業績が上がる経営計画の立て方|「3年で2倍」の目標と、優秀な人材を惹きつける計画書のポイント

2026.10.27 2026.10.27
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「経営計画は毎年作っているが、社員に伝わらず絵に描いた餅になっている」
「前年の延長線で数字を置くだけで、会社が大きく変わる気がしない」

住宅会社・工務店の経営者様から、経営計画についてこうした悩みをよく伺います。ピュアグロースでは年2回、経営者と幹部が2泊3日で中期経営計画を作り上げる「経営計画合宿」を開催しています。今回は約45名の経営者・幹部が参加し、当社コンサルタントもほぼ同数でサポートしました。本記事では、合宿の講座や参加者の声から、業績が上がる経営計画を立てるためのポイントを解説します。自社で計画を作るときのチェックリストとしてもご活用ください。

経営計画で一番大切なのは「社長のスイッチ」が入ること

経営計画づくりで最も重要なのは、作り方の技術よりも社長自身が「本気でやる」とスイッチが入ることです。高い目標を掲げても、社員から「なぜそんなに伸ばす必要があるのか」と問われたときに社長が揺らいでしまえば、計画は実行されません。目標の数字と一緒に「なぜやるのか」を言葉にしておくことが欠かせません。

スイッチが入るきっかけは人それぞれです。「あの会社のようになりたい」という前向きな動機の人もいれば、実は多いのが「あの社長にできるなら自分にもできるはず」「負けたくない」という気持ちです。いまは大きく見える会社も、5年前、10年前は自社と同じ規模だった。他社の計画と成長の過程を知ることが、強いきっかけになります。

目標は「3年で何かの数字を2倍」にする

合宿では、3年で何かしらの数字を2倍にする計画を作ってもらいます。売上でも、営業利益でも、自己資本でも、社員数でも構いません。3年で2倍という数字は、今の人員や店舗の延長線上には見えません。新たな採用、出店、新規事業など、大きく踏み込んだ投資をしなければ達成できないからこそ、計画の発想そのものが変わります。

業績が上がる経営計画の3つのポイント:3年で何かの数字を2倍にする、なぜやるのかを言葉にする、施策まで落とし込み発表の場を決める

ただし、目指すのは「膨張」ではなく「強い会社」です。棟数や売上を追うだけでなく、利益や純資産といった企業価値を高めることが前提になります。そのために、事業別の損益をきちんと出すルールを決めること、既存事業をどこまで伸ばせるか、新規事業をどのタイミングで何をやるかという選択と集中を計画のなかで考えることが大切です。

計画は「優秀な人材を口説く材料」になる

住宅業界のような労働集約型の産業で、成長の鍵を握るのは優秀な人材の獲得競争です。実際に、力のある幹部やリーダーが数名入ったことで会社が一変した例もあれば、逆にそうした人材が抜けて業績が苦しくなった例もあります。そして優秀な人ほど、社長個人の魅力だけでなく、会社の方針や計画に根拠があるかを見ています。当社代表は、計画書づくりのポイントを次の3つにまとめています。

ポイント中身
言葉の力かっこよさより、社長自身の
等身大の言葉で書く。
視点の高い言葉が社員の
視座と判断基準を引き上げる
過去と未来これまでの実績を正直に示し、
「ここから踏み込みたいから
力を貸してほしい」と伝える
条件・制度頑張ればどうなるかが見える
等級制度や報酬体系を
計画に入れ込む

採用は自社だけの競争ではなく、労働市場のなかでの他社との比較です。数字があっても条件が整っていなければ、人は移籍もしないし定着もしません。また、理念やあり方は基本的に変えず、やり方や施策はどんどん変える。手数を増やし、うまくいったものを増やし、だめだったものを減らしていく。計画の最後は、必ず施策のレベルまで落とし込むことが重要です。

住宅会社の成長は4つの数字で決まる

住宅・不動産業界の成長要因は、実はシンプルです。拠点数×拠点あたりの売上、そして営業担当の数×1人あたりの平均棟数。この指標に照らして、戦略的に適切な手を打てているかを問いながら計画を立てます。

住宅会社の成長を決める4つの数字:拠点数、拠点あたりの売上、営業担当の数、1人あたりの平均棟数

あわせて、自社のことだけでなく競合の把握も欠かせません。商圏の県内トップ3の会社が、どこに展示場を構え、何人の営業担当がいて、何棟を販売しているのか。そこに対してどう手を打つかまで考えておく必要があります。

