍しくありません。しかも多くの学生は、この時期にはすでに「金融に行きたい」「食品メーカーに行きたい」と志望業界を絞り込んでいます。たまたま説明会で出会った学生を口説いて採用するのは、かなりの難題なのです。
資格を持つ建築系の学生は、住宅会社にとって魅力的な人材です。しかし建築学生の多くは、文系学生が「まず銀行を受ける」のと同じように、まず大手ゼネコンを受けるという動き方をしています。普通の採用活動だけでは、大手に届かなかった学生に出会うのが中心になってしまいます。「ゼネコンでなくても面白いことができる会社だ」と伝える発信がなければ、建築学生の採用は難しいでしょう。
説明会や媒体で学生が来るのを待つのではなく、自社から情報を発信し、それをキャッチして興味を持ってくれた人を採用する。これからの採用では、この「攻めの採用」への切り替えが欠かせません。

「採用ホームページをどうつくればいいか」という相談はとても多いのですが、そもそも採用ホームページを見に来る人の数は多くありません。立派なページにお金をかける前に、どうやって人を採用ページに呼び込むかを考えるべきです。
そのために有効なのが、SNS広告やYouTube、学生であればTikTokなど、幅広く表示される手段で認知を取ることです。ときには少し面白い動画も含めて、まず会社を知ってもらう接点を増やしましょう。
説明会で学生に聞いても、会社探しには大手の就職サイトを毎日使っているという答えが返ってきます。東京でも地方でも、就職サイトは押さえざるを得ません。
ただ、就職サイトに載せられる情報は限られています。エントリーしてくれた学生を惹きつけるには、採用ホームページやSNS、動画で、就職サイトでは見えない会社の内側を透明性高く伝えることが重要です。就職サイトを入り口に、自社のメディアで関係を深めていく流れをつくりましょう。
建築学生を採りたいなら、大学訪問は欠かせません。ただし、キャリアセンターに挨拶に行くだけでは不十分です。建築学科の教授とつながり、研究室で授業や寄付講座を行う、自社に入社したOB・OGに出身研究室とのつながりをつくってもらうなど、学生を直接送り込みたいと思ってもらえる関係をつくることが大切です。
なお、建築学生の絶対数が少ない地方や、大型の建設に学生が流れやすい都市部では、住宅会社が建築学生を採るハードルは高いのが実情です。住まい手とつくり手の発想を形にするような、ものづくりの魅力が伝わる商品や取り組みがあるかどうかも問われます。
中途採用では、業界経験者を採りたいという会社が多数派です。経験者採用を中心に考えると、次の4つのチャネルを順番に押さえていくのが基本です。
| チャネル | ポイント |
|---|---|
| 1. 人材紹介・ ヘッドハント | 経験者採用の中心。 給与体系の整備が前提 |
| 2. 求人媒体 | 未経験者も含めて 幅広く募集する |
| 3. スカウト媒体 | 社長自らスカウトを送るなど 攻めで候補者を確保する |
| 4. リファラル | 入社した人材から 次の人材を紹介してもらう |
フェーズによって重要になる手段は変わりますが、まず1〜3で人材を確保し、入社した人からリファラルで紹介をもらう、という順番で整えていきましょう。経験者を採るためには、他社と比べて見劣りしない給与体系を整えたうえで募集することも欠かせません。
何から手をつければいいか迷ったら、まずは採用予算を決めることです。実は、採用予算をきちんと決めていない会社が非常に多いのです。
広告費であれば、出せば消化されます。しかし採用費は人材紹介の成功報酬型であることが多く、予算を使えていない=採れていないということになります。「とりあえず紹介会社と契約した」だけで、どの媒体・どの紹介会社から何人採るのか、そのために何人と面談する必要があるのかを決めている会社はほとんどありません。

紹介会社やヘッドハンティング会社も人です。こちらがどれだけ熱意を伝えるかで、紹介される人材は変わります。営業や販促と同じく、採用もマーケティングだと捉えて、費用対効果の良いところに投資していく考え方が必要です。
紹介会社に強い会社かどうかを分けるのは、結局のところ社長が直接現場に出て、自社の魅力を語り、口説いているかどうかです。採用を担当者任せにしている会社では、いい人材は採れません。当社の支援先でも、伸びている成長企業のほとんどは社長が採用の矢面に立っています。
A. 出展そのものを否定するわけではありません。ただし、説明会だけに頼るのは危険です。事前の自社発信で認知を取り、説明会では「すでに興味を持っている学生」と会えるようにするなど、発信とセットで活用しましょう。
A. 作り込む前に、採用ページにどうやって人を呼び込むかを考えましょう。SNS広告や動画で認知を取り、流入が生まれてから、就職サイトでは伝わらない会社の内側を伝えるページとして充実させていくのが効率的です。
A. 採用目標人数を、人材紹介、求人媒体、スカウト媒体、リファラルなどのチャネル別に割り振り、それぞれ何人と面談すれば何人採れるのかを過去の実績から逆算します。成功報酬型の費用は「使えていない=採れていない」ことを意味するので、進捗を定期的に確認しましょう。
ピュアグロースでは、採用予算の設計から、SNS・動画を使った採用発信、スカウト運用、面接での惹きつけまで、住宅会社の採用を一貫して支援しています。採用が思うように進まないとお悩みの方は、お気軽にご相談ください。