「店舗が増えるほど、店長や現場の状況が見えなくなってきた」
「一度は地域1番になれても、勝ち続ける組織をどうつくればいいか分からない」
複数の店舗を展開する住宅会社にとって、店長との関係づくりと、勝ち続ける組織の維持は大きなテーマです。岩手県の住宅会社シリウスは、20年連続で岩手県No.1の実績を積み重ねてきました(※動画内の発言に基づきます)。本記事では、同社で役員・代表取締役として組織を率い、現在はピュアグロースの顧問を務める経営者との対談から、20年勝ち続けた会社の人材育成と、店長とのコミュニケーションの考え方を解説します。
経営者として何を一番大切にしていたかと尋ねると、答えは明快でした。コミュニケーションです。
店舗数が最大10店舗あった時期も、このやり方を続けていました。移動距離は年間数万kmに及んだといいます。役員時代から続けていたことを、社長になっても変えなかったのです。

同社は店舗ごとの独立性が高く、店長の権限が非常に大きい組織でした。権限が大きいということは、それだけ店長の悩みも多いということです。だからこそ、店長の悩みに素早くアドバイスすること、そして社員のモチベーションを上げ続けることを社長の役割と位置づけていました。会社は社員あってこそ、という考え方です。
多くの経営者を見てきた立場からすると、こうした動きを実践できている社長は多くありません。店長を本社に呼びつけるのではなく、自分の時間を使って現場に出向く。そこに、勝ち続ける会社との差があります。
1番になるまでのモチベーションは比較的つくりやすいものです。難しいのは、勝ち続けることです。初めて1番になってから3連覇、4連覇、5連覇あたりまでが最も大変だったといいます。
| 時期 | 組織の状態 |
|---|---|
| 連覇の初期 | 数字への意識が先行して空回り。 受注を取りにいくあまり 粗利が取れなくなる |
| 立て直し | 本来あるべき姿に戻しながら 成果を上げる |
| 15連覇以降 | 年間計画でやるべきことを やれば勝てる組織に |
勝つことが当たり前の文化になるまでには時間がかかります。その土台になったのが、オーナーのリーダーシップと、それに伴走する社員一人ひとりの受注に対するマインドの高さでした。
同社のオーナーは、細かいスキルは後回しにしてでも、まず人としてどうなのかという人間力の教育に大半の時間を費やしていました。その結果、社員一人ひとりが「自分たちは何をやらなければいけないのか」を理解し、自ら動く組織になっていったといいます。
もちろん、住宅営業として必要なノウハウやスキルの教育も並行して行います。ただし、もともと備わっている人間力がマイナスに振れていると、いくら専門性を注入しても、お客様の役に立とうとする営業には育たない。だからこそ、教育の軸は人間力に置いていました。

この姿勢は、顧問としてピュアグロースに関わる現在も変わりません。直接接する機会が少ない若手社員の日報や、課題として提出している新聞記事のレポートにもすべて目を通し、「成長したね」「いい文章を書いているね」と声をかけています。上の立場の人が細かいところまで見てくれていると分かると、社員は大きな励みになります。
一方で、効率化のためにリモートでのやり取りが増えている今だからこそ、社員同士の交流や、取引先と対面で話す機会を意識的に増やすべきだとも指摘します。オーナーの悩みだけでなく、店長レベルの悩みをもっと吸い上げることが、組織を強くするからです。
人間力を軸にした幹部・リーダーの育て方については、伸びる会社は幹部を「分身」として育てるもあわせてご覧ください。
A. 20年連続で地域No.1を続けた会社では、すべての店長と月3回・1時間以上話し、月1回は必ず店舗を訪問していました。対面の回数が限られても、電話やLINEですぐ相談できる関係をつくることが大切です。
A. 数字への意識が先行しすぎることです。受注を取りにいくあまり粗利が取れなくなるなど、本来のやり方が崩れやすくなります。あるべき姿に立ち返り、年間計画でやるべきことをやり切る組織にすることが重要です。
A. 両方を並行して行いますが、軸は人間力です。人間力がマイナスに振れていると、専門性を身につけてもお客様の役に立とうとする営業には育ちにくいためです。
ピュアグロースでは、地域No.1の住宅会社で経営を担ってきた顧問をはじめ、実務経験豊富なメンバーが、店舗マネジメントや人材育成、組織づくりを支援しています。