「おしゃれなモデルハウスを建てたのに、思ったほど受注につながらない」
「新しい展示場を出せば売れると思っていたが、集客しても契約が増えない」
デザイン性の高いモデルハウスを持っているのに売れていない会社がある一方で、「なぜこのモデルハウスで売れるのか」と不思議に思う会社もあります。その差は、営業が案内したときに受注につながるように設計されているかどうかです。本記事では、アイ工務店でトップ営業として自らモデルハウスの図面も描いてきた当社コンサルタントの解説をもとに、営業目線で「売れるモデルハウス」をつくる3つのポイントを紹介します。モデルハウスそのものの売却についてはモデルハウスを早く売る方法をご覧ください。
モデルハウスを見ただけで「このまま建てたい」と決めるお客様は、多くても1〜2割程度です。大半のお客様は、「あそこのモデルハウスのあれが良かった」「これも良かった」というポイントをいくつ持ち帰れたかで、会社を採点しています。
つまりモデルハウスは、設計士の作品を見せる場ではありません。お客様に「えっ、そうなんですか」と思わせるポイントをどれだけ配置できるか。そして営業がそのポイントで会話を生み、「この会社から買いたい」と思ってもらえるか。それがモデルハウスの役割です。

モデルハウスはリビングを広くつくりがちです。30畳を超えるリビングを用意する会社もあります。しかし、広いリビングが広く見えるのは当たり前で、お客様の期待を超えることはできません。
お客様は素敵なリビングを見ると、たいてい「ここは何畳ですか」と聞いてきます。このとき「何畳くらいに見えますか」と聞き返し、「30畳くらいですか」に対して「実は17畳なんです」と答えられれば、お客様は驚きます。そこから「広く見えるのには理由があって」と、設計の工夫を説明できるのです。
当社が支援先とつくったモデルハウスでは、次のような工夫で実際の畳数以上の広さを感じられるようにしています。
「25畳です」と言われるより、「17畳なのにこれだけ広く感じる」と知る方が、お客様は「この会社なら良い設計をしてくれそうだ」と感じます。広く見せる工夫は、お客様の家づくりにもそのまま生かせる提案力の証明になるのです。
お客様に刺さるポイントは人によってまったく違います。高級なキッチン天板が決め手になる人もいれば、コンセントやスイッチのプレートが四角いおしゃれなデザインになるだけで喜ぶ人もいます。実際に、スイッチプレートのグレードアップが決め手の一つになって契約に至った例もあります。プレートの変更は1か所あたりの原価がわずかで、家全体でも大きな金額にはなりません。
このように、「これ、実は標準なんです」「これは意外と安いんです」と言える素材や仕様を、モデルハウスのあちこちに散りばめておきましょう。
2つ目は、今お客様の間で流行っているものを取り入れることです。新商品や新しい仕様というより、SNSで話題になっているもの、お客様から営業がよく聞かれるものをイメージしてください。
お客様が「そうそう、これがやりたかったの」と反応したときに、営業が共感して「うちでできますよ」と応えられる。この会話が生まれることが大切です。何が流行っているかは、InstagramやYouTubeで紹介されているアイテムを見たり、営業担当にお客様からよく聞かれる仕様をアンケートで集めたりすると把握できます。社長自身が現場の流行を知っておくことも欠かせません。
細かな納まりは、営業が説明しやすいポイントでもあります。「この窓枠、枠が見えないのですっきりして見えませんか」と、実物を指さしながら他社との違いを伝えられます。
3つ目は、競合と被らない独自のポイントを入れることです。お金をかければおしゃれなモデルハウスはつくれますが、他社と似たようなモデルハウスでは差別化になりません。普通の家しかなければ、営業力だけで差をつけるしかなくなります。
総合展示場に出展するなら、同じ展示場に入っている競合のモデルハウスの平面図をすべて分析し、違う図面を描く。ロードサイドの展示場なら、半径2〜3kmの商圏にある競合のモデルハウスを分析し、そこにない要素を取り入れる。ここまでやり切っている会社は多くありません。
なお、「これをやっているのは当社だけです」と伝える場合は、事実として言える範囲にとどめましょう。
設計士に任せると、どうしても「自分がプレゼンしたいおしゃれな家」になりがちです。売れるモデルハウスをつくるには、営業の視点で「どこで驚いてもらい、どこで何を話すか」を図面の段階から設計士とすり合わせることが必要です。
「新しい展示場を出せば売れる」のではなく、「売れる展示場を出す」。そこまで責任を持つのは経営層・マネジメント層の役割です。もちろん、現場の営業の声を反映させることも欠かせません。今まさにモデルハウスを計画している会社は、一度手を止めて、本日の3つのポイントが満たされているかを見直してみてください。

A. 広いリビングが広く見えるのは当たり前で、お客様の驚きにはつながりにくくなります。むしろ現実的な畳数でも広く感じられる工夫を見せた方が、「この会社なら自分の家も良くしてくれそう」と思ってもらえます。お客様の実際の家づくりに近いサイズであることもメリットです。
A. InstagramやYouTubeで紹介されている住宅設備・内装のアイテムをチェックするほか、営業担当にお客様からよく聞かれる仕様をアンケートで集めるのがおすすめです。社長自身も現場で何が求められているかを把握しておきましょう。
A. 同じ総合展示場や周辺商圏にある競合のモデルハウスを分析し、そこにない要素を選びます。ガレージやサウナ、中2階、屋上活用、照明計画など、自社のターゲットが憧れる暮らしと結びつくものを選ぶのがポイントです。
ピュアグロースでは、営業と設計の両方の視点から、受注につながるモデルハウスの企画・図面チェックを支援しています。新しいモデルハウスを計画中の方、今のモデルハウスで成果が出ていない方は、お気軽にご相談ください。