飯田グループ2026年3月期第1四半期決算から読む戦略|工務店が学べる4つのポイント

2026.10.27 2026.10.27
飯田グループ2026年3月期第1四半期決算から読む戦略|工務店が学べる4つのポイント 解説動画サムネイル

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「資材も土地も上がり続ける中で、棟数を追うべきか、利益を守るべきか」
「新築一本足の経営から抜け出したいが、何を第2の柱にすればいいか分からない」

戸建分譲で国内最大手の飯田グループホールディングスは、分譲住宅の「市場をつくってきた」会社です。本記事では、同社が2025年8月8日に発表した2026年3月期 第1四半期決算を、住宅会社のコンサルティングを行う立場から読み解きます(動画の収録は2025年8月12日)。投資家向けの評価ではなく、地域の住宅会社・工務店が自社の経営に生かせるポイントに絞って整理しました。

※数値は動画内の解説(一部は推計)に基づく概算です。正確な値は飯田グループホールディングス株式会社の公表資料をご確認ください。

第1四半期決算のポイント:棟数は減っても利益率は改善

項目決算から読み取れること
全社業績売上収益は約3,260億円で前年同期を下回る。
営業利益は約141億円
戸建分譲の
売上総利益率
16.0%(前年同期比で約2.3ポイント改善)
戸建分譲の
販売棟数・平均価格
棟数は前年同期より約590棟減。
平均価格は約3,216万円(約116万円上昇)
未契約在庫2025年6月末で約2万2,400棟。
前年同期より約4%少ない
リフォーム(OB向け)四半期で約47億円。
年換算で約190億円のペース
販管費・株主還元大阪・関西万博の出展費用を計上しつつ、
記念配当を実施

同社の売上の9割近くは戸建分譲です。販売棟数は減りましたが、販売価格の引き上げと原価の抑制が進み、粗利率は大きく改善しました。平均価格の上昇幅は、高価格帯へ舵を切ったというより、建物の原価上昇分をそのまま価格に反映した結果と見られます。分譲会社は第4四半期に在庫の損切りを進めることが多いため、期初に粗利率が上がるのは自然な面もありますが、インフレ下で値上げを通している点は注目に値します。

決算から見える3つの動き

1. 在庫と売上は連動する。だから「回転」が問われる

分譲事業では、在庫の数と売上高はほぼ連動します。未契約在庫が前年同期より減っていることは、売上が減ったこととほぼ同じ動きです。一方で同社は、利益率を高めながら在庫の回転を上げて収益性を高める方針を示しています。年2回転を目標に掲げていますが、ここ数年は届いていなかったため、今後の回転率は見るべきポイントです。仕掛かり中の在庫や有利子負債の増加も、販売計画との連動を注視したいところです。

2. 分譲依存を下げ、ストック型事業を伸ばす

同社は2024年10月の統合報告書で、2030年に向けて戸建分譲の売上比率(現状80%台半ば)を下げ、他の事業を伸ばす方針を示しています。軸になるのが、引き渡し済みの住宅へのメンテナンス・リフォームといったストック型事業です。

OB向けリフォームの売上は、おおむね「ストック件数×1棟あたり年5万〜7万円」が目安になります。同社は築11年以上のストックだけで約30万棟を抱えており、この考え方で計算すると150億〜210億円規模。年換算約190億円というペースは、潜在市場をしっかり取りに行けていることを示しています。ほかにも、戸建賃貸や商業ビルなどの賃貸事業、インドネシアやフィリピンなどの海外事業を伸ばす方針です。

3. 他社が仕入れを絞る中で、分譲シェアを高める

同社の販売棟数は減っていますが、分譲市場全体ではもっと大きく減らしている会社が多くあります。決算資料で示された地域別のシェアは全国で上昇しており、全国で3割を超え、東北では7割前後に達しているとの解説でした。他社が仕入れを控える中で積極的に買い進めている結果です。家づくりに時間をかけたくない若い世代も増え、「注文住宅でなく分譲で十分」という層は確実に厚くなっています。シェアが高まれば価格の決定権も握りやすくなります。

飯田グループの決算から地域の住宅会社が学べる4つのポイント:棟数より単価と利益率、販促投資を認知とブランドに変える、在庫と販売計画をセットで管理、第2の柱は主力より利益率が高い事業を選ぶ

地域の住宅会社が学べる4つのポイント

1. インフレ下では「棟数」より「単価と利益率」

最大手でさえ、棟数を減らしながら値上げと原価抑制で粗利率を改善させています。原価が上がり続ける局面で、値上げをためらって棟数だけを追えば、利益は削られていきます。価格戦略を時流に合わせることが重要です。

2. 販促投資は「認知」と「ブランド」に変える

同社は万博への共同出展を広告宣伝費として位置づけ、全国での認知やブランドづくりに生かしています。規模は違っても、地域の大型イベントへの出展や協賛を「単なる経費」で終わらせず、集客やブランドにどうつなげるかを設計することは参考になります。

3. 分譲は在庫と販売計画をセットで管理する

分譲事業は在庫を持たなければ売上が伸びませんが、在庫が回らなければ資金が寝てしまいます。仕入れの量と販売計画を連動させ、回転率を定点観測することが欠かせません。

4. 第2の柱は「主力より利益率が高い事業」を選ぶ

新築一本足からの脱却は、多くの住宅会社に共通する課題です。そのとき大切なのは、主力事業よりも収益性の高い事業を伸ばすことです。利益率の低い事業を増やしても、会社全体の収益力は上がりません。OB向けのメンテナンス・リフォームは、引き渡した住宅のストックがある会社ほど取り組みやすく、利益率も確保しやすい事業です。詳しくは大手ハウスメーカー5社のOBリフォームを徹底比較もご覧ください。

よくある質問

Q. 飯田グループの2026年3月期第1四半期決算のポイントは何ですか?

A. 動画内の解説では、戸建分譲の販売棟数は減ったものの、値上げと原価抑制で売上総利益率が16.0%に改善しました。万博出展の費用を吸収しながら記念配当も実施しています。OB向けリフォームも年換算約190億円のペースで伸びています。正確な数値は同社の公表資料をご確認ください。

Q. OBリフォームの売上規模はどう見積もればよいですか?

A. 目安は「引き渡し済みのストック件数×1棟あたり年5万〜7万円」です。自社のOB件数を掛け合わせると、どれくらいの売上が見込めるかの目安になります。

Q. 新築以外の事業を始めるとき、何を基準に選べばよいですか?

A. 主力の新築事業よりも利益率が高い事業を選ぶことが基本です。自社の強みや既存のお客様(ストック)を生かせるか、という観点もあわせて検討しましょう。

経営戦略のご相談はピュアグロースへ

ピュアグロースでは、大手の決算や市場動向を踏まえた中期経営計画の策定、分譲事業やリフォーム事業の立ち上げ、収益構造の見直しまで、住宅会社・工務店の経営を支援しています。お気軽にご相談ください。

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