「お客様の希望予算を聞いて提案しているのに、他社と比べられて決まらない」
「未経験で入った若手営業が、なかなか契約を取れずに伸び悩んでいる」
住宅営業では、初回のヒアリングで「ご予算はおいくらですか」と聞くのが当たり前になっています。しかし、元一条工務店で上位1%の成績を残した当社コンサルタントは、支援先の営業に「お客様の希望予算は聞かないでください」と繰り返し伝えています。
本記事では、宮崎県のピースホーム様で、異業種から未経験で入社した営業の方が、支援を受けてから毎月契約を取れるようになった事例をもとに、予算を聞かない資金ヒアリング、ホワイトボードを使った家づくりの進め方、ヒアリングで「一歩踏み込む」コツを解説します。
この営業の方は、異業種から中途で入社し、デビューして約10か月。支援を受ける前の4〜5か月間は2棟ほどの契約にとどまり、悩む時期が続いていました。当社コンサルタントの支援で営業の進め方を一から鍛え直し、そこから毎月契約をいただけるようになりました。
上司である店長は、「悩みのレベルが格段に上がった」と話します。以前は「アポが取れない」「アンケートをもらえない」といった1年目らしい悩みでしたが、今は「このお客様にはこういう阻害要因がある。それを解決するにはどんな質問をすればいいか」という、3〜5年目の営業がするような相談をしているといいます。
支援の中で最も特徴的なのが、お客様の希望予算をそもそも質問しないというルールです。聞いたうえで鵜呑みにしないのではなく、聞き出しません。当社コンサルタントによると、予算を聞かない進め方を自社のフローにしている会社には、これまで一社も出会ったことがないそうです。
その代わりに、資金に関して必ず聞くのは次の4つの事実です。

| 必ず聞くこと | 聞かないこと |
|---|---|
| 世帯年収 勤務先 勤続年数 現在借りているローンの有無 | お客様の希望予算 (「いくらくらいで 考えていますか」) |
お客様の現状の事実をもとに、そのお客様にとっての適正な予算は営業側から提示します。お客様が口にする希望予算は、ネットの情報や他社の話から何となく決めた金額であることも少なくありません。それを前提に提案すると、金額だけの比較になり競合が入り込みやすくなります。事実から適正予算を示すことで、お客様の納得感が高まり、競合しにくい商談になります。
言葉にすると簡単ですが、慣れないうちは抵抗感のある進め方です。だからこそ、他社との差別化にもなります。
もう一つの柱が、ホワイトボードを使って家づくりの正しい進め方をお客様に伝えることです。お客様は家づくりが初めてなので、ゴールまでの道筋が見えていません。「こういうステップを踏めば失敗しない家づくりになります」と先に示すことで、お客様の不安が解消されます。

この順番を間違えると、すべてがずれて理想の家が建たなくなります。「家は3回建てないと理想にならない」と言われますが、正しい順番で進めれば1回で理想の家を建てられると伝えるのです。お客様がこの進め方に納得すると、営業主導で進めようとする他社が入り込む余地がなくなり、そのまま契約に至るケースが多くなります。
この営業の方が今いちばん意識しているのは、ヒアリングで一歩踏み込むことです。お客様の言葉に「そうなんですね」と相づちを打ってメモを取るだけで終わらせず、そこからもう一つ質問を重ねます。
当社コンサルタントは、「お客様が話したことに営業側が疑問を持ち、その疑問が解消されるまで聞きましょう」と指導しています。お客様に興味を持てない、疑問が湧かないという営業もいますが、出発点は「このお客様はどんな家づくりをすれば一番幸せになるか」を考えることです。それが分かれば、そこから逆算して必要な質問が見えてきます。お客様にゴールを見せ、その先をどんどん示していく。そのために一歩踏み込むのです。
同じ支援を受けても、伸びる人とそうでない人がいます。この営業の方が短期間で伸びた理由として、当社コンサルタントが挙げたのが圧倒的な成長意欲です。
反復しているからこそ、商談中のわずかな違和感に気づける。気づけるから、すぐに相談して手を打てる。この循環が成果につながっています。
現在の契約率は2割ほど。当社コンサルタントは、まだ荒削りな部分を磨けば年間10棟、15棟も十分に見えてくると評価しています。残る課題は、契約を追い求める気持ちが少し前に出ていること。その熱量は素晴らしいものの、「このお客様をどうすれば幸せにできるか」という考えをもう一段強く持てるかが、さらに伸びるための鍵になります。
そして何より大切なのが、営業自身が自信を持って案内することです。自信のない営業が出てくると、お客様は「この人と家づくりをしたくない」と感じてしまいます。正しい進め方を身につけ、自信を持って伝えられる状態をつくることが、若手営業を育てる近道です。
A. 世帯年収、勤務先、勤続年数、現在のローンの有無という4つの事実を必ず聞き、そこからお客様にとっての適正な予算を営業側が提示します。希望予算を前提にしないことで、金額だけの比較になりにくく、納得感のある提案ができます。
A. 土地から先に決めると予算や建物の希望がずれ、理想の家が建ちにくくなることを伝え、建物から決める進め方を提案します。ホワイトボードなどで家づくりの全体の流れを見せながら説明すると、お客様も納得しやすくなります。
A. お手本となるロープレや商談の録画を用意し、何度も見返して反復できる環境をつくることが有効です。あわせて、困ったときにすぐ相談できる関係をつくり、「何が違うのか」を具体的に聞ける習慣を身につけてもらいましょう。
ピュアグロースでは、元一条工務店のトップ営業をはじめとする実務家コンサルタントが、ヒアリングや資金計画の進め方からロープレ、案件ごとの打ち手まで、営業の成果づくりに伴走しています。