「Web広告の単価が上がり続け、思うように来場が取れない」
「チラシは時代遅れだと思って、もう何年も配っていない」
集客の主役がWeb広告やSNSに移り、チラシをやめた住宅会社は少なくありません。ところが今、そのチラシが「三周回って」当たり始めています。地方だけでなく、都市部でも成果が出ている事例があります。
本記事では、20年以上にわたり住宅会社のマーケティングを支援し、当社コンサルタントの多くに集客の基本を教えてきたチラシ・広告制作のコンサルタントが、今チラシが効く理由と、令和版の「当たるチラシ」の3原則、実際の修正事例を解説します。考え方はバナー広告やホームページにもそのまま通じます。
理由は、デジタル集客が「当たり前になりすぎた」ことにあります。
Meta広告も、始まった当初は非常に安い単価で反響が取れましたが、どの会社も使うようになって状況は一変しました。各社が似たような外観写真を使い、AIで画像を加工するため、お客様から見るとA社かB社かの区別すらつきません。みんなが同じことをしているから差がつかないのです。
一方で、チラシは多くの会社がやめてしまったため、今は競合が少ない「空白地帯」になっています。特に分譲住宅やモデルハウスの販売会は、今もチラシで来場される方が多い施策です。もちろんWeb広告をゼロにすることはできませんが、デジタルが飽和しているからこそ、オフラインにチャンスがあります。
ただし、10年、20年前と同じチラシを配っても当たりません。よくある失敗は次のようなチラシです。
どの会社も同じような内容なので、お客様の目に留まりません。今必要なのは、戦略としてのチラシです。

集客の目的は契約ですが、「契約してくれる人」ではぼやけすぎています。たとえば「世帯年収600万〜800万円、お子様が1〜2人、今は賃貸住まい」のように具体的に絞り、その人だけに届けるつもりで作ります。誰に向けた広告か分からなければ、誰にも伝わりません。ビジュアルのかっこよさよりも、「自分のことだ」と思える分かりやすさを優先しましょう。
今の住宅に性能は必須ですが、断熱や耐震のスペックを並べても売れません。人は感情で動くからです。見学会であれば、このオーナー様はなぜこの家を建てたのか、アパート暮らしのどんな悩みが新居で解消されたのかを表現します。見る人が共感しなければ、心は動かず、行動にもつながりません。
ターゲットに刺さり、魅力も伝わったのに来場が取れない。その原因の多くは「オファー」が不明確なことです。オファーとは、チラシを見た人にどんな行動を取ってほしいかということ。見学会への予約なのか、相談会なのか、販売会なのか、動画を見てほしいのか、LINEに登録してほしいのか。作り手には当たり前でも、見る側は意外と分かっていません。
また、昔のようにチラシを握りしめて来場する人はもういません。興味を持った人は、検索するかQRコードを読み取ります。「詳しくはこちら」とホームページやInstagramに誘導し、予約フォームまでの導線をつくっておくことが欠かせません。
チラシやバナーを見るかどうかは、2〜3秒で判断されます。裏面から見る人はいないので、表面で目を止めて興味を引き、裏面で納得してもらうのが基本です。表面に言いたいことを詰め込んだチラシは読まれません。
紙面広告やバナーのような1枚ものの場合は、上半分が表面、下半分が裏面の役割です。広告は「いいな」「かわいいな」と感覚で受け止める右脳的なもの。「断熱性能でご家族を守る」といった理屈で理解する左脳的な情報は、下側に回します。紙面は有限なので、まず言いたいことを全部書き出し、そこから削ってスタメンだけを残しましょう。
表裏の使い分けや売れる販売チラシの考え方は、モデルハウスを早く売る方法|売却は「完成前」から。売れるチラシの3つのポイントでも解説しています。
このコンサルタントは、支援先から広告を依頼されると、まず手書きでラフを描き、デザインのイメージ例を添えて制作会社に渡します。上がってきたデザインがよくても、そこで終わらせず修正を重ねます。チェックするときの視点は、プロ目線ではなく「お客様としてパッと見たときに、自分なら行こうと思うか」です。