計画に盛り込みたい成長戦略

  • マルチブランド戦略:ターゲット顧客層や価格帯、暮らし方を深掘りし、同じ商圏で別の看板のブランドを複数展開して地域シェアを高める。これまで限界と言われていた地域シェアも、上位企業がさらに大きく占める時代に入りつつある
  • 既存ブランドの活性化(フルラインナップ):既存の注文住宅ブランドは、採用と出店を進めれば売上が伸びるビジネスモデルになっているかを改めて確認する
  • コストパフォーマンスの高い商品と粗利の確保:価格重視・コスパ重視の需要に応えつつ、コストダウンで粗利30%以上を確保する
  • ハイパフォーマーの生産性向上:営業サポートの体制を整え、売れる人がより売れる仕組みをつくる
  • 積極的な採用:誰に何を売らせるか、どの店舗に誰を置き、どこが何人足りないかまで具体的に計画する

3〜5年先だけでなく、10年・30年先も考える

合宿では、ファミリービジネスの経営を専門とするビジネススクール教授・公認会計士の方にも講演いただきました。住宅会社には同族経営が多く、中長期の視野で意思決定できること、リスクを取れることが強みです。だからこそ、3年・5年の計画に加え、10年後、場合によっては30年後にどうありたいかを描いておくことが重要だといいます。

長期の姿が決まると、目の前の投資判断や投資規模、その根拠も変わってきます。たとえば本社ビルの建て替えのような大きな投資は、5年後の収益だけを見れば不要と判断されがちですが、30年後のあるべき姿があるからこそ決断できます。事業承継や資本政策は、準備から実行まで少なくとも3〜5年かかることが多く、短期で進めようとすると望まない方向に進みがちです。家族内で少しずつ話題にしていくことから始めましょう。

社長1人ではなく、幹部と一緒に作る

社長だけが学んでも、現場は変わりません。毎回参加している会社は、幹部を連れて参加し、一緒にインプットし、次のアクションまで決めて帰ります。幹部からは「社長が判断していく現場に立ち会えるのが一番大きい」「自分1人で根拠なく置いていた目標が、他の事業部長と出店計画まで含めて具体的な数字になった」という声がありました。

初めて参加した経営者からも、「これまでは1年後しか計画できなかったが、5年後を描くと人が足りない、人が増えれば店舗も広げる必要がある、といった課題が見え、すぐに採用の手を打てた」という感想が寄せられました。

作った計画は「発表する場」を決めて実行につなげる

計画は作って終わりではありません。成長させるためには、まず社内で発表する場を設定することが大事です。各リーダーが自分のチームに計画を発表し、落とし込む。月々の支援では、この計画を基準に進捗を確認し、逆算して当面のToDoを決めていきます。

そして、計画を伝えるときは「何をやるか」だけでなく「なぜやるのか」を語ること。数字や戦略はAIでも作れますが、なぜやるのかという社長自身の思いは、社長にしか語れません。数字から逃げずに成果を出し、そのうえで実現したいビジョンを語る。採用の場でも、社員への会議でも、SNSでの発信でも、この両方がそろったときに人はついてきます。

よくある質問

Q. 「3年で2倍」は高すぎる目標ではありませんか?

A. 今の延長線上では届かない目標だからこそ、採用・出店・新規事業といった踏み込んだ打ち手を考えるきっかけになります。売上に限らず、営業利益や自己資本、社員数など、自社にとって意味のある数字を選んで計画してみることが大切です。

Q. 経営計画に必ず入れるべき項目は何ですか?

A. 数字の目標と「なぜやるのか」、拠点数・拠点売上・営業人数・平均棟数の計画、事業別の損益、採用計画、等級制度や報酬体系などの条件面です。最後は具体的な施策まで落とし込みましょう。

Q. 経営計画は社長1人で作ってもよいですか?

A. 社長が方向性を決めることは大前提ですが、幹部と一緒に作ることで現場への落とし込みが格段に早くなります。作った計画は、各リーダーがチームに発表する場を決めて実行につなげることをおすすめします。

経営計画づくりはピュアグロースへご相談ください

経営計画合宿は、経営者向け勉強会「ピュアグロースクラブ」の例会として開催しています。他社の経営計画の発表を聞きながら、コンサルタントと一緒に自社の中期計画を作り上げることができます。

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