「自社の性能の良さを説明しても、営業によって伝わり方がばらばら」
「ショールームをつくりたいが、何をどう見せればいいか分からない」
住宅の性能や構造の違いは、言葉で説明するほど営業の力量の差が出ます。そこで、見て、触れて、体感してもらうことで「説得」ではなく「納得」をつくるのが体験型の展示施設です。本記事では、当社主催の視察会(81社・約250名が参加)で訪れたヤマト住建の「住まいの体感ミュージアム」の展示をもとに、比較で見せる展示のつくり方と、それが営業組織にもたらす効果を解説します。断熱体感ブースの案内の型や費用対効果については断熱性能を体感させる販売戦略で解説しています。ヤマト住建の経営の考え方はなぜヤマト住建は伸び続けるのかをご覧ください。
視察した住宅会社の多くが口をそろえたのは、比較の対象がすべて網羅されていることでした。断熱、構造、窓、音、空気、耐火など、お客様が気にするテーマごとに、自社の仕様とそうでない仕様を並べて見せる。自社の仕様だけを見せても良し悪しは伝わりませんが、比べると一目で違いが分かります。
例えば、普通のポットと保温性の高いポットの表面を触り比べてもらいます。表面が温かいのは普通のポットのほうです。なぜなら、中の熱が外に逃げているから。これを家に置き換えると、断熱の役割が直感的に理解できます。専門用語を使わず、日常の道具にたとえて理由まで伝えるのがポイントです。
構造の展示では、柱を見せる「真壁」と柱を壁で覆う「大壁」のそれぞれに構造用面材を張った試験体を、装置で約20秒ずつ繰り返し揺らし、違いを比べる実験を見せています。数値やカタログで説明するより、揺れ方の違いを目の前で見るほうが、耐震性への関心も理解も深まります。地震が比較的少ない地域の参加者からも「分かりやすい」という声が上がっていました。
窓の展示では、仕様の異なるサッシを並べ、断熱性能の違いや結露の出方の違いを見せています。良い部材を使っている会社でも、それを他の仕様と比べて見せる工夫まではできていないことが多いものです。参加者からも「自社も良い部材を使っているので、見せ方でもっと工夫できる」という気づきがありました。

体験型の展示の価値は、お客様の理解が深まることだけではありません。営業組織にとっても大きな意味があります。
視察に参加したある社長は「言葉で説明すると個人差が大きい。見て体感して、説得ではなく納得してもらえる仕組みが会社に必要だと感じた」と話していました。体感施設は、販売の仕組みであると同時に、営業を育てる仕組みでもあるのです。
大規模なミュージアムをすぐにつくるのは難しくても、考え方は規模を問わず取り入れられます。
すでにショールームを持っている会社でも、比較の視点が欠けている展示を見直すだけで効果は変わります。実際に視察した会社の中には、近く開設予定の体感ショールームに足りない展示を追加したいという会社もありました。
視察では展示だけでなく、店舗運営にも学びがありました。ある店舗では、工事に関するルールや協力業者に関する決まりごとが事務所に明文化して掲示されていました。参加者からは「優秀な住宅会社ほどルールが言語化され、徹底されている」という声も。体感施設のような分かりやすい仕組みの裏側で、日々の業務の型が言葉になっていることが、展示の価値を確実にお客様に届ける土台になっています。
A. 自社の強みのうち、お客様が気にするテーマを選び、必ず比較の対象と並べて見せましょう。断熱の温度差、構造の揺れ方、窓の結露の違いなどは、体感や実験で違いが伝わりやすいテーマです。
A. 役立ちます。言葉だけの説明では営業の力量差が出ますが、展示で体感してもらえば経験の浅い営業でも価値を伝えられます。案内の流れと説明を統一しておくことで、未経験者でも早く成果を出せるようになります。
A. 取り入れられます。ポットの比較のような身近なたとえや、部材のカットサンプルを並べる展示なら、展示場や打ち合わせスペースでもすぐに始められます。強みを1〜2つに絞って比較で見せることから始めましょう。
ピュアグロースでは、全国のトップビルダーを訪問する視察会をピュアグロースクラブの例会として開催し、体感施設やショールームの企画、案内の型づくりまで支援しています。自社に合った見せ方を一緒に考えますので、お気軽にご相談ください。