| 最初の案 | 修正のポイント |
|---|---|
| 1年以上公開している モデルハウスの見学会 | 「見学会」は前面に出さず、 「家族や友人とバーベキューを楽しめる アウトドアリビングの家」と コンセプトを付けた。 自然素材が伝わる内観写真を追加 |
| リフォームの見学会 | 「リフォーム見学会」より 「ロフトのある1.5階の平屋」と 何が見られるかを大きく打ち出す。 性能の説明は下側へ |
| 何のイベントか 分からないチラシ | 「モデルハウス&相談会」と オファーを明確にし、 「建て替えより賢い選択」と 来場のメリットを示した |
| オーナー様募集の リフォーム広告 | 上3分の2を使って 「リフォームモニター募集」と 最大の値引き特典を大きく。 不要な写真は削った |
フリーペーパーの小さな紙面広告でも、こうした修正で反響から1件の契約につながった例や、「1.5階の平屋」を強調した案で、2階建てを減築して平屋にしたいと考えている、まさに狙い通りのお客様が来場した例があります。大きく作り替えなくても、何が見られるのか、何をしてほしいのかを明確にするだけで結果は変わります。
よくあるのが、会社名を差し替えればどの会社でも使えてしまう広告です。「安くなります」はどの会社でも言えます。修正事例の一つでは、その会社が長年コンテストで1位を取り続けていることが小さく書かれていたため、大きく打ち出しました。どこか1か所でいいので、その会社にしか言えない「唯一無二」を入れることが差別化になります。
バナー広告での具体的な作り方は、クリックされるバナー・サムネの作り方|住宅会社の広告で成果を出す7原則もあわせてご覧ください。
今は画像生成AIを使えば、チラシやバナーを自社で作れる時代です。外注していたものを内製化することも難しくありません。しかし、AIに指示を出すのは人間です。何を一番伝えたいのか、何が二番目でいいのかを人が分かっていなければ、いくらやり取りしても良い広告にはなりません。
この原理原則は、マーケティング担当者だけのものではありません。営業担当がSNSで発信したり、自らチラシをポスティングしたりする会社も増えています。経営者・営業・設計を含めて社内で共有しておくと、日々の集客活動が大きく変わります。
20年以上住宅会社の集客を見てきたなかで、集客が伸びた会社を分解すると、広告運用を変えて一気に上がったという例はほとんどありません。多くは「今までやっていなかったことをやったら当たった」か「愚直にやり続けた」かのどちらかです。数年チラシを配っていない会社が久しぶりに配ったら当たった、ということも実際に起きています。「チラシは古い」という思い込みを一度捨て、戦略的なチラシに挑戦してみてください。
A. あります。Web広告やSNSは多くの会社が使うようになり差がつきにくくなった一方、チラシをやめた会社が多いため競合が少なくなっています。ただし、物件情報や価格を並べただけの昔のチラシではなく、ターゲット・物語・オファーを明確にした戦略的なチラシにする必要があります。
A. 1つ目はターゲットを具体的に絞ること、2つ目はオーナー様の暮らしの変化など物語を入れて共感を生むこと、3つ目は見学会予約や相談会など、見た人に取ってほしい行動(オファー)を明確にし、QRコードなどでWebに誘導することです。
A. 表面は2〜3秒で目を止めて興味を持ってもらう役割なので、何が見られるのか、誰のための家なのかを大きく伝えます。性能や価格の詳細、家づくりの考え方など理屈で理解する情報は裏面に回します。1枚ものの広告では上半分が表面、下半分が裏面の役割です。
ピュアグロースでは、チラシ・紙面広告からWeb広告、ホームページまで、住宅会社の集客を支援しています。モデルハウスの販売や見学会のチラシを単発で見てほしいというご相談にも対応しますので、お気軽にお問い合わせください。