「価格で負けている他社が本命になっていて、挽回の手が見つからない」
「社内に相談できるレベルの営業がおらず、自分のやり方が正しいのか分からない」
経営者同士が学び合う場は数多くありますが、トップ営業同士が会社の垣根を越えてノウハウを交換する場は意外とありません。ピュアグロースでは、元アイ工務店の全国No.1営業である当社コンサルタントが進行役となり、全国から年間10棟以上を販売する住宅営業を集めた勉強会を開催しています。
初回の勉強会には、平均15棟クラス、多い方で年間30棟を販売する営業が28名集まりました。本記事では、そのグループディスカッションで出てきた初回接客の工夫、勝ちパターン・負けパターン、価格差や建築条件付き土地への対処法を解説します。
この勉強会は講演形式ではありません。進行役は冒頭のあいさつと最後のまとめ程度で、中心はグループディスカッションです。「価格負けが濃厚な他社が本命」「他社が建築条件付きの土地を持ってきた」といったケースごとに、各チームで攻め方を話し合い、最も良かった意見を発表。進行役がそれを明日から使える形に言語化して整理していきます。
最初のテーマは自己紹介。ただし「なぜ自分は売れているのか」を言語化して話してもらいます。たとえば進行役自身は、「自分を売るというより、家が大好きだという気持ちをお客様に伝えまくると、お客様が自然とファンになってくれる」と自分の強みを表現しました。自分の勝ち方を言葉にすることが、他の人のノウハウを取り入れる土台になります。
いずれも、初回接客の当日ではなくその前の準備で差をつけているのが共通点です。
次のテーマは「受注が決まるパターン」と「失注するパターン」の整理です。自分の勝ち筋・負け筋を言葉にしておくと、商談の途中で「今は負けパターンに入りかけている」と気づき、手を打てるようになります。

| 勝ちパターン | 負けパターン |
|---|---|
| お客様が担当者を 名前で呼んでくれる・ 一番の相談相手になる | 奥様に出した宿題 (好みの写真を送るなど)に 反応がなくなる |
| 検討のフェーズを 前に戻して、 考え直してもらえる | フェーズを戻せず、 競合のペースで 話が進む |
| 連絡に即レスが返り、 やりとりの波長が合う | 初回で決めたスケジュールから 外れ、返信も遅くなる |
高性能を売りにする大手メーカーと競合しても、ほとんど負けないという営業の勝ちパターンは「レールを戻す」ことでした。お客様の土地がすでに決まっていても、「なぜその土地に決めたのか」を徹底的に聞き、お客様がその決断に至ったストーリーを理解するところから始めます。検討のフェーズを一度前に戻せれば勝ち、戻せずに競合のペースで進めば負け、というのが共通認識です。
感情を表に出さないお客様が多いという悩みに対して、参考になったのが次の2つの工夫です。
ディスカッションのテーマの一つが、「価格負けが濃厚な他社が本命で、価格差は約300万円」というケースです。他社のキャンペーンに合わせたり、お客様が求める性能に合わせたりすると、結局他社の方が安くなる。よくある苦しい場面です。
高く評価されたのは、あえて「断ってもらってもいい」という前提でゴールを再設計する方法でした。

家は値段だけで選ぶものではない、という話をきちんと受け止めてもらえるだけの信頼関係ができていれば、この提案は通ります。
進行役からは、こうした他社のトップ営業の手法は「自分がやられている側」だと思って聞くとよい、というアドバイスもありました。見積もりで勝ったと思ったのに「他社の最終提案が出るまで待ってください」と言われる。それは他社がこうした手でブロックしているのかもしれない、という視点で聞くと、明日からの商談の見え方が変わります。
他社が建築条件付きの土地を持ってきて、お客様がその土地を気に入っている。このケースでは、土地単体で勝負しても勝てません。出てきた対処法は次の2つです。
そのためにも、競合が扱う土地の用途地域、建ぺい率・容積率、斜線制限などは日頃から把握しておく必要があります。
参加者からは、勉強会の翌月に「3棟決まった」「4棟決まった」という報告が届き、大手メーカーの営業の中には単月7棟を契約した方もいました。社内ではトップで、ライバルがいないまま何年も同じポジションにいる営業にとって、自分より上のレベルの営業と出会うことが大きな刺激になります。
勉強会のあとは懇親会で連絡先を交換し、オンラインで勉強会を続けたり、お互いが建てた家を見学し合ったりと、業界の垣根を越えた交流が生まれています。自社の営業を外の場に出し、刺激を受けさせることも、営業力強化の一つの方法です。
A. そのまま同じ土俵で提案するのではなく、「価格差の理由を確かめる機会を3回ください」とお願いし、モデルハウス・オーナー様宅・現場などを見ていただく方法があります。合わないと思えば断ってもらって構わないと伝え、合意したうえで進めるのがポイントです。
A. 送った連絡への返信速度が一つの目安になります。返信が早ければ響いている、遅ければまだ詰め切れていないと判断し、次の商談テーマを調整します。お客様の職業に合わせて、返信しやすい時間帯に連絡することも効果的です。
A. 土地単体ではなく、建物や外構を含めた総合点で比較し直してもらいます。また、建ぺい率や斜線制限によってその土地では実現できない暮らし(平屋など)を提案し、土地ごと選び直してもらう方法もあります。
ピュアグロースでは、大手ハウスメーカーのトップ営業出身のコンサルタントが、トップ層のさらなる引き上げから新人の育成まで、住宅会社の営業支援を行っています。